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2012年4月11日 (水)

目の敵にする訳ではありませんが。。。

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翌日は、またまた春の嵐で桜が散ってしまう事が決定的となった昨日の、よく晴れた昼休みに、近くの公園に桜見物に行きました。同じ考えの人は多かったようです。

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 20120410_141450          (これだけは、いつ見ても目の保養になります)

さて、昨日、拙ブログでは不遜にも、有名経済学者・池田信夫氏と橋下大阪市長に対して、「議論をするのはいいが、その議論自体の基本と前提が間違っている。」と書きました。そうだとすれば、議論するだけ時間の無駄です。

今日は、そのあたり(何が間違いで何が無駄なのか)を少し掘り下げてみたいと思います。言いっぱなしも無責任なので。。。(笑)

と言いましても、筆者は政治経済、あるいは防衛に関してもズブの素人ですから、大上段に構える気など、さらさらありません。あくまでも常識論で考えて、大人(的?)の判断を示したいと思っているだけです。従って、専門的なテクニカル論議は出来ませんので、ご了承下さい。

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池田氏に関しては経済論以外は、本当に参考になる事が多いので、いつもブログをチェックさせてもらっています。しかしながら本職である経済に対しては、不遜ではありますが、首を捻らざるを得ないのです。

氏は、あくまでもグローバリゼーション肯定派で、貿易は国を豊かにすると思われているようです。その点で、「日本は自立するべきであり、メリットが限定的な貿易は必要最小限にして内需に重きを置くべきである」と主張する筆者とは根本的なところで相容れないものがあるのです。

これはグローバリゼーションの究極の目的である、世界統一、人類皆兄弟(友愛精神?)的な気色悪い考え方を肯定するか、あくまでも「日本というアイデンティティを守り、世界とは一定の距離をおく」かの二者択一の、言わば思想的なテーマにも通ずるので、正しいかどうかは判断の分かれるところです。個人の選択の問題とも言えます。

ただ、氏の根本的な間違いは、日本で起きている事に対し、外的要因を考慮に入れない点と、日本の力を過小評価している点です。今さら欧米コンプレックスでもないのでしょうが、日本型の経営、技術開発力よりも新自由主義的な欧米式をより高く評価する性癖が見られます。

従って、グローバルなものに関心が行き易く、日本に対しては必然的に改革や規制緩和の推進派にならざるを得ないのですが、その考え方は大きく方向を誤る危険性を孕みます。その点で筆者は池田氏を危険な考え方をする人物と見なしているのです。ヒステリックに人を罵倒し、自分の意見を強く主張するところも(・・・)です。(笑)

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一方、橋下市長の場合は、あらゆる点で発展途上ではないでしょうか。一貫性がある池田氏と比較するのは池田氏に失礼なくらいです。将来的に化ける可能性がないとは言いませんが、その短絡的思考から、子供市長のそしりは免れないと言わざるを得ません。

まず防衛問題から、「日本が自主的に防衛力を持つまでは日米同盟の深化を推進すべき」と言っている点で失格です。そもそも対等でない現在の関係自体が、独立国としてあり得ません。属国の立場を容認するのであれば分かりますが、自ら自主独立と言っているのですから、日米安保は段階的縮小しかありません。その矛盾は酷いものがあります。

自民党は遅ればせながら、憲法を改正して自衛権を明記し、自衛隊を自衛軍に位置づける事を次期衆院選のマニフェストとする原案を発表しました。

政治家であれば、また国政を目指すのであればなおの事、この問題を他人事にせず、憲法を改正して、自立した防衛力を持つと宣言すればいいのです。その気にさえなれば数年、いや数ヶ月でも可能かも知れません。いずれにしても誰かがやってくれるまで待つ、的なスタンスは全く理解出来ないのです。

大阪都による地方主権や道州制を推進する点も、国防的見地からあり得ません。日本に干渉したがっている国々に囲まれていて、一角が崩され易い体制を布くのは自殺行為です。脅威があるうちは強大な中央集権で行くしかありません。現行の東京に全てが集まるような、一極集中という意味ではないので誤解なきよう。役割や機能の分散は大いに結構(!)

