富国強兵殖産興業
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石原知事らが、立ち上げる意向を示している新党の党名案として「日本のいしずえ」が浮上していることが分かった。関係者によると、新党綱領の柱は、
(1)日本の国柄を守る
(2)「小さな政府」と「中福祉」を目指す
(3)デフレを克服する
(4)長期的に貿易立国を目指す-など。
「国を愛する教育と人づくり」に向け、政策パッケージをまとめる構え。
保守の頑固ジジイたちが集まって新党を作ると言うのは、特に反対はしませんが、綱領の柱が、、、全くいただけません。ネーミングも。。。やはり経済の分からない人には、近代の政治家は難しいようです。
(1)は漠然としていてよく分からないのですが、アイデンティティを守る、保守で行くと言うのなら賛成です。まあいいでしょう。(笑)TPP には反対しているようだし。
(2)から経済が関わって来ます。こんな事を言うのは、日本の財政が危機的で、将来に対する見通しが暗いと思っているからではないでしょうか。世界中に日本しかないのなら小さな政府は賛成です。
ところが、よく現状を見て下さい。世界は胡散臭く悪意に満ちています。3.11後に露呈しましたが、隙あれば日本から富を収奪しようとしているのです。今だって体中にエキスを吸う透明なチューブが沢山突き刺さっていて、日常的に吸われています。目に見えないので、あまり自覚していないようですが、年間で数十兆円規模の損失になるのではないでしょうか。
しかも、その流れは止まる事を知らず、増々加速しています。そういう状態を全く自覚せず、小さな政府でいいと言う、あるいは橋下氏が進める地方主権にも好意的な人に、この国の政治家は務まりません。威勢だけがいい極楽とんぼです。
(3)と(4)に関しては論外です。この完璧なる矛盾に気がつかないようでは絶望的です。いいブレーンもいないと見えます。貿易立国と言うのは、途上国が発展して行く上での過渡期的状態です。経済大国になってからも継続する事は数学的にも道義的にも出来ないのです。
なぜなら反対側に多くの経常赤字国を作るからです。既に世界一の債権国の日本がこれ以上対外純資産を増やす事は危険です。世界中を敵に回しかねません。日本は我々が思っている以上に力があり影響力がある事を自覚すべきです。
貿易強国が、もしその存在を許されるとしても、人件費の安い中進国と競う中で価格競争に打ち勝つ為に人件費を犠牲にしなければなりません。その結果は、経常収支は黒字でも増々デフレを促進し、国内は不景気になるのです。
従って、今後はむしろ貿易赤字を継続して経常収支の黒字を減らし、対外資産を減らす事が望ましいと言えます。さもなければ円高デフレは収まりません。つまり、貿易量を増やせば増やす程、世界は平準化し技術先進国の優位性は損なわれるのです。
少し古い話にはなりますが、リーマンショック後のG20 で、ティモシーガイトナー米財務長官は、今後の経常収支について、対GDP比でプラスもマイナスも4%以内を努力目標に提唱しました。それは現在のEU などの経済的混乱を予見しての事です。日本で言えば所得収支だけで2%強はありますから、貿易収支は残りの2%弱の枠という事になります。
ところが、それを錦の御旗にして最盛期(2007年の25兆円)のように、年にタイのGDP 程もある20兆円もの黒字を続けたならば、世界中が大変な事になります。全く現実的ではありません。そんな不安定で不確実、さらに苦労が絶えない貿易に依存するよりも内需を拡大する方がよっぽど簡単だしメリットがあります。
て言うか、(笑)日本は80年代に日米貿易摩擦を経て貿易立国を卒業しています。海外に生産拠点を展開し、物とサービスの売上は年間200兆円にもなります。輸出額の65兆円をはるかに凌駕していますが、もう忘れたのでしょうか。
しかし、それでも国内に利益の還元は薄く、デフレの克服には至っていないのです。潤っているのは多国籍企業だけという事になります。
近代史や、直近の経済問題、世界動向に何も学ばず、矛盾に満ちた正反対の財政政策を採りかねないロートル集合体に期待は出来ません。勉強してから出直してお出で、と誰か言ってやって下さい。恐いから無理か。(笑)
誤解を恐れずに言うならば、今だからこそ日本は内需を拡大し「富国強兵殖産興業」に励むべきです。それが一番の安全保障だし、世界平和の為です。平和を求める世界の善良な民はそれを望んでいるのではないでしょうか。
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コメント
> 富国強兵殖産興業
そうですね、現代では日本を除いて世界中全ての国が行っています。今年からは堂々と<富国強兵殖産興業>で行かないと日本は滅びます。内需増大へ東北復活へ舵取りを取らせましょう。
太平洋戦争後、太平洋でのアメリカ軍の損害が予想より遥かに上まわったので、二度と日本を世界で活躍出来なくする為に、GHQが押し付けた゛平和憲法゛の呪縛に取り付かれた人が、富国強兵と聞くと日本の゛脳内お花畑の自称平和主義者(実は左翼を名乗る潜在日本てんぷく派)゛がワアワア叫ぶでしょうが、尖閣/竹島/TPP押し付けで日本侵略とか日本衰弱意図の国が、西にも東にもある事をシミジミ感じたでしょう。
M主党は防衛/科学技術への国家予算を減らしています、、、おまけにデフレ下の増税という100%真逆の方針で彼らは順調(!?)に日本滅亡を推進中。
投稿: AZ生 | 2012年2月 1日 (水) 14時22分