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2012年3月 8日 (木)

走るコンピューターの未来

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昨日の続きではないのですが、自動車産業を見れば、その国のレベルが分かります。先端技術の集合体だからですが、特にエレクトロニクス技術は、昔のアナログ時代と違って、今や最も重要なアイテムになっています。

今の自動車は「走るコンピュータ」と化していることは一般の人にはあまり知られていないかもしれませんが、実は沢山の半導体やセンサーが搭載されています。

数十から多い場合は100個もの超小型コンピュータ(マイコン/ECU)と100個に及ぶセンサーが一台のクルマの中で稼働しているのです。それだけで車の価格の30〜40%を占める事があります。

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一台の新型車のシステムを開発する時には、専門の500人の技術者が2年がかりで取り組むと言われています。さらに、その傾向には拍車がかかり、トータルでの制御システムは車の快適性や安全性に大きく寄与するのです。

そもそもは、日本が開発して米に潰された無料OS のトロンが、家電製品や携帯電話で復活を果たした事から、トヨタなどの自動車にも搭載されるようになり、圧倒的な安定性が立証されました。今や世界で最も多く使われているOS と言われています。

トロンはシンプルな構成という事もありますが、ウィンドウズと違ってバグらないのです。近年の日本車の品質は、日本の電子技術の優秀性に負うところが大きいと言えるのではないでしょうか。増々複雑化する車載IT の将来を見据え、トヨタは数年前から独自で車載コンピューターOS の開発を目指します。

しかしながら、車載情報機器が無線通信によりインターネット接続される事が当然の様になると、自前主義のままでは急速な進化を続けるICT(情報通信技術)をキャッチアップする事は極めて困難と言わざるを得ません。

そこでトヨタは自前での開発を断念、日立のようにLinuxに代表されるオープンソースソフトウェアの積極的な活用に方向転換しました。

つまりグループ内垂直統合型にこだわるトヨタも、国内での水平分業やむなしというところで、より高い目標を目指す事になります。製品としての完成度を上げる為には、先鋭的専門分野とのコラボレーションが不可欠と判断したのです。

車載マイコンに関しては欧米電装品メーカーも世界で60%ものシェアを持ちますが、安定感に関しては今一のようです。日本製に替えて故障が減ったという例をよく聞きます。

いずれにしても、日本自動車メーカーが、この分野でアドバンテージを維持出来るのは、カーメーカー、電装品メーカー、半導体メーカーの連携、すなわち、日本が誇る摺り合わせ型の最たるものであるからです。

国内に世界に名だたる五指にも余る総合エレクトロニクス企業を持ち、優秀な電子機器・部品ベンダーを数多く持つ日本ハイテク王国に死角はありません。

結局、自動車の開発、生産に関して国内で全て揃う国は日、米、独くらいしかないのです。その中で、全てのカテゴリーで米の存在感は薄く、従って、日独がイニシアティブを持つ部品の供給を止めれば、他の国は自動車の生産がおぼつかない事になります。

それは東日本大震災でサプライチェーンが寸断された時に、影響は日本だけに止まらなかった事を見ても明らかです。世界中が震撼しました。いえ、例外もあります。インドのタタあたりは別ではないでしょうか。ひょっとしたら半導体を一個も使っていないかも知れませんから。(笑)

バカにしている訳ではなく、クルマとは本来そういうものでした。オタッキーな日本人が色々な付加価値をつけるので、クルマが全く違う商品に変わりつつある事は確かなのです。(笑)

いずれにしても、国内にピラミッド型の垂直統合型産業システムを持つ事が如何に大事であるかが分かるというものです。パソコンなどと違って、水平分業を進める事は安全性や品質に重大な問題を生じさせかねません。


 

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コメント

車の電脳化は進歩前進しかなくて、後戻りはありえない・・・一つの定理なのでしょう。その場合、機械の信頼性が100%近い事が肝要なのでしょう。日本の強みですね!!!

投稿: Carly | 2012年3月 8日 (木) 13時35分

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