歴史は繰り返さない(前編)
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第二次大戦後、焼け野原になった日本は、財閥解体などのGHQ による占領政策もあり、一見ゼロスタートのように見えますが、戦前からの技術的蓄積が全く消えた訳ではありません。従って資金と動機さえあれば大きく化ける要素は十二分にあったのです。
その証拠に、終戦から20年も経たないうちに、首都圏の高速道路網は張り巡らされ、オリンピックまで開催しました。中国での五輪開催2008年との比較でも、いかに迅速な立ち直りであったかが分かります。
国が窮地に陥ったときの力の発揮様は、他国の真似の出来るところではありません。日本人の底力とでも言うべきものではないでしょうか。これは個人の能力と言うよりは、地政学的背景から来る民族的特性とでも言った方が分かり易いかも知れません。
縄文時代より受け継がれるDNA は、縦割り型ではなく、横の連携が強いのです。個人プレイより団体戦が強い事に、その特性がよく表れています。最近、その特性が、ややボケて来ているのが気になりますが、それでも諸外国に比べれば、差は歴然です。
その圧倒的な立ち直りを見せた日本ですが、80年代あたりからおかしくなります。土地や株価のバブルが異様に膨らむのです。日米貿易摩擦も起こり、輸出主導であった経済は曲がり角を迎えます。つまり、これ以上の、日本の発展を望まない国が、ある事を仕掛けて来たと見ると分かり易いのです。
あくまでも仮説に過ぎませんが、半導体、その他の製造業で脅威を感じた米は、ある実験を画策します。つまり異常に早い経済的成長の結果として起こり得る、株や不動産の巨大バブルを作り、それをはじけさせるのです。
日本の成長にブレーキをかけるという目的以外に、その崩壊後を研究する事も、一つのテーマではなかったでしょうか。総量規制に金利の大幅引き上げという日銀の厳しい引き締め策は、今から考えると異常でした。不動産業と金融業が壊滅的打撃を受けても何ら不思議はないのです。
勿論実行犯は日本の組織内にいる走狗です。太平洋戦争も、その手で勝てる戦を落としたと言われていますが、不自然な戦い方や作戦が多かった事は事実です。
今にして思えば、明治維新以降も、英米の思惑に添って動かされていた節があります。その唾棄すべき疑念の可能性を否定する、合理的理由は発見出来るのでしょうか。日露戦争や第二次大戦前に、何の下心もなく資金的援助をする筈はないのです。
そう考えた時に、大戦からの復興後、バブルが醸成されるまでの間も一定のコントロール下にあったのかも知れないという思いに至ります。一般市民の頭上に原爆を落として、治療もせずに被災した生の人間のデータを集める国ですから、何があってもおかしくはないのです。大爆発に類似のイメージを見ざるを得ません。
バブル崩壊後は、ご存知のようにデフレです。しかしこれも、どう考えても腑に落ちないのです。政府日銀のやり方が稚拙過ぎるからです。恣意的にデフレを長引かせているとしか思えません。
思い浮かべて下さい。米が恐れをなした80年代と今とを比べて、どちらが物とサービスの分野で優れているでしょうか。身の回りを見ても明らかなように、全ての分野で隅々まで工夫がなされ、付加価値が上がっています。
しかも半端な上がり方ではありません。生産財、資本財、消費材、サービス、全ての分野で世界最高レベルです。技術貿易収支も90年代後半から黒字に転じ、今は米と肩を並べています。そんな国のGDP が何十年も殆ど上がっていないなんて、そんなバカバカしい事があり得るのでしょうか。
GDPとは付加価値の生産力です。ここまで付加価値創造力、生産力がある国は他にはありません。廻りの国を見渡して下さい。日本が資金的技術的援助をしているとは言え、歴史的に見ても日本よりはるかに付加価値創造力の劣る国が4〜9%もの成長をしているのです。あまりにも嘘くさくて泣けて来ます。(笑)
バブル崩壊で得られたデータは当然活かされると考えるべきです。リーマンショックとその後の動きを見れば明らかなように、日本のケースから学んだ金融政策を打ち出しました。ゼロ金利政策と日本の場合をはるかに凌駕する莫大な量的緩和です。
ただ日本の場合と大きく違うのは、富の一極集中が半端でない事です。すなわち格差です。ただでさえ大きい格差が増々広がっています。ひょっとすると、その格差を作る事が目的ではないかと思える程です。世界も賢明な対策をしているとは思えないのです。(続く)
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コメント
戦前、日本の関東軍とソ連軍が衝突したノモンハン事変という戦いがあります。停戦後、スターリンがソ連軍を指揮したジューコフ将軍に日本軍の評価を尋ねたところ、ジューコフ将軍は「兵、下士官は優秀、青年将校は狂信的に戦う、高級将校は無能」と答えたそうです。大東亜戦争でもアメリカ軍は日本軍は上に行くほど無能になる評価しています。日産のゴーン社長も「日産にはすべての経営資源があった。なかったのは経営だけだ」と言ったそうです。
日本をここまでしたのは一般国民です。日本の上層部は国民に甘えています。20年にわたって停滞しているのは国家の上層部が無能者ばかりだからです。ネットによって無能な政治家があぶりだされてきています。彼らに代わる有能な政治家を輩出させねばなりません。
国家間の関係は「わたる世間は鬼ばかり」と思う必要があります。各国は自国の国益をかけて戦っているのです。日本の発展が目の上のたんこぶと思ったクリントン政権は日本の弱体化を推進しましたが、日本の政治家でそれについて気づいた政治家はほとんどいませんでした。今も日本の弱体化政策は推進されています。IMFへの600億ドルの拠出にはあきれます。アメリカは議会の反対で拠出する可能性はありません。IMFへ出す金があるのならば、財政出動してデフレ脱却を目指すべきです。
投稿: としさん | 2012年4月23日 (月) 22時58分
投稿: としさん> IMFへ出す金があるのならば、財政出動してデフレ脱却を目指すべきです。
・・・それをしないのが、反日M主党とアメぽち財務省のBKD。猿以下の存在。
投稿: 平成神風 | 2012年4月24日 (火) 03時13分
本当にIMFや韓国に出すお金を国内で使えば、日本がどれだけ良くなる事か。。。
打倒ミンス!これしかありません。でも橋下子供市長は、もっと駄目ですよ。(笑)
投稿: 田中 徹 | 2012年4月24日 (火) 15時16分