今、日本に必要なのは、大きい政府(?)小さい政府(?)[後編]
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昨日の続きです。よく日本では「日本のような先進国は、もう経済成長しない」あるいは低成長に甘んじなければならない、というような事が言われますが、どうも違和感があります。ちょっと自惚れが強すぎやしませんか。
成長しない理由は飽和状態となった需要が、大きくは見込めないと言うのですが、人類、いや日本人は、既に目標とする生活環境を手に入れたのでしょうか。筆者にはとてもそうは思えないのです。そもそも目標があるのかさえ疑問です。(笑)
(未だ下山するには早いのです。登りきっていませんから〜/笑)
よ〜く目を見開いて周りを見て下さい。鳥のように俯瞰で見ても、大地に這いつくばって人の目線で眺めても、醜い光景しか目に入って来ないのです。電信柱や張り巡らされた汚い電線、大半は美しいとは言い難いちゃちな住宅デザイン、街に行ってもコンクリートジャングルにガラスのタワーは未来的かもしれませんが、人がいなければ死の世界です。いかにも殺伐としています。
(夜景は美しいが、人がいなければ地球の藤壷でしかありません)
これが人類が目指した景観の最終形だとすれば寂しい限りです。人類の能力のなさを呪うしかありません。さらに地球と共存とは言い難い自然破壊や天然資源の爆食いの現状を見て、これでいい訳がないのです。発展途上国の急成長を見れば、最早ファイナルカウントダウンしか聞こえて来ません。(笑)
早く地球と共存とまでは言わないまでも、妥協出来るところまでは行かなければ人類に明日がない事は自明です。残された時間は決して多くはないのです。
何が言いたいのかと言いますと、人類はまだまだ発展途上だという事です。いえ、永遠の発展途上と言っても差し支えないのではないでしょうか。少なくとも地球と共存出来る最低ラインまでは、必至になって達しなければならないのです。
そう考えた時に、自然災害に対する備えは当然としても、国がやらなければならない事は膨大にある筈です。街や住環境を全く変えてしまう事業に、どのくらいの資金が必要なのか見当もつきませんが、今レベルの公共投資では、全く足りないのは明らかです。
つまり、10年間で200兆円の「国土強靭化」レベルでは全く追いつきません。これは最低限の、人間を守るの為の計画であって、自然との共存までは望めないのです。これとは別に、日本ならば年にGDPの10%(50兆円)くらいの、自然と折り合いをつける為の公共投資はして欲しいのです。
ところが、どうでしょう。小泉構造改革や民主党の欺瞞「コンクリートから人へ」などにより、ゼネコンは半減しています。恐ろしい事に、ここは既に供給不足に陥っているのです。肝心要の産業の供給減、これこそが、日本人が本当に恐れなければならない事ではないでしょうか。
従って、いきなり50兆円もの事業は、現実的には不可能という事になります。10兆円くらいから密度濃くやって行き、最終的には50兆円、あるいはそれ以上の工事が可能なレベルに持って行くシナリオが必要です。
ついでに述べますが、小泉竹中構造改革が破壊して来た事は計り知れません。規制緩和や市場原理主義を取り入れた事で日本の生産の為のファンダメンタルズ、供給の為の資源、生産要素は少なからず打撃を受けてしまったのです。
それが意味する事は、企業が安心して投資をし、生産活動をする場がこの日本からどんどん消えているという事です。人的、資本的、有形資産的、あるいは法整備的にも、決して内需の為の日本企業の側に立った行政が行われているとは言い難いのです。
これは明らかにグローバリズムや、新自由主義を標榜する新古典派経済学の悪影響を受けている事になります。多国籍企業が世界を舞台に自由気ままに動き回る事は出来ても、その国に住む住民を守る手だてが消えて行くのです。
その結果として、ニッサンやソニーなどに見られるように日本企業のコーポレートガバナンスさえ、社員より経営者、株主優先へと変化し、日本企業の優れた資質が失われていきます。
つまり、TPP にしても、現在の世界の趨勢は国際金融が支配する多国籍企業主導の秩序が構築されようとしているのですが、これらの企業の視界には利益追求しか映っていません。国や地球がどうなろうが一企業には関係ないのです。それが新自由主義、グローバリズムの正体である新世界秩序(NEW WORLD ORDER)です。
「自分はコスモポリタンだから関係ないね。それでもいいんじゃね。」というノー天気な人は仕方ありません。(笑)しかし、大半の日本人は自分たちの文化や慣習、民族としてのアイデンティティ、言わば精神文化も含めた生活環境を守りたいのではないでしょうか。
幸いな事に、この国には土木建築関係を除けば未だ十分な供給力があります。すなわち、公共投資に投下した資本が乗数効果となって活きる土壌(有効需要)が政策次第で豊かに広がり得るのです。
それによって拡大したGDP から還元される資金を有効に使い、企業が安心して投資出来る環境を整える、つまり、税制や法整備も含め、構造改革前の日本に戻す事が急務なのですが、次期自民党政権に、そこまでの覚悟があるのかが問われます。まさかマニフェストで、「これまでの政策は間違いだったから、昔に戻らせてくれ」とは口が裂けても言えないでしょう。(笑)
いずれにしても、もし、本気でこの国と地球を守るつもりなら、大きな政府、強い政府主導でやらなければならない事は山のようにある筈です。今なら未だ間に合うかもしれません。日本が雛形となり、世界を変えて行こうではありませんか。
悪い癖で、また竜頭蛇尾に加えて大上段に構えてしまいました。大風呂敷野郎と笑ってやって下さい。(笑)
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コメント
釈迦に説法なんてとんでもありません。
あの鉄塔倒壊が、工作員の破壊活動かどうかは、それほど深くは考えていませんでした。なにしろ情報が遮断されて、この倒壊自体が流されていませんでしたから。
ところで、ハエがうるさかったのですが、TT氏のコメントで、その工作活動に、とどめがさせたようです。深く感謝もうしあげます。
投稿: 左近尉 | 2012年11月28日 (水) 10時42分