« 延びる平均寿命 | トップページ | IT界の巨星墜つ »

2011年10月 5日 (水)

日本異質論の正体

メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網で魚をとってきた。

それを見たアメリカ人旅行者
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの?」

メキシコ人漁師「そんなに長い時間じゃないよ。」

アメリカ人が「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ。」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。

「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの?」
と旅行者が聞くと、漁師は、

「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。
戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…
ああ、これでもう一日終わりだね。」

すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。

それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。
やがて大漁船団ができるまでね。

そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。

その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、
ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ。」

漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね?」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね。」
「それからどうなるの。」

「それから? そのときは本当にすごいことになるよ。」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ。」
「それで?」

「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、
日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。
どうだい。すばらしいだろう。」

あるブログからの拝借です。なかなか示唆に富んだ面白い話です。結局人間は無駄な事をして遠回りをしているという事でしょうか。しかし、人間は無い物ねだりの動物です。本当に欲しいものが見つかるまでに時間がかかるのは仕方がないのかも知れません。

物質文明に毒された筆者などは、最初からの、そういう素朴で楽な生活には馴染めそうもないのです。やりたい事が一杯あるし、進歩や進化を実感したいという欲求は果てしないものがあります。そういう点では、こういう時代に日本に生まれて来た事を神に感謝せざるを得ません。

しかし、この話からインスパイアされる事は数多くあるようです。経済や貿易の点でも大きなヒントが隠されています。人間が皆、この漁師のおじさんのように自国にあるものに満足して、持続可能な自給自足経済を維持するならば、貿易なんて全く必要ないのです。

では、なぜ人間は貿易をするようになったのでしょうか。それは500年程昔、コロンブスの時代まで遡ります。圧倒的軍事力を持つ欧州の白人達は世界の富を求めて大海に出て行ったのです。大航海時代です。

行き着いた先で、自国にないもの、知らないものを多く見つけた情け無用の略奪者達は原住民を騙し、あるいは強奪して自国へ運ぼうとします。ご存知のように結局は有色人種の土地を手当り次第に植民地(下の図/アジア版)とし、やりたい放題となりました。

2011100375c0139575_5544321

これが何と、第二次世界大戦で日本が欧米列強に逆らうまでの間、続く事となります。日本の抵抗や、それに触発された植民地の独立運動に遭い、植民地政策が割にあわないものと悟るまでの間、人的犠牲、物質的損失は計り知れないものがありました。

しかしながら、植民地を放棄した白人支配層が、おめおめと引き下がるとも考えられません。当然代案を捻り出します。それが自由主義経済、自由貿易、グローバリゼーションの美名の下、世界中を巻き込んで美味しい汁を再び吸おうという企みであった事は明らかではないでしょうか。

経済強国が、世界から天然資源等の物資を購入し、その代金で工業製品を売りつけます。借金までさせて先進的生活に慣れさせ、自分たちのペースに乗せるのです。挙げ句の果ては借金の型に資源の採掘利権を得たり、企業買収を計って経済浸食して行くという訳です。(あくまでも仮説ですが/笑)

あるいは米のようにドルを世界中にバラまき、世界の価値を吸収します。さらにいかがわしい金融商品で堕落させ、突然クラッシュして奈落の底に突き落とすのですが、あくまでも合法です。

しかし、それにも立ちふさがった国がありました。そうです。またもや黄金の国ジパングです。(笑)技術や供給力の点で、戦後あっという間に欧米列強を追い抜いた日本は、欧米が得る筈であった利益を横取りします。

さらに、欧米から貿易一人勝ちを阻止されると、何と世界中に惜しげもなく「資本や技術」(黄金)を投下するではありませんか。アジアが一気に経済の主役に躍り出ました。

これでは白人の思惑通りにはいきません。白人支配層の思惑を考えもしない日本は、また恨みを買う事になるのです。日米貿易摩擦、プラザ合意、構造協議、年次改革要望書等は、日本潰し以外の何ものでもありません。

それでも這い上がる日本に対し、政府や日銀にまで魔の手は延び、影響力を行使されますが、さすがにここまでやられると息切れします。大震災も重なって断末魔の喘ぎが聞こえて来るようになりました。

話が明後日の方に飛んでいますが、要するに言いたい事は、世界と関われば関わる程日本のようなバカ正直で能力のある国は大変な目に遭うのです。それでもなお騙され続け、意地でも世界に出ようとする日本。。。

そろそろ気がついてもいい頃ではないでしょうか。指導者と防衛力さえ整えば、いかがわしい世界に関わらず、持続可能な自給自足経済が達成出来る世界で唯一の国、日本の進むべき方向は明らかです。

世界を救うなら、今のような中途半端な関わり合い方をせず、まず自国が単独で強大になり、然る後に世界に影響力を行使する事です。あくまでもソフトパワー、スマートパワーでですが。。。

ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを!!

|

« 延びる平均寿命 | トップページ | IT界の巨星墜つ »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

≪ 日本異質論の正体 ≫という題名に触発されて、日本のあるべき姿:自立自尊の国家を目指して・・・という課題を立てて自分なりに、21世紀型の日本はどうあるべきなのでしょうか?と壮大過ぎるテーマなのですが、練習問題としてちょっと考えてみました。災害対応は第一番目に取り込む事柄ですが、同時に下記課題も消化するべきです。

①水、食料、エネルギーの自給自足・・・生物生存としての最低限要件・・・海路の封鎖(C国が・・・)、TPP(B国が・・・)等に大きな影響があります。安価な食料の輸入に流されると輸入が途絶えたとき、餓死などの発生あり

②国土の維持確保・・・自然現象の災害及び他国からの侵略を防ぐ為の備え、危機管理/他国に隙を見せない為の充分な防衛力の構築;スイス、デンマーク的スタイルが良いかも

③経済繁栄の施策構築と推進・・・内需拡大を主なる課題として農業/漁業等/エネルギー確保としてはメタンハイドレートなどの地下資源系、石油を生産する”藻”の実用化、地熱/太陽光/風力等の再生可能系

④現在の政党政治について・・・健全保守が大同団結したら良いのではないのかな・・・M主党はちっとも民主的でなく、党首が党内の意見をマトメてもいなくて独断であれこれ海外にも発言していますね、キム正日に大分似てますね

⑤教育改革・・・科学技術系の人材育成に国力を重点投資をしましょう・・・今の政治家は文系(本物の文系人材が怒るでしょうが!)ばっかりで、目標意識とか想像力が殆んど皆無。やっぱりテーマが大きすぎ、疲れたので今日はこれでおしまい。。。

投稿: AZ生 | 2011年10月 8日 (土) 07時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 延びる平均寿命 | トップページ | IT界の巨星墜つ »