川辺に遊ぶ子供
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国債の国内消化は良い事なのか(?)
(中略)
ただ、牧さん。国民が国債のほとんどを消化している現実は本当に日本のためになるのでしょうか?考え中です。株式持ち合いをしている会社の経営みたいなもので、モノ言わぬ株主。モノ言う株主に株主になってもらった方がガバナンスが効きます。多くの株主にとってはその方がプラス。
今の国債の消化の仕方は、経営陣、つまり政府にとっては好都合。しかしそれが国民のためになるかと言えばどうなんでしょう。国債マーケットによって政府が不信任を受けるような環境の方が、国会議員や政府は緊張感を持って仕事をすると思うのですが。まあ国民も。その方が将来世代にとってはプラスです。(橋下徹)
え〜〜。筆者は橋下市長に対して、何の個人的恨みもないし、目の敵にしなければならない理由がある訳でもありません。ただ、その危うさ、軽さに、限りない危機感を感じ、あえて苦言を呈しているのです。国政に進出するのでは、他人事で済まないからです。
昔、韓国の友人が面白いことを言っていました。法すれすれの際どい事をしている人の事を、「川辺に遊ぶ子供」と表現したのです。「川に落ちた犬は棒で叩け」のような、韓国特有の諺なのでしょうか。言い得て妙なりです。
橋下市長も、法はともかく、川辺に遊ぶ子供のような気がしてなりません。ちょっと間違えば、急に増水した濁流に飲み込まれかねないのです。その自覚が本人にあるとは思えません。その証拠に安易に「みんなの党」や「公明党」と組んだり(未だですが)します。そこに政治家としての理想や理念、矜持は感じられないのです。
前置きが長くなりました。(笑)今日は橋下市長がつぶやいた事に対する反論です。何事もたたき台だそうですから、議論をするのは良い事です。その中で、確かで正しい方向を掴んでもらえば言うことはありません。まあ、拙ブログを読まれる事もないでしょうが。。。(笑)
さて、橋下さんは国債の事を、株式か何かのように捉えられているようですが、いえいえ、そんなもんじゃあございません。言わば金券ですから、手形、あるいは日銀券のようなものなのです。持つだけで利息が付いたり多少価値が上下するだけです。そういう点でも為替で価値が変動する円との違いを見つけるのは困難です。
つまり、日本国債とは円と同じように、日本そのものの価値を現しています。魅力のない国の国債は、金利が高くなければ誰も買いません。イタリアは長期国債の金利が7%にもなりましたし、ギリシャなどは20%台です。反対に魅力があれば、買い手が殺到し、金利も下がります。ここに来て日本国債は10年もので1%を切ったりしています。
ではその魅力とは何でしょうか。橋下さんが言うような、政府への評価でしょうか。ではなぜ史上最悪のBKD 政党が政権を取り、そのお陰で経済が停滞している日本国債が高く、金利が世界最低なのか、矛盾があります。
魅力とは将来的に値上がりする可能性がある、また、持っていて損をしない安心感がある、あるいは、売りたい時にすぐに買い手が付く事です。その為の条件とは、日本の国力、経済力が優れている事に他なりません。
結局、政府ではなく、国民が確かな付加価値を生み続けている事が大前提となります。あるいは多少低迷していてもポテンシャルが凄くあれば将来に賭けられます。その上で過度なインフレでない事、徴税代(しろ)、通貨発行代がある事なども重要な要件になるでしょう。経常収支が赤字でない事、対外資産が黒字である事も必須要件です。要するに余裕があるかないかです。
このように見て投資家は判断します。では世界中を見渡して、日本国債程の安全な金融商品があるでしょうか。(?)否です。デフレで円の価値が凝縮されている現在、円の潜在供給力は無限です。日銀が10兆円くらい増やしたところで屁でもありません。
従って、円の代わりとして国債を増やし、国内で消化している限りは何の問題もないのです。バランスシートの形が歪にはなりますが、理論上は永遠にだって続けられます。
ところがですよ。これが海外保有の比率が上がって来ると、そうは行かないのです。いかに低金利とは言え、100兆円につき1兆円もの利息を払えば、1兆円の日本の富が外に流れる事になります。
