自主独立への長く険しい道(中編)
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昨日の続きですが、日本は既に世界からの影響を最小限にして、殆ど自主独立路線でやっていけるところまで来ています。現在、レアアースやエネルギー資源は輸入に頼りますが、近い将来は、自給自足が可能になる、と言われているのです。
エネルギーに関しては2050年頃には「エネルギーの永久自給国」というゴールに限りなく近づき、レアアースも国内調達可能原料への代替化、やEEZ 内からの採掘も可能になるようです。
心配なのは、折角今の弱点が解消されるというのに、国内での垂直統合型産業モデルが崩れつつある事です。輸出企業を中心に、部品によっては国際水平分業型へとシフトが進んでいます。
円高がネックになっているからですが、先進国が陥る貿易のパラドックスに嵌っていると言わざるを得ません。貿易は量が増えれば増える程、あるいはグローバリゼーションが進む程、日本のような先進国は不利益を被るのです。
そんなバカなと、思われるかも知れませんが、実際に世界屈指の技術大国である日本が、世界との関わりを密にし、外需依存を続けた結果、デフレ不況に陥っている訳ですから確かではないでしょうか。
つまり、本来、高度に発達したグローバリゼーションの世界では技術大国の優位性は圧倒的な筈です。二位では話にならないのです。その結果、輸出が集中豪雨的に増える事になります。日本の80年代は正にそうでした。
しかし、それは輸入相手国から見れば好ましい事ではありません。貿易赤字が増えるからです。それを避ける為に、米のような政治力の強い国は圧力をかけて来ます。いわゆる貿易摩擦です。さらに、為替の作用で輸出強国は通貨高に悩まされる事になるのです。得た外貨を円に替えるから当然の帰結と言えます。
それがデフレの始まりです。さらに、最悪のケースは途上国からの追撃がある場合です。性能は劣りますが、価格の優位性があるので侮れません。耐久消費財でも趣味性の薄いものは、市場を奪われて行くのです。
貿易摩擦や途上国からの追撃を避けるには、現地生産に移行する手があります。日本企業は80年代から生産拠点を海外に展開しました。その結果は、あまり知られていませんが、今や海外だけで200兆円を超す売上を計上するようになります。韓国2.5国分、フランス一国分のGDPに匹敵するのです。
必然的に輸出は横這いになる筈なのに、リーマンショック前はちょっと調子に乗り過ぎたのかも知れません。(下の表/笑)それでも、多い年で84兆円、震災のあった昨年で65兆円でした。抑えたとは言え、世界で3〜4位のポジションです。
純輸出(輸出マイナス輸入)は対GDP比1%台で推移してします。それくらいであれば平和ではないでしょうか。
ところが円高、デフレは止まりません。なぜでしょうか。莫大な所得収支の黒字や、韓国や中国などからの追い上げもあるからですが、一番の原因はドルやユーロに比べて、三大通貨の一角を担う円の絶対量が少ないからです。良く刷り負けていると言いますが、日銀が円の供給に積極的でないのが大きな原因と言えます。
今年2月14日の金融政策決定会合で日銀は、CPI(消費者物価指数)の上昇1%を目処に量的緩和を推進すると言いながら、マネタリーベースは3月、前年同月比0.2%減と前月の同11.3%増から大きく減速しました。やる気のなさが見え見えなのです。全く酷い話ではないでしょうか。どこまでBKD なのかと絶句します。
そこ(日銀/財務省)が諸悪の根源で、内需が頭打ちになっている原因でもあるのです。日本は内需が伸びない国だと言う刷り込みが反日メディアを使って盛んに行われます。正直で人を疑わない日本人は簡単に騙されるのです。公共投資も悪と言うイメージが植え付けられました。
しかし、本当にそうでしょうか。(?)よく考えてみて下さい。今回の震災で分かったように安全面でのインフラは脆弱です。個人レベルでも台風や地震に強い頑丈な免震住宅が欲しいに決まっています。日本は成熟した先進国だから、内需がないなどというのは大嘘に決まっているのです。
安心安全社会を実現する為の技術や人、材料も殆どが国内にあると言うのに、資金がないなどとデタラメを信じ込まされ、外に目を向けさせられました。お金がない筈はありません。国富(有形と金融の総純資産)は2900兆円にもなり、外貨も純資産で260兆円もあります。正に世界一の金持ちと言えるのです。
また横道にそれましたが、いずれにしても、輸出も海外進出にしても企業は栄えますが、国にとってのメリットは限定的です。輸出で大きく利益を出すと国が叩かれますし、海外進出は、殆ど現地(相手国)のメリットしかありません。
特に発展途上国に進出した場合は、雇用と税金、技術の移転と、相手にとって良い事づくめなのです。これで、何を好き好んで自らを外へ外へと追い込んで行くのか分かりません。
つまり、日本が真実に目覚め、世界とは関係なく自立して発展する事を嫌う国・勢力によって、世界に出ざるを得ない状況を作られていると考えれば、脈絡が繋がって来るのではないでしょうか。
取り留めなく長くなりました。明日に続きます。
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コメント
> そこ(日銀/財務省)が諸悪の根源で、内需が頭打ちになっている原因でもあるのです。
・・・ノーパンしゃぶしゃぶ事件で日本をチャンとしたメンバーが追放され、以降、日銀/財務省、もしかして外務省も米穀の手先に落ちぶれているのでしょうか?IMFに行っちゃった職員もいるし・・・
日銀さ~ん、お札の印刷機をバンバン回して下さいね~景気回復/デフレ退治/少子化など殆どの問題が解決するでしょ?、なに、政府が指令を出せばいいだけの事です。年間自殺者3万人も出して、憲法違反なのではないのかな?自国の経済・防衛(竹島、尖閣ほったらかし)など政府の責任です!無能/無責任でしょ。
・・・新聞屋さんとかテレビ局のオーナーが日本を逆宣伝するのが普通の日本人視聴者には痛いですね
・・・兎に角、嘘つき民主を始末しましょう、いつも真逆な政策ばかりですね。
あ、御免なさい、格調あるブログにグチ愚痴コメントして・・・
投稿: 青うさぎ | 2012年4月 5日 (木) 11時33分