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2011年10月28日 (金)

日本語を世界言語に。

メディアでは、猫も杓子も「自由貿易やグローバリゼーションの波に乗らなきゃマズイ」という論調ばかりですが、田中さんは本ブログで「日本の国家としての実力は、他国にとって脅威ですらあるのだから、どんと構えていれば良い」という主旨を述べられていたかと思います。

私も全くもって賛成なのですが、1点だけモヤモヤしている点があります。それは、10年後20年後の日本を担う子ども達にとって、語学教育はどうあるべきか?という懸念です。

米国が衰退していくなか、英語はいつまで世界の公用語たりえるのでしょうか?中国がどれほど急成長を遂げようとも、中国語がそれに取って代わる日が来るとはとても思えません。望むにしろ望まないにしろ、世界が今後ボーダレス化するなか、我々が将来にわたって生き抜いていくための語学習得はどうあるべきなのでしょう?

と言うご質問が読者の方からコメントとして寄せられました。難かしいテーマなので適切な回答になるかどうかは分かりませんが、筆者なりの見解を述べたいと思います。

ご指摘の通り、世界の政治経済、あるいは軍事のパラダイムが転換して行く激動の時期に、教育の分野でも迷いが出るのは当然ではないでしょうか。おまけに情報環境の変化のスピードは人が考え得る想定を超えています。

ただ言える事は、世界がどうなるかよりも日本がどうするかです。今後日本が政治経済、軍事の分野でどういう方向でいくのか、あるいは世界に対してのスタンスをどうするのか、そこが決まらないと、我々国民としても動きようがありません。

今の政府を見ていると、とても将来の事を真面目に考えているとは思えないのです。取りあえず権力を握り、その場しのぎで誤摩化して行く、その過程で取れる利権は何でも取ろうというスタンスにしか見えません。

もし、改心して真面目になったとしても、それはそれで不安です。(笑)無能な集団に日本の将来を委ねる訳にはいかないのです。かと言って官僚も自分達の事しか考えていないので当てにならず、木で鼻をくくる日銀などもどこ吹く風です。

しかし、それを言っていては話は進みません。良い風が吹く事を期待して、本来あるべき姿を自分達で模索するしかありません。

前々から言っている事ですが、日本と言う国は、ほんの一部を除いて全ての事を自己完結出来る、世界でも稀なポテンシャルを持つ国です。一部の資源さえ確保出来れば鎖国さえ出来るのです。ただ、その場合は強力な防衛力を持つ事が前提になります。

その完全ガラパゴス化(鎖国)は、井の中の蛙になる危険性を孕みますから前提としてはあり得ませんが、日本人のアイデンティティを消し、グローバリゼーションの罠に埋没してしまうであろう最悪の選択と鎖国との間には、無数の選択肢があるのではないでしょか。

そこは機を見て選択すればいいのです。ただ、日本の為だけでなく、世界の為にも最悪の結論だけは避けなければなりません。と言う事はアイデンティティを色濃く残す方向である事は間違いないようです。その上で、国益を見ながらの選択になります。

結論的には、関税自主権他の民族自決権を失う事なく、情報は幅広く取り入れる、必要なものを買う、必要な人間を受け入れる、という良いとこ取りでいいのではないでしょうか。

その為に最低限の、必要とされる情報を提供し、必要とされるものを売り、必要とされる人を送り込む事になります。資金も国益と安全保障の為なら供出すべきです。環境技術なども同様です。

このように、世界との関わりは付かず離れずが正解ではないでしょうか。その為にも、いたずらに外需を取りに行くべきではないのです。強い国は相手国との間に摩擦を作ります。余計な争いごとを避ける意味でも内需拡大を中心に経済成長して行くべきです。

そう考えた時に、語学はどうでしょうか。世界との関わり合いを限定するならば、今以上に必要とは思えないのです。文学の研究や専門分野の通訳等の特殊な職業は別ですが、普通の人にとって、語学は教養程度で十分ではないでしょうか。

それに、非常に近い将来には優秀な同時通訳機が出来る筈です。よっぽど専門的でない限り、それで十分かもしれないのです。筆者は語学に費やす時間があれば、もっと専門的な勉学、研究に時間を振り向けるべきと思っています。

中でも日本そのものに対して、日本人は知らなさすぎるのではないでしょうか。特に日本の近代史は置き去りにされています。過去の日本人が何を考えて何をしようとしていたかを学ぶ事は、日本のあるべき姿を模索する上で欠く事が出来ません。

