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2011年11月24日 (木)

覆水盆に帰らず。

韓国国会が米韓 FTA の批准で大騒ぎをしていました。催涙ガスとは笑ってしまいますが、かつて日本や台湾も似たような事をしていましたから笑えません。(笑)

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これで韓国は長く緩やかな衰退の道が約束されましたが、日本だけは巻き込まないで欲しいのです。日韓通貨スワップ協定を、どこかの時点で打ち切らなければ、巻き添えを食らって底なし沼に落ちます。

李大統領は元来大企業優遇政策を採って来ましたが、FTA はその集大成のようなものです。サムスンや LG、ヒュンダイなど一部の輸出企業は栄えるかも知れませんが、一般国民には何のメリットもありません。塗炭の苦しみを味わう事になります。

日本の新聞は一斉に、これで日本が不利になると騒いでいます。特に自動車の対米輸出は韓国に全て持って行かれるかの如くに書いていますが、果たしてそうでしょうか。筆者には、そこまで極端な事になるとは思えないのです。

そもそも汚染された偏向日本メディアは韓国を過大評価していますが、技術の点では日本との差は埋め難いものがあります。

日本からの技術流出によって、日本と得意な耐久消費財等の分野が重なりますが、絶対的なクオリティの点では、まだまだ追いつく事は出来ません。先日もLG のリチウムイオン電池が発火してGM のボルトが燃えました。こういうミクロの精度が要求される繊細な製品は日本の独壇場ではないでしょうか。

さらに先日も書きましたが、貿易依存国の韓国では海外を優遇せざるを得ず、サムスン、LG の場合でも韓国内価格が海外での売値より高いと、先頃問題になっていました。自動車も同じです。

サムスン電子の46型LEDテレビ(D6400)を販売店での価格を基準に見ると、韓国国内では291万ウォン(約20万3000円)、米国216万ウォン(約15万700円)、ドイツとフランス239万ウォン(約16万6800円)、マレーシア230万ウォン(約16万500円)で、どこと比較しても60万ウォン(約4万2000円)ほどの差があった。最も安い中国の172万ウォン(約12万円)に比べると、韓国ではなんと119万ウォン(約8万3000円)も高かった。

自動車の場合は、もっと深刻です。今後キーになる省エネ、環境技術が絶対的に不足しており、果たして自由貿易に耐えられるのか疑問視されているのです。

例えば、ディーゼルエンジンの中核を担う燃料噴射装置などの技術がありません。一個の値段が20万-30万ウォン(約1万3000-2万円)の燃料噴射ポンプ、40万-50万ウォン(約2万6000-約3万3000円)の燃料噴射インジェクター、50万-60万ウォン(約3万3000-4万円)のエンジン・コントロール装置(ECU)、50万-100万ウォン(約3万3000-6万6000円)の排出浄化装置などは、すべて輸入に頼っているのです。

韓国の自動車産業のトップを行く現代・起亜自は、10位以下になる売上はともかく、生産台数に関しては世界第5位と上位につけていますが、内燃機関とモーターを組み合わせて使用し駆動するハイブリッド技術や、全てを輸入に頼るエンジン制御の為のECU などの先端技術に関しては悲観的と言わざるを得ません。

一方の日本のトヨタは1リットル当たり40キロの走行を可能とするハイブリッド小型車アクアを先頃を発表しました。従来のプリウスの32キロに比べ約25%も向上したのです。来年にはそれを大きく上回る、プラグイン・ハイブリッドカー(下)も発売が予定されています。

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それに対して、現代・起亜自が最近発売した「ソナタ・ハイブリッド」と「K5ハイブリッド」の最高燃費は21キロでしかありません。既に30キロ台を実現する日本のガソリン車と比べてもアドバンテージがあるとは言えないのです。

さらに韓国が本当に恐れなければいけないのは、米韓FTA によって、米で生産された日本車が米車として関税ゼロで入って来る事です。日本から韓国への場合だと、自動車と部品が8%、バストラックが10%ですから、明らかな差があります。

アメ車と日本車が連合軍で集中豪雨的に入ってくれば、現在寡占状態の市場が激しい競争に晒され、これまでのような自国民に犠牲を強いる価格設定という訳にはいかなくなるのです。

どう考えても韓国にメリットが薄いFTA を推進する事は、自滅の道を突き進んでいるようにしか見えないのですが、いつまでも通貨スワップ等で日本に頼る訳にはいきません。

日本だって人事ではないのです。TPP に参加すれば、二度と後戻り出来ない衰退と民族アイデンティティ喪失へ進む事になります。正に、覆水は盆には返らないのです。

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コメント

≫ 日本だって人事ではありません。TPP に参加すれば、二度と後戻り出来ない衰退と民族アイデンティティ喪失へ進む事になります。正に、覆水は盆には返らないのです。

・・・どじょう一匹で日本国沈没、効率が良すぎます。水爆よりも人民解放軍10個師団よりも破壊力抜群。
あ、まだ米議会で承認さえてないのね、米自動車業界は日本のTPP参加を反対しているし・・・

投稿: AZ生 | 2011年11月24日 (木) 04時58分

くっくりさんより拡散要請
http://kukkuri.jpn.org/1103arashijouhou.html

投稿: リラックスタイム | 2011年11月26日 (土) 00時36分

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