自主独立への長く険しい道(後編)
ブログランキングに参加しています。
石原都知事が、わざわざ大阪へ出向いて橋下市長と、お食事をされたそうです。(笑)すわっ、新党での連携の模索かとメディアは大騒ぎですが、そのあたりのマスコミの利用法はさすがです。長年政治家をやって来ただけの事はあります。
それにしても、石原さんが言う、二人の基本的な政策が近いというのが、冗談にしてもよく分かりません。方や隠れ左翼とも言える保守もどきで、石原さんは既得権益には寛容な、限りなく右翼に近い保守です。だから亀井さんがなびく。(笑)
この正反対とも言える二人が、いざとなったら、考え方が一致する筈などないのです。有権者の注意を引きつけておく為のパフォーマンスなのかも知れません。
この二人に共通した点(欠点)があるとすれば、消費税の増税派である事です。橋下市長が「消費税の地方税化」と言っている点は石原さんと異なりますが、これ(消費税増税)は致命的と言えます。
筆者の持論ですが、マクロ経済を理解しない政治家は存在価値がありません。国を全く正反対の方向へ導きかねないからです。デフレの原因を正しく分析し、日本の国力を把握すれば消費税増税など、あり得ないと分かる筈です。
増税をやるにしても逆進性があり、税収そのものが落ち込んでしまうリスクを内包する消費税はあり得ません。簡単に賛成するのは、経済に関して全くの度素人である事を宣言しているようなものです。いずれにしても軽率に過ぎます。
TPP に関しては、橋下市長は推進派、石原さん否定派です。これだけでも政策が近いなどと、よく言うよ。(笑)って感じです。国の将来を決定づけるTPP で意見が分かれるなら連携などあり得ません。
それにしても、関税自主権を放棄して自由貿易もクソもないものです。TPP は日本にとって不自由貿易でしかない事に、なぜ気がつかないのか、不思議でなりません。やはり橋下氏は親米か。(?)
さらに防衛問題では、橋下市長はバックグラウンドから来るのか、日米同盟深化派です。石原さんは核武装肯定派で、米に対しては「ノー」と言いたい派ですから、ここでも連携の可能性はないのです。
まあ、どう考えても茶番ですね。(笑)大人の石原さんに、子供市長がいいように利用されていると言っては人が悪すぎるでしょうか。(笑)
さて、前置きが長くなりましたが、昨日の続きです。前編と中編を読んでいただいた方には、日本は既に貿易立国ではないし、貿易立国自体が幻想である事が、お分かりいただけたと思います。
一人勝ちは許されないし、間違って勝ち過ぎた場合は相手が破綻し、ドイツとギリシャの関係になります。つまり、得る筈の利益は債権となり、最悪踏み倒されますから割にあいません。(笑)
かのマルクスも見通していたように、貿易を推進すれば労働階級が困窮し格差が広がります。
貿易依存度がGDP比90%にもなる韓国なども、背伸びして貿易立国を目指しますが裾野が育っていないせいで生産財、資本財を日本からの輸入に依存します。その結果は、常に日本に資金援助を仰がざるを得ず、国内経済はインフレで火の車です。国民はいつまで経っても借金体質から抜け出せません。
背伸びせずに、内需主体の経済を組み立てた方が、国民生活は豊かだったのではないでしょうか。ところが、米韓FTA で超えてはらない一線を越えました。外需依存が宿命づけられたのです。筆者には、最早衰退のイメージしか浮かびません。
このように、今世界で起きている事を見ても、国境を肯定し、民族自決の精神を尊重するなら、垣根を取り払うグローバリゼーションそのものが胡散臭いものだという事が分かります。
貿易の場合も、産業がかぶらなければいいのですが、同一の産業を持つ場合、お互いに潰し合って何のメリットがあるのか、考えれば分かる事ではないでしょうか。
つまり、コストメリットだけを重視して国際分業化を進めれば、よっぽど強い産業しか自国内に残らない事になります。つまり、それは海外に生殺与奪の権を握られる事になり、自給自足の可能性を自ら放棄する事になるのです。
その結果は、油を止められて戦争に突っ走った戦前に舞い戻りかねないのではないでしょうか。あるいは、今のように、対等に戦い得る軍事力がない場合は相手の条件を呑むしかない事になります。結局、軍事力と政治力が強い国が世界を牛耳る事になるのです。
その国が公正で公平な国であれば未だ救われますが、自分勝手なジャイアンだった場合はどうでしょうか。弱い国は隷属せざるを得ません。分かり易く言えば奴隷ですが、奴隷と認識させない巧妙な奴隷化もあり得ます。
21世紀に奴隷なんて、バカバカしいとお思いのあなた、時間は簡単に何世紀も戻ります。人類の歴史なんて、ほんの一瞬です。歴史は繰り返します。お笑いやお色気系、あるいは韓流に子供音楽などで溢れたテレビを見ているあなたは、既に奴隷かも知れません。(笑)
少なくとも、そうなる原因を排除するのが自主独立への道である事は間違いありません。
性善説に立って、人や国を信用すると痛い目に合うのは古今東西を問わず、世の習いです。目を大きく見開いて、正しい情報を選択し、魑魅魍魎の付け入る隙をなくすのが、まずやるべき事ではないでしょうか。
尤も、当ブログを読みに来られる、貴兄、貴姉は十分お分かりでしょうから、釈迦に説法というものです。
何か、大上段に構えた割には竜頭蛇尾に終わってしまいました。(笑)取りあえず、このテーマでは終了にしますが、近いうちに似たようなテーマで、自主独立の具体案について考えてみたいと思います。
ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを!!
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(後編)(2022.12.12)
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(前編)(2022.12.05)
- いまだによく理解されていないお金の話(2022.06.27)
- これだけ痛めつけられても何も変わらない基本的経済マインド(2022.06.15)
- 近況報告とEV その他(2022.05.19)
コメント
> 筆者の持論ですが、マクロ経済を理解しない政治家は存在価値がありません。国を全く正反対の方向へ導きかねないからです。
・・・轍さんの持論に触発されて、『自立する国家像』のコンセプトを考えてみました、以下に・・・
①政治家・官僚・自治体及び国民とマスコミが、マクロ経済を理解する事
②政治家・官僚・自治体及び国民とマスコミが、日本のかけがいのない文化と近代史を自分の頭で理解し、洗脳されて消滅した軍事的な国防意識に対しても覚醒する事
③政治家・官僚・自治体及び国民とマスコミが、国家と自己のあるべき目標を持ち、品格と自信と希望を持つ事
・・・この辺りが混迷を深める世界の中で、日本が将来に向かって独立国家として生存可能(中国・韓国・北朝鮮・アメリカ・ロシアの属国にはならないぞ~)になり、むしろ世界を牽引する為に持つべきコンセプトなのでしょう。なので、コンセプト構築の練習をしてみました・・・崩壊が止まらない永田町と貢くん日本を食い物にする東西のジャイアン勢力の国家と、貧富の差を広げるグローバル資本に対抗する為に・・・
投稿: AZ生 | 2012年4月 6日 (金) 17時07分
最近こちらのブログを知りました。
「う~ん なるほど」と納得するお話が多く
勉強させていただいております。
政治ブログランキングですが、最新記事の記述があるとクリックしやすくなります。
記事のタイトルを載せていただけたら助かります。
よろしくお願いします。
投稿: aaa | 2012年4月 6日 (金) 23時15分