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2012年6月 2日 (土)

文字通り、悪貨は良貨を駆逐するようだ。

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昨日の続きになりますが、デフレの原因は、昨日書いたような事が全て、という訳でもありません。複合的な原因が国内外に存在しています。つまり、日本のような超先進国は、どう動いてもデフレになるように自由主義経済のシステム自体が出来ていると言えば、言い過ぎでしょうか。

外的要因については昨日書きましたが、国内にも、原因がない訳ではありません。日本の産業を韓国などと比較しますと、自動車産業ー韓国は現代起亜自動車が80%以上の寡占状態なのに対し、日本の場合はトヨタ、ホンダ、ニッサン、マツダ、三菱、ダイハツ、スバル、スズキと乗用車だけでも8社もあります。

電機産業ーサムスン、LGの二社に対し、パナソニック、東芝、日立、三菱、シャープ、ソニー、富士通、NEC と、これまた8社もあるのです。これらの世界に冠たるブランドがしのぎを削るのですから大変な事です。

さらに世界一目の肥えたユーザーが厳しくチェックを入れます。しかもインターネット時代、安い価格情報はすぐに手に入るのです。従って海外がなく、国内だけだったとしてもインフレにする事なんて、夢のまた夢ではないでしょうか。インフレターゲットとは、あくまでもターゲットであり、手は届きません。

ところで、国内での海外製品のシェアは、クルマで日本ブランドの逆輸入を入れても8%程度、家電も長年国内メーカー群による寡占状態は続いていたのですが、クルマよりはこだわりが薄いようで、地デジ買い替え需要などで、液晶テレビの海外製品が一気に伸びた事もあり2010年には電機全体で輸入超過になったようです。

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クルマの方は、かつて現代自動車が日本車比較、3分の2というプライスで市場参入していましたが、あえなく撤退しました。この牙城だけは崩せないようです。

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結局、電機の苦戦は、お隣韓国の低価格戦略にやられた形ですが、元々は日本の技術が、人と共に漏洩した事が発端で今日の体たらくを招きました。バブル崩壊以降のデフレ不況による早期退職やリストラで、近隣諸国に流れ易い環境が作られたのです。

ではサムスンなどが、さぞ儲かっているかと言えばテレビ事業は赤字だと言います。収益性が悪いので本体から切り離されました。何の事はない、共倒れだったのです。穿った見方をすれば低価格戦略は日本潰しの一環と言えるのではないでしょうか。

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大企業優先の韓国政府は、あらゆる形でのサポートをしますから、赤字自体は怖くありません。国全体が経常赤字になったとしても、日韓通貨スワップ協定で円やドルが手に入るからです。サムスンの赤字を日本政府が補填する形です。

尤も、表向きは慢性的な韓国の対日貿易赤字2〜3兆円を埋める形(日本の生産財企業救済)にはなるようです。いずれにしても日本の資金で廻している事になります。阿呆らしい話ではないでしょうか。(笑)

結局、公正で公平な世界であれば、デフレの度合いも、もう少し軽減されるのでしょうが、最近の様子を見れば、明らかにデタラメで度が過ぎます。あの手この手でがんじがらめになりつつありますが、のんびりした日本人に気がつく気配がありません。日本人は本当に危機感を持つべきです。

デフレも、企業努力で何とかなるレベル(赤字を出さない)までは、通貨高に動くという弊害はあるものの、付加価値の凝縮という意味でやむを得ない点もあるのですが、度が過ぎると毒にしかなりません。国内の購買力がなくなれば元も子もないからです。

それを回避するのは、明らかに財政及び、金融政策です。今こそ経済に強い政治家、政党が求められますが、見渡しても甚だ心もとないと言わざるを得ません。一部の若手自民党員に、その芽が見られるものの、守旧派(財政再建派)の抵抗は根強いのではないでしょうか。

いずれにしても、摘み取られないよう我々国民が注視して行く必要があります。

 

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コメント

日本民族の資質:下働きとしては優秀、政治指導者としては愚鈍
下の者は、現世に埋没している。「世の中は、、、、」の発想法に甘んじている。
あきらめと努力が必要である。不自由を常と思えば不足なしか。
上の者には、哲学がない。あるべき姿の内容を脳裏に蓄えることができないでいる。
我々の遠い未来に行き着く場所を示していない。だから、現実を批判することもできない。
「そんなこと言っても駄目だぞ。現実はそうなってはいない」と言い返されて終わりになる。やはり、現世埋没型である。
現在構文ばかりの言語で、非現実を語れば、それはこの世のウソである。
「現実を無視してはいけない」「現実を否定することはできない」などという精神的な圧迫がかかっている。
上の者には、自己の現実対応策 (成案) に説得力を持たせる意思が必要である。
自己の意思を示せば当事者になる。示さなければ傍観者にとどまる。
だが、意思は未来時制の内容で、日本語には時制はない。
我が国は、世界にあって世界に属さず。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2012年6月 2日 (土) 14時51分

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