言い尽くされた「デフレの正体」
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日曜朝のフジテレビ「新報道2001」では、石破さん以下、錚々たるメンバーが出演してデフレについて論じていました。日本経済が停滞する主な原因がデフレにあるという認識では一致しているようです。
(筆者は基本的には偏向フジテレビは見ないのですが、この番組とスポーツ番組だけは例外としています。/笑)
デフレが解決しなければならない喫緊の課題という共通の認識はあっても、20年近くも脱していないと言うのはどういう事でしょうか。そこで考えられる、解決出来ない理由を羅列してみます。
1)手がつけられないくらい厄介で、なす術無く手をこまねいている。
2)先進国が陥る構造的なものだから、ある程度までは容認すべきである。
生活費が低く抑えられるのだから、結局はインフレと同じ事と言っている有名経済学者がいたのには心底驚きました。(笑)
3)政府や日銀に、解決する気がない。
結論から言えば現状は1)ですが、どうも腑に落ちません。解決策を色々トライしている気配がないというのは納得いかないのです。なす術はある筈です。
2)は、確かにそういうところはあります。グローバル化が進むと途上国に追い上げられるので、給料の高い先進国は不利になるという点は否定出来ません。
しかし、筆者には1)、2)は口実で、日本の場合、実は3)ではないかと疑っています。言うだけは言いますが、政策的には真逆の事を推進したり、日銀などは、少し効果が出ると、すぐに金融緩和策を解除するからです。
番組でも、侃々諤々異論百出でしたが、給料が下がった点については企業のモラルのせいにしかねない、トンデモ論が出ていたのには驚きました。企業は市場原理や資本主義に忠実なだけです。さすがに資本家の搾取という概念は、この情報化時代あり得ません。
「デフレの正体」を書いた、某経済評論家はあくまでも人口減少のせいにしたいようです。さすがにこれも無理があります。それ程人口は減っていない事と、労働人口減少に関してはデフレと逆行するからです。
内閣府が認める膨大なデフレギャップの存在を知りながら、デフレを労働人口減少のせいにする矛盾を何と考えるのでしょうか。労働力が余っているからこそ失業者は出るのです。
それに未開国ではあるまいし、人口の増減だけがGDP を左右すると言うのは付加価値創造力を見くびり過ぎです。技術は着実に進歩しているし、その技術面で世界をリードしているのも日本だという事実を経済学者が無視してはいけません。
そう考えると、やはり3)の可能性が高くなって来ます。そうだとすれば自国の経済を悪くする意味は何でしょうか。難しい問題です。
手っ取り早く、誰かの陰謀のせいにするのもありなのですが、確かに日銀株に関しては45%が海外の金融資本が保有しています。そこからの影響、圧力の可能性を排除する合理的理由はありません。
(日本政府が55%の株を保有するが、財政規律を盾に独自の金融政策を実行する日銀)
いえ、今日はそういう方向に持って行くつもりはなかったので軌道修正します。(笑)
それでも、日本程、多くの国や資本家から影響や圧力を受けている国はない、と言っても過言ではありません。何と言っても「スパイ防止法」すらないのですから、無防備の極みです。
では、解決策が全くないのかと言うと、そんな事はないのです。そもそも資金と技術力があり、生産の為の有形資産、人的資産を十二分に持つ国が、アメリカなどとは基本的に違う、言わば良性のデフレを克服出来ない筈がありません。それが出来ないのは、陰謀でないとすれば、政治の無策以外の何ものでもないのです。
ところで、今日の先生方も忘れている事があります。グローバリゼーションの弊害です。世界が垣根をなくし、考え方が近くなればなるほど価値の均一化が進みます。貿易や現地生産で先進国の商品が市場に溢れると賃金の平準化も促進されるのです。
つまり途上国が先進国からの直接、あるいは間接投資で発展し給与水準が上がるのに反比例して先進国の給与水準は下がります。なぜなら発展途上国で生産した製品が、国内生産の同じ製品より価格アドバンテージがあるのは当然だからです。
それを矯正するには賃金を抑え商品価格を下げるしかありません。日本は幾度となく円高の試練に晒され、合理化や賃金を抑える事で克服して来ましたが、それも限界に近づいています。いや、限界を超えたかもしれません。
しかもその途上国のアドバンテージが、直接投資によるものだけでなく、フェアとは言えない方法による、技術流出に由来するものの比率が大きいすれば、先進国のグローバル化メリットは限りなく失われます。解決策?世界との関わりを限定的にするしかありません。
安倍さんが、政権を取り返したあかつきに画期的な脱デフレ策を打ち出したとしても、外需依存を続ける限り円高が是正される事はなく、その効果は限定的と言わざるを得ないのです。
日本のような外貨をたんまり持つ、技術先進国の成長エンジンは内需にこそあります。有効需要を喚起する国内への投資の促進が資金の流れを円滑にし、安定的な成長軌道を確保するのです。
すなわち、民間投資が活発でない時期には政府主導の公共投資しかありません。明日の日本の為のインフラを再整備しましょう。やる事は沢山ありますよ〜。
すみません。竜頭蛇尾で、当たり前の話をしてしまいました。(笑)
(やっぱ、リニアモーターカー網でしょう。)
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コメント
> 言い尽くされた「デフレの正体」
・・・ロサンゼルスの或る地域での普通のケーブルテレビ(一番安い契約)ではFCIモーニングニュース(日、月から週末まで朝7:00~8:00フジテレビ系)で毎日ニュース主体で放送を流しています。で、本日の朝・石破さん・千石さん・なんたら経済評論家が今後のデフレ対策とかを論議していました、石破さんは一応それらしく発言(正統保守派自民っぽく、総裁選の敗北は置いといて)しておりましたが、仙石さんは意味不明の発言に終始。。。
まあ、デフレの原因は・・・3)政府や日銀に、解決する気がない。+解決する程の知識と責任感がない+A国の背後の国際金融機関の脅しがあると推測致します。
・・・兎に角、日本政府は日銀に指導して(金を刷らせて?)災害復旧国債とかリニア新幹線整備とか海上自衛(竹島・尖閣国土防衛の姿勢を我が国の内外に向けての意思表示)・とかで、内需経済のV字回復に集中するべきです。
投稿: Carly | 2012年10月 1日 (月) 08時11分