円高、円安、本当はどっちがいいの(?)
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昨日のWBS は久々、少しまともだったような気がします。視聴者から質問があった日本の財政問題について、「基本的に破綻というのはないと思う」とはっきり言っていました。お〜〜拍手!!
ただ、「破綻はないが、これ以上状況が悪くなると買い手がつかなくなり、それによって金利が上がる悪循環にはまる、その結果円が暴落すると大変な事になるだろう」と言うのは、どうでしょうか。
(「円安になれば、輸出産業が良くなるのでは?」まともな質問を投げかけるも一蹴される小谷さん)
一見もっともらしいのですが、大いなる矛盾を含んでいる、と言わざるを得ません。そもそも、今の、先進国が総崩れの状態を見ても、買い手がつかない事態というのは考え難いのですが、百歩譲ってそれは飲むとしても、円が暴落すれば輸出企業はもの凄い事になります。それこそ濡れ手で粟ではないでしょうか。
普通に考えれば、その前に日銀が買い支えますから、日本国債のデフォルトはあり得ないし、円の暴落もありません。そこになぜ言及しないかが謎です。
この元銀行員のコメンテーターは、円が暴落すれば物価が上がって製品そのものが作れなくなると、日銀の存在を無視した言い方をしますが、それにしても、一体全体、日本の製造業の部品や材料の海外依存率が、どのくらいなのか分かっているのでしょうか。
恐らく産業全体でも2〜3%程度ではないかと思われます。これで物が作れなくなるなら、国際水平分業化が進んだ他国の産業は、少しの為替変動があっただけでも成り立たなくなるのではないでしょうか。
その点、最近電機や自動車の一部でやや崩れつつはあるものの、国内垂直統合型を守って来た日本の製造業は無敵です。円安に振れた途端、デフレギャップなど一気に吹っ飛ぶ事でしょう。自動車で言っても、円安時代の2007〜8年には1160万台(1ドル100〜125円台の時代/輸出分は450万台)の国内生産を誇っていました。
80円を切る円高の昨年で839万台(3.11の影響も大きい)まで落ちていますから、多少時間がかかるとしても320万台分の上乗せが出来る計算になります。これが1ドル200円ともなれば、どこまで伸びるか、天井知らずです。恐ろしい事になるのではないでしょうか。
ところが、よくしたもので、そうはいかの何とやら、輸出が伸び始めた途端に、為替が円高に振れるのです。輸入国の産業を守る為の為替ですから間違いありません。従って、このコメンテーターおじさんが言った様な事には、なる筈がないのです。
そもそも、円安時代に海外で散々売って来た実績があるというのに、おかしいじゃありませんか。常識力なさ過ぎるのとちゃいまっか。(笑)いつもは円安に誘導しろと言っているのにねえ。
そんな事より、円が暴落した時こそ、EEZ 内の資源を開拓するチャンスです。今は円高ですから、海外から買う方が手っ取り早く安いという事もあり、資源の開発が進みませんが、円暴落こそ千載一遇のチャンスではないでしょうか。
残念ながら、どう考えても、そんな極端な円安にはなりませんね。第一日本の国債が暴落すれば、一体、どこの国債を買えばいいのだ、という事になります。日本より金利が下がりそうな国があれば教えて下さい。一儲け出来ますから。(笑)
前から述べていますが、こういう経済の専門家は机上の理論でものを言い過ぎます。現場に行って実態をよく研究するべきなのですが、感性が鈍いので何も吸収出来ないのかも知れませんね。
今日は、他のテーマを予定していましたが、折角のネタを提供してくれる人に敬意を払いました。いつも有り難うございます。揚げ足取りは本意ではありませんが、公共の電波で嘘を垂れ流すのは、もっと良くない事ではないでしょうか。
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