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2012年5月 5日 (土)

超先進国日本が、今後の世界を導くだろう

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日下公人氏の著書「超先進国日本が世界を導く」を読みました。「驕れる白人と闘うための日本近代史」の松原久子氏の考え方と似たようなところが散見出来ます。また、恐れ多いのですが、筆者とも限りなく近いと思いました。思い上がりが過ぎるでしょうか。(笑)

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日本の優位性は「暗黙知」を知る庶民レベルの民度の高さにあるという説には、大いに共感するところです。これは一朝一夕に到達出来る域ではありません。戦国時代を除けば、千年以上の平和な時代があったからこそで、特に江戸時代には、欧米でさえ達成し得なかった庶民文化が花開く堂々の先進国であったのです。

まさに「ローマは一日にして成らず」です。従って、明治維新以降の急速な近代化は、社会システム的、教育レベルを含む民度的土台の上に積み上げただけで、ゼロスタートではなかったという訳です。

問題は第二次世界大戦で、著者は、それまでの連戦連勝の驕りや、組織のトップに恵まれなかった点をあげています。分析が正確でなく、指導者に恵まれなければ、いかに将兵レベルが優秀でも総力戦には勝てません。時の指導者に、戦争に至る前の交渉事(外交)をゲーム感覚で楽しめるゆとりがあったならば、また違った展開があったのかも知れないと氏は指摘します。

戦いに敗れた事で、戦前とは正反対のベクトルに動く人々を、GHQ の占領政策もあり、制御出来ず放任状態で今日に至りました。それが本来の日本的「暗黙知」を持たない得体の知れぬ文化人や市民運動家を生み、最終的には日本人が最も望まない筈の、究極の非日民主党政権を生んだという訳です。

しかしながら、日本人には本来、修正機能が備わっています。無能無策な民主党と3.11とで学習した日本人は、必ず立ち直り進化を遂げるというのが著者の「日本が世界を導く」理由です。もっと明確で強いメッセージがあるのかと期待した割には、さらっと流してくれました。(笑)

著者は、「GDP の物差しで測るのは古い、先進国の経済成長が発展途上国より低くなるのは当然だから、数字より内容で勝負すればいい」というような事を言われますが、そこは異論があるところです。

先進国と言えども経済発展しないという理屈は成り立ちません。そもそも何を定義に先進国というのかが不明確です。筆者が見るところ、日本は相対的先進国と言えても絶対的な意味での先進国ではありません。足りないものが多過ぎるし不完全です。

むしろ途上国がなぜ発展するのかを考えた時に先進国の先進国たる所以が理解出来ます。いみじくもNHK で経済評論家が、発展する途上国に世界から投資が集まると言っていましたが、それは全く逆です。

そもそも途上国が途上と言われるのは、付加価値創造力が欠けているからです。従って、いつまで経っても途上なのです。NHKの経済評論家は、自力で開発出来ない資源や、安い人件費が魅力で先進国が投資し発展するメカニズムが分かっていません。

という事は、投資を引き上げれば元の木阿弥です。先進国は自国の成長分を分割供与しているというのが実態で、途上国の自律的発展などは妄想に過ぎないのです。その証拠は、先進国との国交がない北朝鮮を見れば明らかではないでしょうか。日本から裏ルートでマネーが入っても技術支援抜きでは有効活用する術を持たず、GDPは2兆円に過ぎません。

そういう国から見れば、もう十分と言えるのかも知れませんが、現実的には数字的(GDP)に伸びてくれないと困ります。年金問題もあるし、財政赤字の問題もGDP が膨らまないと歪な構造に拍車がかかり、いずれ厳しい局面に遭遇しかねません。何より、安全保障上の問題はどう解決すればいいのでしょうか。

親日とはいえない周辺国のGDP が大きく伸びたならば、自ずと戦力の差も開くと解釈すべきです。世界に貢献する為にも、日本は経済成長し続けなければならないし、また、それが可能です。何でも揃っている日本は、発展を阻害する要素を排除すればいいだけなのですから。。。

いずれにしても、「超先進国日本が世界を導く」と、松原久子著「驕れる白人と闘うための日本近代史」は、日本人必読の書である事に間違いありません。是非読んでみて下さい。

 

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コメント

> 超先進国日本が、今後の世界を導くだろう

・・・ほんの10年前まで自分では、輝かしい21世紀的な未来文明社会が開けて行ける予感がチョコッと持っていました・・・911が発生するまでは。

・・・民主とマスコミが国民を騙して政権を取ると経済はガタガタでデフレは進みっぱなしで財務省・日銀を指導する知能・理解力・指導力は全くなしで外国に貢ぎ放題。日本国土の竹島・尖閣は取られっぱなし・東北は見殺しで日本の国際社会の中でプレゼンスは落ちっぱなし・・・もはや国家としての存在感が皆無。

・・・明治維新での西洋覇権国家との異文明との衝突は、中国がアヘン戦争で英国に敗れたのに対して我が日本は国民の一致団結で国内を二分する内戦にはならずに、なんとか乗り換えました。
日露戦争では南下政策でゆくゆくは日本を占領する意図を見事に打ち砕きました。太平洋戦争では、連合国に敗れましたがインド・ビルマ・インドネシア等の西洋の植民地からの脱皮・独立に結びつけました。戦術で負けて戦略(白人植民地から東洋人国家の独立)、戦争目的は果せたのです。日本の国家観・世界観は広く気高かったのです。

中国・韓国が日本の事をくそみそに言う事、それを後押しする朝◎新聞、フジテレビNHKは反日+馬鹿ですね、日本民族しか世界を良い方向へ引っ張れる民族はいないのに自滅へ洗脳するおろかなマスコミ。

投稿: AZ生 | 2012年5月 7日 (月) 10時47分

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