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2012年3月 6日 (火)

自動車記事で急増するアクセス

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昨日から当ブログへのアクセスが急激に増えて驚いています。これまでも、どこかのサイトやブログで紹介されると、一気にアクセスが増える事がありましたが、今回は、これまでとは様子が少々違うようです。

これまでの場合は、ちらっと来てそれっきり(笑)というのが多かったのですが、今回のは「ちらっ」ではなく、かなりじっくり滞在されています。気持ちが悪いので調べてみると、何と、あの有名ブログの「依存症の独り言」さんの、コメント欄で拙ブログの自動車に関する記事が紹介されているのです。

さすがに週間IN が4万もあるブログですから、影響力は絶大です。お陰で拙ブログも週間IN が1500から2000まで跳ね上がりました。70位近くまで落ちていたランクも一日で60位以内に急回復です。面白いもんですねえ。。。

見に来られた方は、日本の自動車産業の実態を知りたくて来られたようです。マスコミは正確に伝えない、いや、伝えたくてもその能力もないのでしょうが、日本の産業は韓国などの新興国に遅れを取りつつあると、本気で思われているのではないでしょうか。

そこで今日は、いすゞ、ホンダに15年程勤め、独立後は、欧州メーカーを手始めに、韓国、中国始めアジア諸国から多くのカーデザインやコンセプトカー製作業務を受注した経験を基に、率直にクルマの話をしたいと思います。

結論から言います。

総合的に見て日本の自動車産業は、質量共に世界一です。しかも技術面では増々差が開いています。

韓国(?)確かに販売台数はウォン安もあって急激に伸ばしています。デザインもインターナショナルだし、性能も一頃から見れば凄く良くなりました。車にうるさくない人なら日本車との区別はつかないのではないでしょうか。

20110301154619_bodyfile          (現代自動車エラントラ/輸出名アバンテ)

昨年は700万台超の生産台数があり中国と世界四位の座を争っています。因に、中国市場は巨大で年間1900万台も売れていますが、未だ大半は海外ブランドです。民族資本系ブランドは33%程度に過ぎません。

トップは日本車で占有率は23%です。二位はドイツの20%、以下アメリカと続き、韓国車は7%程度です。(2010年度)しかしながら、韓国車が中国始め、世界で急成長を続けている事は紛れもない事実です。

基本的にエンジンもボディも日本車(三菱)をベースにオリジナル化を進めて来ましたが、本家に肉薄するところまで来て、しかも安価ですから売れない筈がありません。

卸価格で言えば、輸出車の場合で、一台当たり韓国車120万円、日本車190万円と言ったところです。これは出荷台数の内エントリーモデル比率が高い事を意味しますが、同クラスであればそこまでの差はありません。

人件費が約半分なのに、もっと安く出来るのでは(?)と不思議に思われるかも知れませんが、韓国車の場合は燃料噴射装置やECU(エンジン・コントロール・ユニット)等の重要部品、あるいは資本財、生産財を日本やドイツなどからの輸入に頼っています。その分のコストは上がらざるを得ないのです。

ただ日本車よりは割安感を出さないと勝ち目がありませんから、競合するマーケットではかなり無理をする事になります。従って売り上げは生産台数の割には小さく、660万台も生産して5兆4千億円(最終値)程です。何と台あたり100万円を切るのです。

規模が同クラスの日本メーカーで言えば、418万台で6.7兆円のニッサンや、350万台で9兆円(1兆3千億の2輪を含む)のホンダを見ても分かるように、液晶テレビや半導体などと同じくダンピングと言われても仕方がない安売りの実態が浮かび上がります。

因にトヨタは785万台で19兆円です。台当りコストは240万円にもなります。(自動車以外の事業分含む/車だけでは200万円くらい?)凄い数字ではないでしょうか。

しかしながら、コスト的アドバンテージがある韓国車が、いくらFTA を締結しても、将来的に先進国での販売台数を伸ばすのは厳しいものがあります。排ガスと燃費規制が2015年あたりから段違いに厳しくなるからですが、今のところ対策が出来ているという話は聞いていません。

