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2012年6月 4日 (月)

日本の失われた富の行方

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テレ朝TVタックルは、京都大学の藤井教授が初出演という事で興味が持たれましたが、ちょっと不発だったようです。(笑)廻りに、うるさいおじさん達が大勢いて侃々諤々、人の話を聞かずに皆勝手な事を言うので、まとまりのない内容になってしまいました。個性の強い人が多すぎるのは考えものです。

その中で、みんなの党の江田議員が、自民党のマニフェストにある10年間で200兆円の公共投資(日本列島強靭化計画)の財源について、日本には純資産が250兆円もあるのだから、それを40兆円づつ使っても6年は持つなどと言っていました。分かり易く説明したつもりが、一般の人は却って混乱したのではないでしょうか。

それこそが家計の理屈です。貯金を切り崩して、それを支出に当てようと言うのは、一見分かり易いのですが、マクロ経済が分からない人は、却って混乱してしまいます。では、6年目以降はマイナスになるじゃないかと言われても仕方がないのです。

実際は、全くそんな事はありません。いくら公共投資に使おうが、国内から資金調達する限り対外純資産が減る事などあり得ないのです。国内のどこから持って来ようが、お金はお金です。政府が、どういう方法にしろ調達したお金は、公共事業等で使われる事によって、全額国民の側に戻ります。これが資金循環です。

国債を発行して資金調達したなら、国債という金融資産と、予算で使われたお金が国民の側に金融資産として残ります。つまり、総金融資産は増え続ける事になるのです。問題は、それではマネーサプライが増えない事です。循環出来る資金の総額が増えなければ経済成長はしません。

ですから、その40兆円は90兆円程ある一般会計の予算にプラスしなければ意味がないのです。それを自民党は毎年20兆円づつ10年間やると言っている訳です。期待が持てるのではないでしょうか。

対外純資産の方はと言えば、それとは関係なく増え続けます。貿易収支が多少赤字になったとしても、所得収支の黒字から経常収支の黒字が続く限り増え続けるのです。一見良さそうな話ですが、これが問題の元にもなります。

一方でギリシャやスペインなどの経常赤字国の赤字を増やすからです。そんな遠くは関係ないのでは、と言われるかも知れませんが、グローバル化された世界は繋がっています。あちらの水位が上がれば、その分こちらの水位は下がるのです。

番組では藤井教授が、デフレギャップの分だけお金を刷っても大丈夫だと言っていましたが、その概念が大竹氏には理解出来ないようです。我々国民に取ってお金は「額に汗して稼ぐもの」だからです。ところで、そのデフレギャップというのは、一体どのくらいあるのでしょうか。

内閣府は一昨年までは30兆円と言っていました。最近は震災の影響もあってか20兆円と言っているようですが、その根拠は何でしょうか。(?)

デフレギャップとは、過去数年の供給力(経済活動)の平均値と現在のGDPとの「差」でしかありません。つまり、この内閣府試算のデフレギャップは、物理的な生産力の限界と現在の「差」を示すものではなく、経済的には何の意味もない数字と言えます。

2〜3%と言われている潜在成長率も、既にデフレ下にある成長率をベースにしているので根拠がありません。実際の日本の潜在供給力はそんなもんじゃないのです。そこが大竹氏などの一般人には分からないところです。

では、実際にデフレギャップはどのくらいあるのか。またデフレが続く事による富の損失はどのくらいになるのでしょうか。これはネット上でも諸説ありますが、トータルの損失は1000兆円から1500兆円というのが相場のようです。(笑)

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筆者はデフレギャップに関しては、為替相場が密接に関わっていると思っています。例えば、90年の対ドル円相場は150円でした。現在が78円ですから、倍も上がっている訳です。日本人は当たり前のように受け入れていますが、世界中探しても、そんな国はありません。

あの、覇権国アメリカのドルに対して、戦後はともかく、プラザ合意以降3.5分の1、90年以降で2分の1ですから、凄まじい数字です。これがもし、為替の変動がなかったとすれば、実質で1000兆円近いGDP でもおかしくなかった事になります。

実際の数字で計算をしてみても、80年から90年までの10年間で6.2%の経済成長をしていますが、その後を、仮にバブル分を差し引いて控えめに4%の成長としても2011年には1000兆円を超える位なります。先程の数字との奇妙な整合性を見出します。

つまり、日本の輸出力が、それほど強くなく対ドル相場が維持出来ていれば、少なくとも1000兆円のGDPだったという訳です。90年との差は約550兆円にもなります。2011年の名目GDPが468兆円ですから、それとの差でも532兆円です。これが本来の意味でのポテンシャルを現した、デフレギャップの正しい数字ではないでしょうか。

その結果としての失われた富は、簡単には計算出来ませんが、1000兆円は悠に超すと思って間違いないのではないでしょうか。問題は、その分が、どこへ消えたかです。もったいぶるようですが、この続きは、明日になります。時間が取れればですが。。。

 

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