« ブーメランは忘れた頃に返って来る | トップページ | 巨悪は剔抉する。筈ではなかったか。 »

2012年4月26日 (木)

TPP で岐路に立つ日本

ブログランキングに参加しています。

小沢一郎元民主党代表の裁判の結果が出ますが、未だに無罪を待望している人がいることに驚きます。判決はともかく、どこからどう見てもマックロケではないでしょうか。その点、「我が郷は足日木の垂水のほとり」さんで的確に解説されています。ご参照下さい。

さて、景気が少し上向いて来ているというニュースが日経新聞に載っていました。日経新聞だけに全面的に信用する事は出来ませんが、このニュースに関しては、ある程度本当ではないでしょうか。(笑)

海運会社が好調というのは貿易が盛んになっている証拠です。ようやく3.11とタイの洪水の打撃から立ち直り、日本経済が活発に動いているのでしょう。震災特需もあるようで、建築・土木業界も活況を呈しています。

Topimage

加えて、元気のいい団塊世代引退組が年金からの消費を活発に行いますから、そこでも特需があるようです。ウィークデイのゴルフ場などは、じい様だらけですから。。。(笑)まるで公共投資のように有効需要を生みます。

一見、普通の明るいニュースですが、少し引っかかるところがあるのです。海運業界が活発という点です。別に海運業界を目の敵にする訳ではありませんが、景気が戻って、また元通りというのでは賢明とは言えません。何か改善や改良の要素が欲しいのです。

何が言いたいのかと言いますと、急にどうこうする事は無理かも知れませんが、世界の貿易量を、もう少し減らせないものでしょうか。今現在を見ると世界全体で14兆ドル(1134兆円/2007年度)にもなり、世界全体のGDP比で20%以上にもなります。あまりに巨大です。しかも年々、恐ろしい勢いで伸びています。

A_ill01

交易による資源の消耗や環境汚染等も含め、さすがにロスが多いのではないでしょうか。全ての国が自国内で100% 物やサービスの供給が出来れば、当然交易によるロスはゼロです。環境も汚染しません。

ところが、今世界が動いている方向はグローバリゼーションの美名の下、もっと活発にしようというのですから気が狂っています。無駄の垂れ流しです。

独断と偏見に満ちた筆者個人の考えになりますが、国という存在を認めるのであれば、「経済は地産地消を原則とすべしではないでしょうか。要するに自給自足で、どうしても足りない物だけは最少限の輸入に頼る考え方です。さらに、自然と共生出来れば完璧です。

一方のグローバリゼーションというのは耳あたりがいいのですが、そもそもの発端は大航海時代に遡ります。世界から、いかに効率よく富を収奪するかというのが動機なのです。欧米列強による植民地支配が終焉を迎えた現在、グローバリゼーションは合法的搾取の為の方便と言えるのではないでしょうか。

つまり、一例ですが、新自由主義で金融が自由化され、世界中に投資の機会が与えられます。途上国への集中的投資はバブルを発生させるのですが、そこからの一斉引き上げは、その国の経済を壊滅させるのです。

然る後に、資本が再投資、あるいは買収という形で戻り、搾取構造が完成します。IMF もそれに一役買っている事は言うまでもありません。それを知らない人々は有り難がって投資を受け入れますが、抜け出す事が事実上不可能な蟻地獄に陥っている事に違いはないのです。

従って、グローバリゼーションを突き詰めて行くと、資本という点で国境は有名無実なものとなり、最終的には人、物、サービスの自由な往き来が国家の存在さえも否定する事になります。

つまり地球国の誕生です。英米を主体とする白人が支配する中央政府があり、日本は一地方になるのです。通貨も一つです。比較優位論が尊重され、と言うより、その地方での弱い産業は消滅するでしょう。

各地方が、得意分野だけに特化するのです。貿易は今どころの騒ぎではありません。下手をすれば地球GDP の内、得意分野の地元消化分と地方自治体の支出を除いてた残りの全てが貿易額になりかねないのです。

と言う事は個人消費を始めとする従来の意味での内需が限りなく縮小し、GDP(日本地方としての) は大幅に減る事になります。国内総生産(地方内総生産?)という意味でのGDP の概念は意味をなしません。

想像するだに恐ろしく、訳が分からないのですが、エネルギー消費が猛烈な勢いで進み、地球の汚染が致命的になるのではないでしょうか。その国の得意分野だけが生き残る、例外なき関税撤廃をモットーとする自由貿易の米韓FTAやTPP は、その地球国形成への走りと見るべきです。

そうは言っても、中国や韓国、またシンガポールなどの、現実に貿易をやらなければ食って行けない国はどうするのかと言われるかも知れません。確かにそうです。世界は貿易なしでもやって行ける国と、貿易なしでやって行けない国に分かれるのです。

貿易なしではやって行けない高度貿易依存国に関しては、産業構造の転換が求められます。背伸びをしないで内需で回せる範囲の経済にパラダイムをシフトするしかないのです。プラスαが欲しければ、日本のような善意の国からの直接投資を呼び込む事は有効ではないでしょうか。

また、日本のように、少しだけ輸入をすれば何とかなる国もあります。尤も、エネルギーに関しては再生可能化が進み、自給自足が急速に進みますから、近い将来、貿易がなくてもやって行ける国の仲間入りをする事は約束されています。

