日米TPP協議始まる
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日本のTPP 交渉への参加を巡る初めての日米協議は、日本時間の8日午前4時ごろからワシントンで始まり終了しました。詳しい協議の内容は明らかにされていませんが、この中で日本側は、TPP交渉に参加するにあたっての条件や、今後の交渉で関税撤廃の例外が認められるかなどについてアメリカ側の意向を確認したものとみられます。(NHKニュース)
日米協議が始まる事により、TPP に関する議論が再燃して来ました。マスコミも、結局は自分の首を絞める事になるので、珍しく正確に伝えようという意思が、一部にはあるようです。とは言っても、基本が分かっていないので、チンプンカンプンなのですが。。。(笑)
先日のテレ朝、TVタックルでも、ちらっと議論を戦わせていました。それにしても賛成派がお粗末過ぎます。まあ、お粗末で浅はかでなければ賛成などしないのですが、歴史に学んでいないというのは何なんでしょうか。元官僚や大学教授という肩書きが泣きます。
まず、貿易で儲けようという発想自体が貧困です。よそからお金をくすねて来るより、なぜ内需拡大に想像が及ばないのでしょうか。貿易立国は幻想です。発展途上国の考え方であるという事に気付いていないという点でアウトです。誇り高き先進国の国民というプライド、自覚すらありません。
そもそも、TPP に参加すれば輸出が伸びるという考え方も変です。どう見ても、そんな要素はありません。アメリカには、これまで散々輸出をして荒稼ぎをして来ました。その為に80年代には貿易摩擦まで起きているのです。
結局生産拠点を米に移した事で落ち着いてはいますが、それでも儲かり過ぎると刺されます。クリントン時代の日本企業狙い撃ちの訴訟ラッシュや、最近ではトヨタの捏造欠陥車問題を見れば明らかではないでしょうか。あれを何だと思っているのか、、、全く解せません。
逆に輸入が増える要素はたっぷりあります。そりゃあそうです。関税自主権を撤廃すれば、これまで守って来た内需型産業が壊滅してしまうからです。当たり前の理屈です。農業に競争力があるなどという寝言は今だから言えるのです。
最悪のシナリオの場合、まず消費税増税で増々不景気になり、円高を活かす政策を打てない政府の無策から、逆に円高によるデフレ不況も進みます。その結果は失業者は増え、賃金はさらに下がるでしょう。デフレスパイラルです。
それは恐らく、人口減少(生産年齢人口も含む)と、グローバルでない日本人の効率の悪さというせいで片付けられます。
そういう状態で、99%に限りなく近づきつつある、最早、中流とは言えない一般庶民は、より安価な商品や食物を選択せざるを得なくなるのです。例えそれがモンサントなどの遺伝子組み換え食物であってもです。
高付加価値型の農作物は一部に残るかも知れませんが、中国のお金持ちの口には入っても一般庶民の口には入りません。それでも元官僚の古賀氏は、安い食物が入って来ればメリットがある筈だとうそぶいていました。
反対派の三橋さんが、それがデフレを助長すると言うと、「年収200万円以下の層にとっては助かるのだ」と反論するではありませんか。やはり元官僚だ。(笑)現状を肯定していて、それをベースに物事を組み立てるようです。
改革派官僚と言われる人でこれですから、そうでない人はどんなに酷いのか、想像に難くありません。よ〜〜く考えてみて下さい。安いからと言って何でもかんでも輸入すれば、国内には国際競争力のある産業しか残りません。
つまり失業者の大量産出です。ではその人達が皆、競争力のある産業にシフト出来るでしょうか。いえいえ、そういう産業は海外に進出しているから強いのです。自動車などは60%以上が海外生産です。海外の安い労働力を使うから儲かりますが、利益は再投資という形で現地に還元され国内へは殆ど戻って来ないのです。去年で3兆円程です。
という事は、失業者は生活保護を受けるしか生きる方法がなくなります。それは国家予算が増々膨らむ事を意味し、国債の発行が増えるのです。逆にGDPは減り続け、輸入超過の貿易赤字から金融資産も減って行きます。
その結果、将来的には債務国へ転落し、購買力も供給力も失われて行くのです。ギリシャならまだましで、日本統治前の朝鮮半島のようになるかも知れません。身の毛もよだつストーリーではないでしょうか。
勿論、賢明な日本人ですから、そうなる前に手を打ち、最悪の事態には至らないと思いますが、想像力として最悪の事態をイメージする事は大事です。いずれにしても、今より悪くならない事が前提で物事を考えるなんて、どんだけ極楽とんぼなのでしょうか。
その他ラチェット規定、ISD 条項など、どう考えても日本に不利な事だらけのTPP に、よく賛成が出来るもんです。どういう思考回路なのか頭の中を覗いてみたいのですが、意外に保守的でまともな人も賛成派に多くいるのです。
BKD だけでないのが悩ましいところです。。。言い尽くせていないのですが、時間の関係で今日はこの辺で。
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コメント
> 想像力として最悪の事態をイメージする事は大事です。いずれにしても、今より悪くならない事が前提で物事を考えるなんて、どんだけ極楽とんぼなのでしょうか。
・・・政権奪取したら後は成り行きに任せる民主の首相共とか、いかにも日本病の官僚外務省・財務省・日銀等の自己保身にまみれた輩がはびこっているかが判ります。
> その他ラチェット規定、ISD 条項など、どう考えても日本に不利な事だらけのTPP に、よく賛成が出来るもんです
・・・中国、半島勢力は事の成り行きを見つめているでしょうね、お手玉状態の子供首相の行動をね
> 意外に保守的でまともな人も賛成派に多くいるのです。
・・・なぜ保守と目される人まで参加賛成なのかが不思議なのですがTPPが一種の<踏み絵>と捉えれば、日本が中国独裁主義陣営に入りたくなければ、不平等丸見えだが西側陣営に居たければ入んなさいと脅かされている・・・ととらえて賛成しているのではないのでしょうか?民主の数百人が1,3億の日本人を滅ぼして好い訳はありません。
・・・大地震、原発事故より、TPPの方が遥かに日本にとって害毒です。
投稿: 元危機管理屋 | 2012年2月 9日 (木) 05時12分