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2012年4月18日 (水)

それでもTPP に賛成しますか(?)

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昨日「日本農業新聞」の方が弊社を訪問されました。目的は、何と「TPP 反対論者の取材」です。。。ブログから選定されたようですが、世の中、どこでどういう展開になるのか分かりません。

自工会(日本自動車工業会)や経団連が賛成しているのに、なぜ自動車デザイナーである筆者が反対をするのか興味を持たれたようです。詳しい内容は、新聞を是非お読みいただきたいと思います。

さわりを少しだけ公開します。(笑)
筆者は、決して自工会に盾つく訳ではありません。その点、誤解なきよう。下手すると仕事にさしさわります。(笑)しかし、日本と日本自動車産業の利益の為に、言うべき事は言わなければならないのです。

TPPは、決して自工会が賛成するようなものではありません。第一、賛成の根拠が薄弱です。あまりにも近視眼的にしかものを見ていません。従来からの自由貿易万能幻想による既成概念の枠を一歩も出ていないのです。

2012(初年度36万台を生産する米国産トヨタカムリ、米韓FTA を受け、韓国へ6000台出荷予定)

さて、本論です。
対米輸出(自動車)は震災で減ったとは言え、昨年で142万台でした。現地生産は340万台(2010年/北米)にもなります。日米貿易摩擦を経て、落ち着くべきところに落ち着いていると言えるのではないでしょうか。因みに米からの対日輸出は1万1千台でした。。。日本は、と〜っくの昔から関税ゼロであるにも関わらずです。。。

問題は、この輸出の142万台のうち、どれくらいがTPP に参加しなかった場合のリスクになるかという事です。ところが、そのリスクの対象になるのは米韓FTA を結んだ韓国車しかありません。

つまり、韓国車の関税はゼロになるが、日本車には2.5%(乗用車)かかると言うのが、TPPに参加しない場合のリスクという訳なのです。それ以外には思い当たりません。(自工会でもリスクには言及していません。)

ここで思い浮かべていただきたいのが為替の変動幅です。今年に入ってから一時75円台をつけ、その反動からか84円近くまで下げる局面がありました。つまり数ヶ月で11%も変動があったのです。一方の、韓国ウォンの対ドルレートは、なぜか下げ止まったままです。

輸出出荷価格が平均181万円の日本車は2.5%の関税を入れると約185万円(現地経費やマージンを入れず)になり4万円程高くなりますが、為替の変動による差損はそんなものではありません。

11%として20万円にもなるのです。従ってこの問題はTPPと言うより、為替の安定の方がキーになります。むしろ、政府や日銀に対策を迫るべきではないでしょうか。

さらに、韓国車の出荷価格の110万円という事実を見れば、既に日本車との棲み分けがなされていると解釈すべきです。つまり、日本車を買いたくても買えない層や、エントリーモデルを買う層、あるいはレンタカー業者への販売が主体の韓国車に比べ、日本車は裕福なインテリ層がユーザーとして定着しているのです。

つまり、高級車やハイブリッドカー、あるいは日本にしかない本格EV などを輸出車の主体に持ってくれば、競合自体があるのか疑わしい事になります。ついでに言えば2015年から加州の燃費規制は17.6km/lになり、米全体でも2016年には16.6km/l(乗用車)が決定されています。

02_02          (少し古い情報ですが、米以外は変わっていません。)

今のところ、それに対応出来るのは1500cc 以下の小排気量車と、大排気量で言えばハイブリッドカーなどの日本車しかありません。余計な心配より、技術漏洩問題に神経を使い、燃費や排ガス技術を磨いた方が増販の近道ではないでしょうか。

そもそも貿易の原点、特にFTA(TPP)は自工会も言っているように相互主義です。すなわち、どちらか一方だけが儲かる形は持続可能ではありません。そういう点で、対米貿易で今まで一方的に勝って来た日本や韓国に対し、米が失地回復を目指したのがFTA(TPP)と解釈すべきです。実際にオバマさんもそう言っています。

従って、これまで米だけで年に8〜9兆円もの貿易黒字を積み重ねておいて、TPP 参加後に米からの輸出攻勢を拒める訳がありません。拒めば非関税障壁問題が起き、譲歩しなければISD条項で訴追され罰金を払う羽目に陥るのが関の山です。一時フライイングをした軽自動車の規格に対しても、締結後に撤廃要求して来るのは目に見えています。

その結果は遺伝子組み換え農作物など、米が得意とする分野の輸入を全て無条件で認めざるを得ず、国内の雇用がどんどん失われデフレが昂進します。クルマなんて増々売れなくなるでしょう。輸出どころではありません。

参加しない場合はどうでしょうか。日本の食文化他、伝統的な産業、あるいは内需産業が守られ、対米輸出にも、これまでとの比較で大きな変化はありません。対米以外への輸出は、米からTPP 参加国、あるいは関税8%の韓国へ、米国生産の日本車を関税ゼロで迂回させられます。これで、どこに問題があるでしょうか。

それでも、あなたはTPP に賛成するのですか(?)自工会の皆さん。

まだまだ言いたい事は山のようにありますが、続きは4月末頃発行の日本農業新聞でご覧下さい。

 

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コメント

> その結果は遺伝子組み換え農作物など、米が得意とする分野の輸入を全て無条件で認めざるを得ず、国内の雇用がどんどん失われデフレが昂進します。クルマなんて増々売れなくなるでしょう。輸出どころではありません。

・・・TPPに関して、ちょっと論点がずれますが食料確保について:
現在地球温暖化の話題が下火(CO2増加よりも、太陽の活動が原因らしき)になっておりますが、温暖化どころか最悪の場合、寒冷化が2050年あたりから始まる可能性を予測する学者がいます。
従って食料自給率が現状40%なのですがTPP参加後、安い外国製品に押されて、自給率10%台になってしまった場合、気候寒冷化による農作物生産が低下した場合では、日本への食料輸出の出し渋りが当然発生しますので、日本が飢餓状態に陥りとんでもない事になります。
やっぱりTPP参加は止めましょう。ドジョウさんよろしくお願いしますよ!
これからの日本・アジア全域・アメリカも含めての正常な発展と安定を切に願います。

投稿: AZ生 | 2012年4月19日 (木) 01時07分

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