思考停止のTPP 参加賛成派
(当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には絶対反対です。)
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久々、ニュースステーションでTPP の話題をやっていました。さも日本が消費税問題や政局にうつつを抜かし、参加検討をなおざりにして、置いてきぼりを食っているかの如き報道ぶりです。。。確かにその通りかも知れません。(笑)
トヨタやスズキの、自動車メーカートップを出して、米の無茶な要求に反論しているのは良かったのですが、日本の市場が閉鎖的であるかのようなリードの仕方はまずいのです。そういう見方なら基本的にどこの国も閉鎖的です。
それぞれの国の事情や、習慣、指向性が違うので当然と言えます。それをもって閉鎖的というのでは、はなから付き合えません。ところが、自工会のスタンスは奇怪です。米側からの非関税障壁指摘に対し、メーカートップが懸念を表明しているというのに、TPP に諸手を上げて賛成している理由が分かりません。何を考えているのでしょうか。
ホームページを見ても分かりますが、ただ「自由貿易を礼賛する」と言う事意外に賛成する理由、参加すべき根拠等一切見当たらないのです。思考能力のない恐ろしい組織だと言わざるを得ません。
(経団連て、何をするところなの?本当に存在意義があるの?)
経団連などの「ポンコツおじさん」(失礼)達を見ても分かりますが、日本の、財界系の組織は皆おかしいです。(笑)知的、論理的考察など一切なく、昔からの価値観の延長で、自由貿易、新自由主義、ブローバリゼーションなどを信奉しているに過ぎません。
そもそも世界貿易のパラダイムは、リーマンショックで劇的に変化を遂げています。つまり、基軸通貨を持つ米が、ドルを刷りまくる事により際限なく債務を膨らませ、世界からものを買っていた構図は終了したのです。
それは米という肝っ玉母さんの下、子供たちに際限なく小遣いが与えられた時代が終わった事を意味します。弱肉強食時代が到来したのです。子供たちは、米ママが豹変し、子供の小遣いさえ巻き上げる、怖いママ母になった事に気付かなければなりません。
韓国などは恐怖のあまり、クリンチ作戦(米韓FTA)に出ましたが、それこそがママ母の思うつぼだったのです。骨の髄までしゃぶられるでしょう。今後は簡単には為替介入はさせてもらえませんよ〜。(笑)だって、折角関税ゼロにしたのに、ウォンが数%も下がったのでは元の木阿弥です。米は日本と違ってあまくないぞ〜。
(韓国をFTA に誘い込めば、焦った日本がTPP の罠に落ちる。時間の問題さ)
事実、オバマさんは「米国内の製造業を、輸出を倍増させて復活させる。韓国とのFTA では国内に7万人分の雇用が生まれ、韓国からの輸入と同数の50万台のクルマを韓国に買わせる。」とはっきり言っているのですから、韓国が美味い汁を吸う余地はありません。
とてもウィンウィンの関係には見えないのです。にも拘らず、グローバリゼーションやFTA、あるいはTPP に幻想を抱く人達というのは、一体何なんでしょうか。
つまり、日本の場合、年間で7〜9兆円もある対米貿易黒字をこれ以上増やす事など考えられないのです。関税がゼロになって、多少増える分野があったとしても、逆に減る分野が圧倒的に多い事を肝に銘ずるべきです。
しかしながら、ここで一つの疑問に突き当たります。いくら自由化しようが、80年代のように、ごり押ししようが、米車が日本での販売台数を大幅に伸ばすとは考えられません。非関税障壁の名目で、軽自動車の規格廃止や、道交法の改正要求が通ったとしても、現在の米車の日本国内販売、数千台(年)が飛躍的に伸びるとは思えないのです。
テレビや家電製品にしては、そもそも売るべき商品そのものがないのですから。。従って、工業製品に関しては、反対派が心配するような事はないのではないでしょうか。
悪名高いモンサントなどの遺伝子組み換え食物を含む農作物に関しては、かなりシェアを食われる事になるのでしょうが、他の製造業で、米がイメージするように、日本で大幅に伸びるアイテムがあるかと言えば大いに疑問です。
という事は、米の狙いは他にあると考えるべきではないでしょうか。つまり製造業ではなくサービス業です。医療、福祉、教育、法律、金融、通信等々、米が得意とする分野は、むしろこちら側にあります。
そこを蹂躙される事は、日本人にとって生活が一変する事を意味します。許容巾の大きい暗黙知の世界から、白黒はっきりつける契約社会への変貌です。住みづらくなる事は疑いようがありません。
あるいは、それらが首尾よく行かない場合はISD 条項で反則金をとられる、逆は考え難いので、やられ放題になる事は間違いないのではないでしょうか。それを承知で、関税自主権まで放棄し、あえて荒海に船出する意味が分かりません。
いずれにしても、これまで散々、万年経常収支の黒字により対外純資産の山を築いておいて、貿易で経済成長しようなどという発展途上国型経済モデルにしがみついているようでは未来はありません。
それよりはるかに、いや、無限のポテンシャルを持つ内需を拡大する事が、先進国型の経済モデルである事は論を俟たないのです。その為には、インフラの再構築が不可欠ですが、それを言うとマスコミが一斉攻撃を始めます。
長くなりました。この話題は次回という事で、乞うご期待(!)
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コメント
経済関係の番組はWBSから誰でも分かる・・までミスリードが激しくてイヤになりますね。
米がごり押しした案件で、いままで米に利益をもたらしたものが無いという韓国並みの右斜め上。しかし、役人の劣化と政治家の劣化を何とか出来なければ、日本からお金を引き出し続けたいという思惑通りに進みそうで鬱な気分です。ここまで進んだ劣化は一朝一夕では改善できませんからね。
投稿: ASO | 2012年7月 7日 (土) 09時34分
> 発展途上国型の、貿易で経済成長しようなどという経済モデルにしがみついているようでは未来はありません。
それよりはるかに、いや、無限のポテンシャルを持つ内需を拡大する事が、先進国型の経済モデルである事は論を待たないのです。その為には、インフラの再構築が不可欠ですが、それを言うとマスコミが一斉攻撃を始めます。
・・・今の日本のマスコミはNHK、フジテレビを筆頭に日本国と日本人を滅ぼす外国の洗脳機関に落ちぶれました。個人の知性・判断力を上げるしかありません。
・ 夢なき者に理想なし、 理想なき者に計画なし、 計画なき者に実行なし、 実行なき者に成功なし。 故に、夢なき者に成功なし。・・・幕末の日本スピリットの発信者:吉田松陰の言葉を政府・経済界・教育者は思い出して欲しいものです。
投稿: AZ生 | 2012年7月 8日 (日) 00時57分
> 思考停止のTPP 参加賛成派
・・・医療、福祉、教育、法律、金融、通信等々、米が得意とする分野は、(製造業よりも)むしろこちら側にあります・・・当たりでしょう。TPP参加は日本経済の骨格が米国の民間企業に乗っ取られる事になるのです。ありえません、とんでもない不平等条約です。
農業系で言えば、モンサント(K団連会長はここの関連人物)の穀物の種・農薬は世界を滅ぼします。国家も個人の農家も消滅する可能性があります。
投稿: 青うさぎ | 2012年7月 9日 (月) 17時05分