いずれにしても、一般教養という視点で優先順位をつけて行った場合、外国語を学ぶという選択が上位に来るとは思えないのです。

このテーマ、後日に続きます。

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コメント

≫ 日本語を世界言語に。テーマが大きいので、どこから展開すれば良いのか躊躇しますが、

①メディアでは、猫も杓子も「自由貿易やグローバリゼーションの波に乗らなきゃマズイ」という論調ばかりですが、これはアメリカをも手下にしている国際金融機関が世界中を”金(ドル・ユーロ・元‥)”で縛り付ける為の誘導(洗脳)であると仮定すると色々な謎が解けますが、今回のテーマとはズレて行きますから横に置いておきます。

②日本語を世界言語に・・・経済・工業技術については一流の日本ですが、現政府はK国、NK国、B国への隷属機関なので、日本語を世界言語にとか、日本円を国際通貨に・・・等は将来展望も国家戦略もましてや、党の規約もなく、外人の献金OK、人攫いNK国支持団体へ送金をしているトンデモない現政権下での実現可能性は限りなくZERO.
言語に関しては少なくとも、首相、大臣たる人材は国際会議とかでは母国語でやり取りをして、上等な翻訳官が通訳しますが、訪日する重要人物に対しては『あなたは日本語か英語が出来ますか?日本語が快適でないならば、私が英語でお話ししましょうか?』位は言って欲しいですね。その点元首相の麻生さん、安部さん辺りは合格でしょうね。あ、自民党の全てを支持する積もりはありません、インチキも混じってるらしいので。

日本中の(左巻きBKD)新聞に自民党がボコボコに叩かれ、それに誘導されて、一回ぐらい民主にやらせようかと、ウッカリ民主にやらせたら酷いの何の・・・亡国狙いのK国手先でしたね。
    
③1ファンの者さんへの感想(偉そうな事を言うつもりはありません。単なる一国民であり、たまたまバイリンガルに育った子供の親として気がついた事柄です)
お子さんの興味の持てそうな(得意)分野、素質を考えて、将来どの様な職業の人物にするかを(ご両親で考えて、仮に)設定し、小学6年頃までは両親が家庭教師であると思い定めて育てられては如何でしょうか。モンスター・ペアレンツとは、学校教育に全てを任せてしまい、家庭教育を放棄した親の暴言かと理解しております。言語習得については、初めは母親の第一言語(多くの場合日本語)を中心とするのがベストでしょうね。絵本を読んだり、読み聞かせたり、作文を書くと言語力、表現力がUPします。数学/物理学の教授クラスの人材も充分な国語力がベースになっている例が沢山あるようです。

投稿: Carly | 2011年10月29日 (土) 03時11分

田中様、Carly様

丁寧に説いていただき、ありがとうございます。

肝心なのは「世界が今後どうなるか?」の視点以上に「自分(あるいは自分の子ども)がどうなりたいか」という“意志”なのだと理解しました。

田中様が仰るように『日本と言う国は、ほんの一部を除いて全ての事を自己完結出来る、世界でも稀なポテンシャルを持つ国』なのであり、我々が日本に生きる以上、第一義的に追求すべきなのは、その水準を未来にわたって継承・発展していくことなのだと思います。
(その基盤を前提に、技術や情報をグローバルに受発信するためのTOOLとして、他言語がはじめて意味を持つ)

そうした意味では、(語学系専門職を志す場合は別として)次代の子どもに早期から英語を叩き込もうとする現今の風潮にはやはり疑問を感じます。まずは日本という国<歴史・言語・文化>を過去から現在に至るまで学ぶことに時間を割くべきでしょうし、そのためにも規範となる大人自身が、正しい歴史認識と国際情勢を踏まえた政治・経済感覚を身につけなければならないのだと思います。

本ブログを拝見していつも思うのは、自戒の意味も含めてですが、日本人はもっとプライドを持って生きなければならないということです。

最終的には、やはり自分が所属する分野において確固たるプロフェショナリズムを磨くことが、英語を話す・話せないということ以上に「世界と戦える人間」になる近道なのではないかと思う次第です。

投稿: 1ファンの者 | 2011年10月31日 (月) 03時06分

≫ 本ブログを拝見していつも思うのは、自戒の意味も含めてですが、日本人はもっとプライドを持って生きなければならないということです。

最終的には、やはり自分が所属する分野において確固たるプロフェショナリズムを磨くことが、英語を話す・話せないということ以上に「世界と戦える人間」になる近道なのではないかと思う次第です。

・・・1ファンの者様へ
貴方様のご理解が、今のM主党議員さん、J民党議員さん及びそれらの方々を育てたご両親にあったなら、田中 轍さんの指摘どうり今時は、米の未来学者ハーマン・カーンが著書『超大国日本の挑戦』の中で21世紀は日本の世紀となっていたでしょう。中国の覇道とか、B国の軍事力での圧迫、自然災害が日本を襲って来ていますが日本は世界で2600年間、国家を形成して、他国に立ち向った国家国民なので決して屈服しないでしょう。

投稿: Carly | 2011年10月31日 (月) 16時56分

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