経済に関しては、全く分かっていない事が関税自主権を放棄するTPP に賛成している点でも明らかです。自由貿易は政治力、軍事力の強い国が有利です。押し進めれば固有の文化や国の産業の形態を破壊します。

日本が誇る国内垂直統合型ピラミッド産業体制の強みを理解すれば、技術を持たない国に有利なTPP やFTAが、日本にとってあり得ない選択である事が分かる筈です。

その他、一代で財産を没収してしまう税制や年金問題にしても、妄言をあげつらえばきりがないのですが、「日本国債の海外保有比率を上げた方がいい」などというのも狂気の沙汰と言えます。他国からコントロールを受け易い形にするなど無防備の極みと言わざるを得ません。国内で消化されないのであれば、発行する意味さえないのですから。

このように、言う事に一貫性がないだけでなく、矛盾だらけであるのにも関わらず、市職員への締め付けを見ても分かるように、強引に考え方を押し付けようとするのは、左翼的匂いが感じられるのです。どう見ても保守系とは思えません。やはりハシズムでしょうか。(笑)

総合的に見て、基本的に悪気はない池田さんより数段危険人物と言えます。病気の真の原因を放置して、痛くもない腹を切り刻みかねないからです。マスコミが持ち上げるのも気になります。何らかの意図が働いていると見るべきではないでしょうか。

まあ、大阪市の中だけで改革をやる分にはメリットもあるでしょうが、このままの考え方で国政に出るなど、20年早いと言わざるを得ません。正に無駄以外の何ものでもないのです。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

池田信夫氏は経済学者を自称していますが、この人は経済学者の資格は無いと思っています。
以前、TPPの討論番組において「TPPによって物価が下がるので、TPPに参加するのは良いことだ」と発言するのを聞いてあきれたことがあります。現在のデフレ状態で物価が下がればさらにデフレが悪化します。こにような初歩のことを池田氏は理解していないので、この人には経済学者の資格はありません。
自民党には加藤紘一のようなリベラル馬鹿がいますが、彼らの圧力を排して、この素案に盛られた保守の理念がどこまでマニフェストに反映されるかによって自民党の将来が決定されると思います。

投稿: としさん | 2012年4月11日 (水) 14時23分

≫ 自民党は遅ればせながら、憲法を改正して自衛権を明記し、自衛隊を自衛軍に位置づける事を次期衆院選のマニフェストとする原案を発表しました。

・・・警察予備隊→保安隊→自衛隊→自衛軍?(国防軍?)この流れでしょうか。
・・・竹島/尖閣から韓国中国を追い出したい(いまは、なめられっぱなし)けれど、イラク/アフガン等への資源略奪戦争の派兵はしたくない。する必要性も無い。沖縄は本来、自国で防備を固めるべきである。
・・・国連軍要請とか、日米安保の名において、米軍の指揮下に入るのは、賢くないと思います、利用されるだけ。インチキ大手新聞が世論(B層)へ向けて何を吹き込むか分かりませんから。太平洋戦争開戦に一般日本国民を煽った朝日(昔右翼、戦後左翼のコーモリ新聞)等の二の舞は御免です。

第二次朝鮮戦争とか日中紛争に巻き込まれるのも注意しましょう。心情的には有色人同士の殺し合いはやだね、白人資本家の奥の院が喜ぶだけ。あ、精密な論理性ではなく、あくまでも感情論ですが・・・憲法を改正して国家の自衛権を明記する事は賛成です。当たり前の事です。
スイスの国防方針(武装中立主義)が非常に役に立ちそう。中国半島勢米国の洗脳情報と民主の亡国政策にNOと言い続づけましょう。

投稿: 心配性君 | 2012年4月11日 (水) 14時57分

≫ (橋下維新の会勢力に対して)マスコミが持ち上げるのも気になります。何らかの意図が働いていると見るべきではないでしょうか。

・・・たぶん、①自民の若手真正保守(竹島・自民党の新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久の3議員の、独島記念館のある韓国の鬱陵島 を視察視察)とか②石原新党・亀井さんの動き③反反日デモ(フジテレビ・NHK等への抗議デモ活動)④中国からのパンダ誘致反対・・・に対しての注目を一般国民から逸らす為に橋下勢持ち上げ報道を大きく取り上げているのでしょう。

中国・韓国大好きな反日マスコミの策謀と断定しましょう。

投稿: 青うさぎ | 2012年4月12日 (木) 01時34分

目の敵にする訳ではありませんが。。。

・・・今の民主党政権が【橋下維新の会以下のボンクラ揃い】なのが問題なのですが、両者の共通点を挙げてみましょう・・・
①国防意識が希薄またはゼロ
②マクロ経済の理解、対策案もゼロ
③TPP参画が日本の危険との認識力もゼロ
④外国人参政権という危険な方向にむいている
・・・今日は疲れたのでこれにて終了します。

投稿: AZ生 | 2012年4月12日 (木) 03時57分

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