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2011年10月15日 (土)

額に汗した分のお金を返してくれ。

時々見に行く、ある有名経営者のブログで、あれっという記事を発見しました。最近こういうの多いのですが、他意はありません。念のため(笑)

日本の財政に関しての記事だったのですが、「増税の必要は全くない」と書いているところまでは良かったのです。さすが分かってらっしゃる、と思っていると、あれあれ、別の日の記事で、「近々、日本国債は必ず暴落します。これは断言できます。」続いて「金利が上がることにより、日本の財政が破綻しそうです。」と書かれているのです。

経済学者でもないのに、ある程度影響力のある人が、ここまで断定的なことを言うからには、数字的裏付けや、何かよっぽどの根拠が必要ではないでしょうか。賢明な人なのに残念なのですが、事、日本の財政に関しては勘違いしている人が、知識人、あるいは要職に就いている人でも、まだ多いようです。

かく言う筆者も素人なので、断定的なことを言うつもりは、さらさらありません。筆者が考える経済の常識の範囲で言わせてもらいます。またハードル上げたかな。(笑)

金利が上がって、破綻すると言っても、具体的にどうなるというのでしょうか。そこを書かないと説得力がありません。いずれにしても金利が上がって得をするのは94%の国債を保有する日本の金融機関始め日本人です。ちょっとした量的金融緩和くらいのものではないでしょうか。そこは海外から外貨建てで借り入れているギリシャなどとは決定的に違います。

さらに、その場合連動して円が下がりますから、破綻論者のロジックでいけば輸出が伸びて、ウハウハの筈です。景気が良くなり税収も増えます。悪い事ばかりではないのです。いきなり暴落というのも分かりません。数字的にどの位をイメージされているのでしょうか。

どう考えても、国内の国債保有者が一斉に売りに出るような要素は、他がひどいだけに見当たらないのです。投機筋の仕掛けが怖い、といわれるかも知れませんが、日本国債の年間売買取引高は直近で年間7000兆円にもなります。また東証の国債先物の売買高は1100兆円と巨大です。ソブリン系ならいざ知らず、仕掛けられる程の民間ファンドがいるとも思えません。

それに、日銀の存在を忘れてもらっては困ります。暴落の気配があれば買い支えればいいではないですか。震災の時には120兆円もの金融緩和を数日で実行した日銀ですから、国家の一大事とあれば、それなりに動くでしょう。指をくわえて見ているとは思えないのです。

日本は、あくまでも円建ての国債しか発行していませんから、そういう芸当が出来る訳です。そういう事を織り込んだ上での現在の金利だと思えばいいのではないでしょうか。市場は狡猾です。言われる程日本の財政状態が悪いなら、とっくに暴落しています。

そういう誤った前提から来るあり得ない解釈はどこから来るのかと考えた時に、与謝野議員の言葉が思い出されます。クルーグマン教授が「日本の場合は問題は簡単だ。お金を刷れば全て解決する」とアドバイスをくれた時に「お金は、額に汗して稼ぐものだ」と反論したのです。(笑)

これはまさに一般労働者の感覚です。当時金融担当大臣かなんかだった筈ですが、立場を認識出来ていない発言と言えます。こういう大臣で国が上手く行く筈はありません。むしろよくこの程度で済んでいると言えます。

いいですか。与謝野さん。日本国民は一生懸命働いています。ところが額に汗した分、お金をもらえていないから問題なのです。簡単な理屈です。政府がものとサービスの供給量に見合っただけのお金(流動性)を増やさないからです。

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お金は輪転機で廻せばいくらでも作れます。いい例とは言えませんが、中国やアメリカを見て下さい。リーマンショック後は湯水の如く刷りまくっています。そこまででなくても、もうちょっと刷っていれば大分違っていたのではないでしょうか。

ところで、簡単にお金を刷ると言いますが、その仕組みはどうなっているのでしょうか。日本の場合、三通りのお金を作る方法があると筆者は理解しています。一つは日銀です。日銀券を経済成長に合わせて発行します。

二つ目は政府です。現行はコインのみの発行ですが、その気になれば政府紙幣の発行権を持っています。ここはアメリカなどと違って、まだ救われるところです。これを失うと日本は終了します。

三つ目は、何と民間の金融機関です。意外でしょうが民間の金融機関は預金準備率分の現金を日銀の当座預金に預ければ、後はいくらでも預金から貸し出しが出来るのです。これを信用創造と言います。

従って借金をする人や企業が多ければ多い程銀行の貸し出し残高は増える事になるのです。お札をイメージすると分かり難いのですが、単なる数字を打ち込むと思えば理解が簡単です。金融機関全体で見れば、貸したお金は必ずどこかの預金になり、すぐに戻って来る事になります。だって、誰かの通帳に印字するだけですから。(笑)

貸し出して、既にない筈のお金を預金準備率の数パーセント(日本の場合、2%程度)を残して、また貸せるという訳です。その繰り返しで貸し出して行けば、不良債権にならない限り、限りなくお金を増やす事が可能です。

これが経済成長の正体なのですが、発展途上国の場合はこの機能が働きやすいのです。ところが日本のように成熟した経済大国の場合、内部留保が240兆円と巨大な事もあり、設備投資の為の借入が経済成長する程大きくないのです。

その場合は、政府が肩代わりするしかありません。デフレであれば借入(国債発行)という形でなく、単にベースマネーを増やせばいい(バーナンキさんのプリンティングマネー)のですが、バカ正直に国債の発行を中途半端に続けて来ました。

結局は、ご存知のように、国全体のバランスシートの中で政府側の負債だけが不自然に膨らむという形になりましたが、やり方次第では、政府の負債を増やさずに経済成長する形に持って行けた筈です。

世界屈指の潜在供給力と世界一の対外純資産を持つ国です。今からでも決して遅くはないのですが、財政再建派や増税をしたい財務省、あるいはどこの国の中央銀行か分からない日銀の抵抗にあって、全くと言っていい程健全化が進みません。

まあ、それもこれも、色々外圧があって、内部に巣食う売国勢力が、それに応じた結果ですから、仕方がないと言えば仕方ないのですが、国民が事実を知る事によってある程度は防げるのではないでしょうか。増税に賛成しているようでは見通し暗いのですが。。。

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コメント

≫ 『生殺与奪の権を他国に握らせてはいけない』・・・これは日本が独立、自尊の国家で存続する為の最低限の条件であるし
≫ 『額に汗した分のお金を返してくれ』・・・C国におどかされ、ODA(OfficialDevelopment Assistanceの略、政府開発援助。発展途上国に対する無償援助・技術協力など)を出し続ける政府、国防を軽んじている国民とその方向に先導してきた新聞/TV、日教組なのですが、C国(とかK国、NK国)の奴隷に日本はなりたくないのでB国の国債買い込み、ドルの買い支え等を散々してきた結果、日本は貧乏になっちゃいました。

外国人優先で日本人無視(福島東北見殺し、韓国、中国へはペコペコ)のM主党/シガラミを引きずった一部の古参J民党員の後始末をする事に大多数の国民は疲れちゃいましたよね。

投稿: AZ生 | 2011年10月15日 (土) 14時12分

おーい、自民の星、新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久さん等の若手議員達(自民も変な奴結構いるよね・・・C国人千万人受け入れましょう案・・・あのう、それって合法的に日本が占領されちゃうのと同じですよ!)頑張って引っ張ってくれーい!

たちあがれ日本とか、マトモな政党は頑張れ!

投稿: 国士ZX | 2011年10月15日 (土) 16時39分

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