しかしながら、TPP に参加した途端にその可能性は限りなく失われるのです。日本が得意とするピラミッド型の垂直統合型産業構造が崩され、食料自給率も39%から、さらに激減する事でしょう。

12951_36541_img 12951_36543_img        (かろうじて生き残っている飼料としてのトウモロコシ畑)

食料自給率が現在のようになったのは、60年安保条約(改定)の際、同条約発効と同時に日本は米国の余剰農産物の引き受け国となった事が遠因とされています。さまざまな農産物について関税ゼロの輸入自由化を認めてしまい、小麦、大豆はじめ飼料用トウモロコシ等、自由化は農作物の広い範囲に及んでしまいました。日本の畑作農業は壊滅への道を歩み始めたのです。

今回のTPP で、その轍をもう一回踏んで、深化させようというのですから念が入っています。菅元総理が言うように、正に弊政の壊国ではないでしょうか。ここで選択を間違えると、世界を救う事の出来る国が消滅します。地球から希望の火が消えるのです。

 

ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを!!

|

« ブーメランは忘れた頃に返って来る | トップページ | 巨悪は剔抉する。筈ではなかったか。 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

> 今回のTPP で、その轍をもう一回踏んで、深化させようというのですから念が入っています。菅元総理が言うように、正に弊政の壊国ではないでしょうか。ここで選択を間違えると、世界を救う事の出来る国が消滅します。地球から希望の火が消えるのです。

・・・TPP参入絶対阻止しましょう。消費税UPも絶対阻止。テレビ、新聞は外国勢の見方が多いので鵜呑みは禁物ですね!

投稿: AZ生 | 2012年4月26日 (木) 10時34分

弊ブログを御紹介してくださり、
有り難うございます。 m(_ _)m


やはり汚沢が、無罪になりました。
これを見越して、前日に投稿しておきました。(^_^;)

日本の法にも、司法の実体にも、キムチが罠を仕掛けてます。論点ズラしで、虚偽記載がどうのと……。


TPPは、日本の自主関税権の放棄です。自民党の谷垣やら伸晃も、消費税がらみで胡乱な動きですね。

野田はもちろんです。こやつらを、ガツンとぶちのめしましょう。

投稿: 左近尉 | 2012年4月26日 (木) 19時05分

左近尉殿、モグラ叩きで、このBKD 共をぶちのめす事が出来れば、どんなにすっきりするでしょう。(笑)

しかし、小沢一郎が無罪という事は政局が大混乱するので、怪我の功名になるかも知れませんね。いずれにしても早い解散を望みます。

投稿: 田中 徹 | 2012年4月26日 (木) 20時19分

> 左近尉殿、モグラ叩きで、このBKD 共をぶちのめす事が出来れば、どんなにすっきりするでしょう。(笑)

・・・え~と、モグラの代わりに、ドジョウ豚(うなぎ犬より不気味でずうずうしい)・空き缶・宇宙鳩をセットしてゲームセンターに設置。大入り繁盛間違いなし(あくまでも単なるゲームです、考え過ぎないで下さい)

投稿: 心配性君 | 2012年4月27日 (金) 03時16分

汚沢が、無罪になりましたが、BKD民主勢の中のコップの中の嵐。日本を滅亡に向けてひたすら励む国賊民主を丸ごと引きずり降ろしましょう。

投稿: かかし君 | 2012年4月27日 (金) 03時25分

大東亜戦争(自虐日本史を日本の児童への押し付けが大好きな日教組とかマスコミはなぜか太平洋戦争と言い換えて、日本が果したインドとか東南アジアへの欧米植民地解放の役割から国民の注意を逸らそうとしてきた)終了後に日本に出現したGHQが後押しした朝鮮進駐軍、各地の駅前一等地を不当にも占拠したり、暴れまわって日本人を苦しめました。例えば渋谷警察署への襲撃事件とか・・・
で今日、K国・NK国・C国おまけに湯田屋に操られるA国への隷属を日本国民へ押し付ける民主党・・・一刻も早く、野田も汚沢も議員を辞職して貰いたい。

投稿: 青うさぎ | 2012年4月27日 (金) 04時27分

>TPP で岐路に立つ日本

・・・アメリカの要求を私なりにザックリ復習してみます
①TPPでアメリカの笠にもっと深くお入りになりなさい(日本の対米輸出がふえる?嘘でしょ、既に自動車などは現地生産が殆どで、日本からの輸出は微々たるものです。不平等条約で日本をしばって、身動き出来ないようにして政府・日銀・民間の銀行/保険を含める溜め込んだ外貨とか、資産・市場をアメリカに差出しなさい)
②農業、医療その他20項目あまりの業種の仕組みもアメリカの業種が仕切ります。日本の法律よりも上位の効力があります・・・こんなの受け入れたら日本が滅亡します。
③その代わりに日米安保発動で日本を侵略者から守りますから・・・とは一言も言っていません・・・その他色々ありますが、日本の利益になる事は全くありません。
・・・自国の経済破綻回避の為にに日本を犠牲にしてしまう要求ですね。でも、それをはね付けないと日本は永久に独立国ではなくなります。


投稿: AZ生 | 2012年4月27日 (金) 06時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ブーメランは忘れた頃に返って来る | トップページ | 巨悪は剔抉する。筈ではなかったか。 »