今必要なのは改革ではなく、発想の転換だ
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岡田副総理がテレビで消費税増税の必要性を「消費税を上げなければギリシャになる」と訴えていましたが、さすがに今時、そんな子供騙しを信じる人はいないでしょう。(笑)この無能BKD 子供政治家の頭の中を覗いてみたいです。
23日の閣議決定(予定)を前にして、マスコミは消費税の話題が多いのですが、その陰に隠れてTPP 論議が下火になっているのが気になります。こちらの方が圧倒的に日本への影響が大きいのです。国の形が変わってしまいます。
消費税は、あくまでも国内問題なので撤回、あるいは修正が可能ですが、TPP は一度決まれば、日本に有利な修正、変更は一切出来ないと覚悟すべきです。なぜなら主相手国との政治力、軍事力の差が違い過ぎます。
さて、円安が進み、株が上がっています。円安は短期国債に投資していた海外のファンドマネーが大量に去ったから、という話がありますが、株はその円安と日銀効果でしょうか。尤も、10日に発表された成長産業への融資枠を5.5兆円に広げるという金融政策は市場関係者にとって予想外だったようです。更なる金融緩和(量的)を期待したのでしょうか。
それにしても円が下がれば株が上がるというのも因果なものです。理想は勿論両方が高い事ですが、円安で喜ぶのは貿易至上主義の発展途上国的メンタリティから抜け出せない日本人の限界かも知れません。
現状の資本主義を肯定するならば、どう考えても一番いいのは、毎年GDP が5%以上も増えて、円(為替レート)も徐々にあがり、株も高い事です。これら全てに限度というものはありません。但し為替レートだけはゼロにはなり得ないので絶対値としての限界はあります。
そうは言っても、そんな事はあり得ないと思われる方は多いのではないでしょうか。日本人は謙虚なので自分達の実力を信じていないからです。そう言う筆者も、普段の生活からは、自分も含め日本人がそんなに優秀な民族だとは思えません。(笑)
そりゃあそうです。比較するものがないと分からないのです。絶対的価値観から見て行けば足りないところだらけです。筆者など、仕事にせよブログにせよ、思うように行った試しなどありません。何て能力がないのかといつも嘆いています。
ところが数字で比較して行くと、ひょっとして日本は凄いのかもしれないと思うようになります。例えば成長しないと言われているGDPですが、物価変動の影響を除いた実質GDPで見れば未だ世界二位です。米が1089兆円で日本が537兆円、名目が573兆円で二位であった中国は201兆円まで落ちます。
これは1ドル82円での計算ですが、為替レートは操作でもしない限り、その国の輸出をメインとした経済競争力を示しますから、力の差が如実に現れるのです。そういう意味で、為替でバランスをとっている訳です。スタビライザー(安定機)と言われる所以です。
これを購買力平価で評価すると、また全く違った世界が見えて来ます。米が1235兆円、日本360兆円、中国が928兆円となるのです。これは一つの同じ品物は世界中どこでも同じ価格として計算されます。
つまり同じ大きさで同じ材料から作られたパン一個を100円と仮定すれば、世界中どこでも100円である筈という価値観でレートを決める訳です。
それで行くと、やはり人口が多いところの数字が大きくなります。中国が日本を大きく逆転するのです。そりゃあ13億人もいるのですから、1.3億人の日本と変わらないという方がおかしいのです。
この場合のレートは1ドル122円という事になります。仮にこれで固定するとしましょう。昔の固定相場制の再現です。現状より50%も下がれば輸入産業は大打撃ですが、輸出産業は大喜びではないでしょうか。貿易摩擦さえなければ日本の一人勝ちさえ夢ではありません。
逆に中国は輸出産業が壊滅し経済成長が止まりかねません。アメリカや韓国も大変な事になるのではないでしょうか。一人勝ちの日本だけがウハウハ・・・しかし、本当にそううまく行くでしょうか。
確かに輸出産業はウハウハかも知れませんが、原油や他の天然資源を始めとするコモディティ価格が上がって、下手をするとインフレ懸念すら台頭するのではないでしょうか。例えばガソリンが単純計算で230〜280円になったりします。電力会社も黙っていません。
その結果は給料は上がっても、働けど働けど楽にはならない韓国程ではないにしても、大して豊かな実感が得られない状態になる恐れがあるのではないでしょうか。
さらに米が無制限に貿易赤字を引き受ける時代が終焉した今、相手国が貿易赤字で次々と破綻する(計画破産も含め)恐れがあります。その尻拭いは儲かっている国がするしかありません。そうです。日本がせっせと稼いだ筈の貿易の黒字分が、ギリシャに対するドイツのように踏み倒されるのです。
何が言いたいのかと言いますと、最終的に、貿易量が増える事は決して日本の為にも海外の為にもならないという事です。高付加価値を生み出せない国に関しては破綻してしまえば、逃げ得というメリットはあるのでしょうが、債権国にとって頑張る意味がどこにも見当たらないのです。
日本のような、国内に全ての技術のある国の場合、輸入は最低限に抑え、内需を拡大するのが成長の一番の近道である事は疑い様のない事実です。さらに鎖国でもしない限り、円高でなければ本当の豊かさは実感出来ませんが、それには超高付加価値型経済モデルへとパラダイムをシフトするしかありません。安全保障上も円高である事は必須です。
日本が発想の転換をし、(事実を正しく理解するだけの事ですが/笑)こういうメンタリティに達したなら、最初に述べたような3拍子揃った経済大国が実現するのです。
日本の抵抗勢力は、そうさせるまいとあの手この手を繰り出します。その一環であるグローバリゼーションや新自由主義の言葉に踊らされ、国富の海外移転に精を出している間は決して豊かにはなれません。
今日本に必要なのはチマチマした改革より、ドラスティックな発想の転換です。
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コメント
> 今日本に必要なのはチマチマした改革より、ドラスティックな発想の転換です。
・・・財務は高橋 是清、東北復興には五島新平・・・ですね!よみがえれ日本。
投稿: AZ生 | 2012年3月15日 (木) 15時25分
> 今日本に必要なのはチマチマした改革より、ドラスティックな発想の転換です。
>・・・財務は高橋 是清、東北復興には五島新平・・・ですね!よみがえれ日本。
・・・えーと、ドラスティックな発想の転換を求めるのなら、過去~現在~未来とかの時間軸的観点が正統なのでしょうね!財務分野で言えば
日本を蘇生した高橋是清<過去>~鳩山・管・野田・安住<無為無策の現在>~三橋貴明(未来へ向けての日本経済の構築理論)
・・・この辺りではないでしょうか!
投稿: 心配性君 | 2012年3月16日 (金) 02時46分