それでも日はまた昇る(?)
昨日のテレ東WBS(ワールドビジネスサテライト)は途中から見たのですが、いきなり JAPAN AS NO.1 と JAPAN PASSING の文字が目に入りました。何の事かと聞いてみると、バブル崩壊までの1991年までは JAPAN AS NO.1と言われたが、今は JAPAN PASSING だという事らしいです。
新参の評論家のおじさんが、91年当時と比較して「日本は駄目になった」というような事を言っていました。WBS の劣化も酷いものですが、デタラメがまかり通るようでは日本は駄目になったと言われても仕方ありません。
JAPAN AS NO.1(社会学者エズラ・ヴォーゲル/1979著)は日本の経済成長の要因を分析したベストセラーですが、経済の話がメインです。それに対して JAPAN PASSING という言葉はあくまでも政治と安全保障に関するものと認識しています。米が戦略的に、市場が大きく賃金の安い中国をパートナーに撰んだ事からこの言葉が流行りました。
従って二つのフレーズを同列に論じるのはどうかと思うのですが、この人は日本が衰退しているのは経済力も含めて日本に魅力がなくなったから、とでも言いたいようです。テレビには、この手の分析のあまい人が多いのです。
テレビに出る人の劣化と言うか、質の悪さが視聴率下げの一因でもありますが、若者のテレビ離れは酷く、劣化、視聴率下げ、低予算、劣化の悪循環は止まりそうもありません。インターネットに押されて消え行くのみではないでしょうか。
話が横道にそれましたが、70年代からの日本は JAPAN AS NO.1と言われたり、ハーマン・カーンには著書『超大国日本の挑戦』の中で「21世紀は日本の世紀」と言われたり、盛んに日本が持ち上げられる時代はあったのです。
それが90年のバブル崩壊を経て、経済成長は鈍化します。円高も加わり生産拠点の海外シフトが本格化しました。失われた10年、20年が始まったのです。米からの内政干渉が激化した事も見逃せません。
それを見た日本人と、上辺しか見ない世界のエコノミストは日本の衰退が始まったと解釈しました。GDP を見る限りは、そう考えられても仕方がありません。完全に世界の成長からは取り残され、一人当たりのGDPも下がる一方です。
ところが、本質を見抜いていた人がいないかと言えばそんな事はなかったのです。英国人ジャーナリスト ビル・エモットは2006年に著書『日はまた昇る』で日本の復活を予言しました。
その読みは正しく、2008年までは経常収支の黒字が増え続け、年にタイ一国のGDPをも上回る25兆円の黒字を溜め込むようになります。自動車生産も2400万台に達し、800万台を超えたトヨタがGMを抜いて世界一の生産台数を達成しました。
ところが好事魔多し、リーマンショックで輸出産業がガタガタになります。それでも変な金融商品に手を出していなかった日本本体の傷は浅く、復活は難しくないと思われました。
実際問題、リーマンショック後に先進諸国や中国が行ったような大胆な金融政策を打っていたならば、デフレも解消されたでしょうし、ここまでの円高にもならなかったのです。
特に中国が実行した外貨準備を活用した大規模内需拡大策は見習うべきところが大いにありました。日本も財政出動による公共投資等の対策を講じていたならば、ここまで不況が長引く事もなかったのではないでしょうか。
死んだ子の歳を数えるような事をしても始まりませんが、途中で民主党政権に変わった事が日本にとっては最大の不幸でした。自民党が決めた景気拡大策をことごとく否定し、日本人は謂れのない人的災害の犠牲になります。
しかも最近では日本から世界への資金の流れに熱心で、その財源は国内への増税と公言しますから開いた口も塞がりません。さらに、非日政権の最終仕上げは TPP による日本解体です。
国民が軽い気持ちで民主党を撰んだツケは100年の不作、いや、あるいはそれ以上だったようです。
話が例によって明後日の方向に飛びました。(笑)ともあれ、日本の失われた20年は正しい選択とは言えないかもしれませんが、世界へ躍進した20年でもあったのです。その間に海外に進出した日本企業の売り上げは200兆円にも達しました。
これが海外に向かわず、全て内需であったなら、名目でも700兆円のGDP という事になり、デフレギャップくらいは吸収出来ていたのかも知れません。
外圧と悪政と偏向マスコミのせいで歪められ貶められた日本が再生する事はあるのでしょうか。全ては国民一人一人の覚醒にかかっています。
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コメント
①TPP参加の阻止、②増税の阻止、③民主党の空中分解で ≪日は又高く高く昇る≫
但し
TPP参加と増税実施、及び民主党が後2~3ヶ月でも居座れば≪日本沈没≫
投稿: 心配性君 | 2011年11月 8日 (火) 15時21分
TPP参加・・・オバマさん(米国内選挙対策の為)からの要望であれ、TPP参加は日本が隷属下になる事ではなくて、国家が滅びる寸前までしゃぶられる事を意味します。野田さんは理解していないのでしょうね!民主党の複数議員を含め、他の超党派議員さん達がが阻止のデモを始めたようです。
投稿: AZ生 | 2011年11月 8日 (火) 15時43分
マスコミの劣化が激しい。TPPを推進するNO何とかさんとセットで宇宙の果てに行ってくれないのかな。
投稿: かかし君 | 2011年11月 9日 (水) 06時33分