さらにもっと保有率が増えた場合、海外の思惑でコントロールされるリスクが高まるのです。以前中国が買い増して来た時に緊張が走りました。(笑)相手によりますが、売るぞ売るぞと脅かされたり、空売りを仕掛けられたりされかねないのです。それこそ投機筋によって暴落のリスクに晒されます。
今もチョコチョコ悪さを仕掛けるのがいて、必ずその前にはIMF が日本の財政に難癖つけたり、格付け会社がグルになって、ランクをいじったりしますが、日本国債のマーケットはデカ過ぎて、ピクリとも動きません。
最悪のケース、例え売り浴びせられたとしても、ギリシャのように外貨建てでなく、自国通貨建てなので日銀が買い支えられますから、大きな問題にはなり難いのですが、海外比率が増えれば増える程リスクが増える事も確かです。当たり前の事です。政府に対する不信任なんて、そんな生易しい事でない事が、お分かりいただけるでしょう。
反対に現状のように国内比率が高い場合は、金利がいくら高くても利払いは国内ですから、量的金融緩和と同じ効果が望めます。ただ、その利益が、ろくすっぽ税金を払わない金融機関のものになるのは問題です。個人投資家はまだまだ少ないので、利払いの大半が政府系金融機関や民間の金融機関のものとなります。
だから〜、国債発行なんて、そんな回りくどい事をせずに、さっさと円を刷って景気を良くしてさえいれば何の問題もないのに、わざわざ難しい事をして問題をややこしくするのは、遊んでいるとしか思えません。これも日本人特有の過度な謙譲でしょうか。
いずれにしても、橋下さんが言われるように国会議員が緊張しなければいけないところは、そんなところではなく、外交や防衛問題ではないでしょうか。日米安保を堅持しながら、「目的は自立する事」と、政治家として一番大事なところで、矛盾を平気でいう人に期待は出来ませんな。(笑)
防衛という、デカイ川にだけは近づかないようです。意外に嗅覚鋭いのかも。
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コメント
> いずれにしても、橋下さんが言われるように国会議員が緊張しなければいけないところは、そんなところではなく、外交や防衛問題ではないでしょうか。日米安保を堅持しながら、「目的は自立する事」と、政治家として一番大事なところで、矛盾を平気でいう人に期待は出来ませんな。(笑)
・・・外交力とは:軍事力と正比例します。従って防衛力をないがしろにする国家は滅びます。今からでも機材・要員の充実と展開すなわち尖閣・竹島等にレーダー基地とかを設置し、実効支配の実績を積むことが急務と考えます。哨戒機の運用も日常行動が必要です。
・・・日米安保を堅持しながら、、、
中国ロシアアメリカとかに限らず、隙をみせれば侵略してくるのが普通の国際常識です。例えばスイスの様に防衛力を充実しつつ、永世中立国になるのが一つの選択肢ではないでしょうか!戦闘機などは、本来は国産が望ましいでしょう。
投稿: AZ生 | 2012年2月24日 (金) 05時14分
> ただ、牧さん。国民が国債のほとんどを消化している現実は本当に日本のためになるのでしょうか?
・・・あたりまえです。100%正しい。中国なんざ、アメリカの国債を売っちゃうぞ・・・なんて脅か
して何らかの譲歩を得る切り札として、軍事外交情報経済音痴の某国(亡国)政府なんざスルーしているのがでしょう現実でしょう(全て推測ですが)。
投稿: AZ生 | 2012年2月24日 (金) 05時34分
> だから〜、国債発行なんて、そんな回りくどい事をせずに、さっさと円を刷って景気を良くしてさえいれば何の問題もないのに、わざわざ難しい事をして問題をややこしくするのは、遊んでいるとしか思えません。これも日本人特有の過度な謙譲でしょうか。
・・・円を刷りまくって国内にばら撒けばいいのですよね!?
アメリカや中国はバンバンやってますけどね・・・財務相ってかんさん、のださんがやってましたよね、そして首相に・・・日本が転げ落ちてきた理由が解る気がします。経済音痴共め。
投稿: かかし君 | 2012年2月24日 (金) 19時10分