EU の場合、2015年からは CO2排出規制130g/km(リッター17.9km)以下が確定し、 さらに、2020年には 95g/km(リッター24.5km)と、HV でも達成が困難なレベルになります。欧州車がクリーンディーゼルから一斉にHVやEV 開発に舵を切った理由が分かるというものです。

尤も、ディーゼルでも数字的に見れば達成不能とは言えませんが、コストの点で非現実的です。従って既に実績のある、特許期限の切れた日本のHV 方式が採用されるのではないでしょうか。

20111130j06w330

一方、日本車の場合、昨年は震災他、諸々ありましたから、確かにドイツ車や韓国車の追い上げを受け、数字的には満足のいくものではありませんでした。それでも日本ブランド車は2200万台を世界で売っています。内訳は国内生産840万台 (輸出440万台)海外生産1360万台です。売り上げ規模はピークの2007年で62兆円ありました。

2200万という数字はピークの2400万(2007年)には及びませんが、世界総販売台数の約30%に当たり、二位のアメリカ1500万台を大きく引き離します。三位はドイツで1100万台程です。

技術的には、エンジン・機械関係は言うに及ばず、車載電子機器の優秀性による安定感は抜群で、今もコンシューマーレポートではCS(顧客満足度)のトップテンを殆ど独占しますし、PHV、HV 、EV で先頭を走る環境省エネ分野でも他の追随を許しません。2015年規制は、殆どの日本メーカーにとって大きな問題ではないのです。

外観品質、居住性においても、これ以上は必要があるとは思えない、十分なレベルに達しています。ここまでのアドバンテージがある訳ですから、円高がなければ、かつてのように日米貿易摩擦を再燃させる事は必定ではないでしょうか。

昔から米は、自分のところが不利になるとトヨタ叩きをしたり、日本に対しパワハラをします。(笑)今はGM が復活し、世界一の座を取り戻したので安定していますが、油断は出来ません。

ところで、GM のホープと言われる変則HV(シリーズハイブリッドカー/エンジンは充電専用)のシボレー・ボルトに問題が発生しているようです。悪い予感がします。(笑)

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米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、環境対応戦略の柱としている
電気自動車(EV)「シボレー・ボルト」の生産を、販売不振のため19日から4月23日まで 一時休止する。複数の米メディアが3日、報じた。従業員約1300人も一時帰休させる。

ボルトは、日本勢に後れを取った環境対応車での巻き返しの切り札として2010年末に発売、 09年の経営破綻からの復活の象徴とされた。生産の一時休止で今後の戦略に影響が出そうだ。

11年の販売台数は7671台で、目標の1万台を下回った。搭載電池に発火の恐れが あるとして始まった米運輸当局の調査で「欠陥はない」との結果が出たが、イメージダウンは 免れず、在庫調整が必要となったとみられる。

因に、よく燃えると言われたボルトに搭載されているリチウムイオン電池は韓国LG社製になります。トヨタの場合、慎重を期して昨年のプリウスαまでは、量産車への搭載を見送っていました。

今年発売のPHV プリウスはリチウムイオン電池をEV(リーフなどの搭載量) の三分の一くらい搭載しますが、JC08モードで61キロ、実用燃費で30キロ/リットルを実現します。無限の可能性を秘めたPHV は電池性能の更なるアップにより、2015年以降無敵になるのではないでしょうか。

Zoomf6d00b86bbdec5ea1f389d726f0bbd3         (ホンダのプラグインハイブリッドシステム)

ホンダ他の日本メーカーもPHV の市場投入計画があります。今後の環境車の動きに目が離せません。面白くなって来ました。

 

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コメント

米韓FTAでTOYOTAカムリが韓国内でも売れ始めているとか。
カムリはメイドインアメリカですからね。

アメリカのごり押し・・軽自動車がどうなるか?
政府は外圧を利用して優遇税制を止めかも?ですね。

投稿: ASO | 2012年3月 6日 (火) 09時02分

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