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2012年5月25日 (金)

正しい財政政策さえすれば、経済成長しない国なんてありません。

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経済学者の森永さんが、格付け会社フィッチによる日本国債格付けの引き下げに対して、「全くのインチキだ。国債金融機関が日本買いをする為の陰謀だ」という意味の事を言っていました。「長期国債の金利が世界一低い日本国債は、世界で一番信用がある」とも言うのです。まるで拙ブログを読んでいるかのようです。(笑)

それに対し、女性経済学者の浜矩子氏は、「日本国債の格付けが下がる事は、銀行などが売らなければならなくなるので好ましくない」と悲観的です。格付け自体が適切であるかどうかのコメントはありません。

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大体、記事にするのも汚らわしいのですが、韓国、中国やチリ、サウジアラビアより格下で、イスラエルやエストニアと同格にある、なんて事がある訳ないじゃないですか。世界屈指の技術大国で、世界一の対外純資産を持つ国がですよ。(笑)冗談も休み休みにしろってなもんです。

最近の債券市場を見ても、日銀の6000億円の「買いオペレーション に対する応札が不調(札割れ)に終わるくらいです。EUや米が低迷している中、日本国債の人気は沸騰しているのです。円高になる訳です。

しかし、いかに人気で品薄とは言え、6000億円程度の買いオペが不調に終わるなんて事があるのでしょうか。不思議な感じがします。と言うのも、一年ちょっと前の事です。3.11後の3月14日(月)から、日銀は猛烈な勢いで買いオペを開始しました。資金を市場に供給する、いわゆる量的緩和です。

筆者も日経新聞を注視していたのですが、3日間で75兆円まで追いかけました。結局、白川さん本人は、100兆円以上の買いオペをして、市場に大量に円を流したと言うのです。

さすがに非常時、日銀もやるべき時にはやるのかと感心したのですが、実際には被災地には1兆円程しか向かわず、政府は復興費用を、増税を前提とした国債発行で調達しようというのですから訳が分かりません。

では、その100兆円超の資金はどこへ消えたのでしょうか(?)それより不思議なのは、そんなに大量の債券が数日間で日銀に買われたという事です。
ですから、タイミングこそ違いますが、6000億円分が不調と聞くと、えっと思ってしまうのです。

そんな大量の債券を、準備するのだって大変じゃないでしょうか。まるで予期でもしていたかのようです。

話が横道にそれました。(笑)
森永さんと浜矩子さんのディベートの話題に戻ります。消費税に関してですが、森永さんは明確な反対派です。消費が減って、むしろ経済が悪くなると言います。97年に増税して失敗した例もありますから、至極当たり前ではないでしょうか。

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それに対して浜さん(上)は、20%くらいは必要だと言うのです。社会保障費も含めての事だと思われますが、さすがに他の出演者も、それはどうかという表情です。

彼女は「一律である必要はない、グラデーションで、贅沢品に関しては高くすればいい」と言うではありませんか。何だ、それなら消費税を導入する前の物品税の考え方ではないかと思ったのですが、そもそも消費税というのは、薄く広く、をモットーにしています。その精神に反するのであれば、あえて消費税にこだわる必要もありません。税制全般を見直せばいいのではないでしょうか。

その点には森永さん同様抵抗はないようです。直接税の累進税率(上限)を上げたり、相続税を上げればいいと言うのです。まともです。日本には莫大な金融資産がありますが、動かない事が問題なのです。

ならば眠っているところに課税して、富の再配分を行い、経済を活性化させるのは常道ではないでしょうか。当然、国債発行額は最小限にし、償還分に関しては借り換えをしません。

しかし、それを行ったならば、確実に景気は上向き経済成長軌道に乗るのではないでしょうか。つまり、消費税を据え置き、金融や不動産、あるいは個人金融資産で動かないところに課税すれば、税収が飛躍的に増え、赤字国債発行の必要さえなくなる可能性があるのです。全金融資産に対する債券保有比率も下がり、資金が投資先を求めます。

浜教授は成長幻想は捨てろと言いますが、経済学者とも思えません。正しい財政政策をして経済成長しない国などないのです。少子高齢化の日本だって例外ではありません。その証拠にデフレギャップがあります。

これを解消するのは、富の再配分、つまり格差の解消です。一億総中流時代が一番成長していた事を思い出して下さい。それが出来ていないのは、政府の無能無策以外の何ものでもありません。あるいは故意(?)

もっと言えば、新しい付加価値創造が出来ない国でも、改良などによって多少の成長は出来ます。さらに海外からの直接投資を呼び込めば、東南アジア諸国、例えばタイだって高度経済成長が出来るのです。

いえ、バカにしているのではなく適性と必要性の話です。つまり名目GDP なら、政府さえその気になれば、成長させる事は可能なのです。だからと言って、国民生活が豊かで幸せとは限りません。それはまた別問題です。

Photo

(タイの友人が送ってくれたバンコクの夜の街、彼は毎晩のように訪れているようです。/笑)

熱い日中はビールでも飲んで木陰で昼寝でもするのが最高でしょうし、夜は夜で、魅惑の繁華街にでも出かけて(?)ン〜〜。これだけは日本などが直接投資をして駐在者が増えた事による弊害(?)かも知れません。

話があさっての方に飛んでしまいました。(笑)いずれにしても、成長しない事を前提とする経済学なんて、あり得ません。

 

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コメント

> 話があさっての方に飛んでしまいました。(笑)いずれにしても、成長しない事を前提とする経済学なんて、あり得ません。

・・・内需拡大をメインテーマにお金の循環を活発にして、経済の拡大を図るのが我が国の採るべき政策ですよね。そうすれば、自動的に税収がアップしますから、ワザワザ消費税を上げる必要性が消滅します。
竹島・尖閣の防衛も強化しましょう。防衛産業は裾野が広く、国内のハイテク中小製造業も復活しますから。あ、英国が我が国と国防機器の技術・製造への共同開発を提案している様です。良い傾向です。日英同盟の復活?インドとかトルコとか台湾など日本に友好的な国々と友好を深めましょう。
財源?中国・朝鮮半島等のずうずうしい脅迫国とか、国連その他への膨大な貢物を国内に回せばOK.

投稿: 青うさぎ | 2012年5月26日 (土) 15時38分

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