重商主義から新自由主義への流れ
当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。
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月曜テレ朝の「ビートたけしのTVタックル」ではTPP も話題になり、現時点で内容の詳細が分かっていないのに、選挙の争点にするのはおかしいという意見で一致していました。
(政治経済ものの番組としては、異例に長寿)
と言う事は、国益に添うものかどうかが分かっていないのにも関わらず、参加表明している党は意味不明という事になります。民主党やみんなの党です。日本維新の会も、石原さんとくっつく前は参加前提でした。
一方の反対している側には、明確な反対の根拠があるようです。例えば農業関係や貿易には直接関係ありませんが、医療関係も危機感を抱いています。それは単に利己的なものでなく、国民全体の不利益になる事を危惧しているからですが、何でもかんでもオープンにすればいいというものではないのです。
男女の中だって、少し秘密がある方が長持ちしたりするのではないでしょうか。あっ、これは聞いた話です。(笑)勿論、筆者には秘密などある筈もありません。フルオープンの歩くTPP と呼ばれているくらいです。
冗談はともかく、EPA やFTA もよく考えてみると分かり難い協定と言えます。二国間や数カ国でのブロック経済ですから、WTO の精神に反するのではないでしょうか。それをするならいっその事、地球全体で採用した方が余程すっきりします。
いずれにしても、経済最強の日本だけは、どの協定にも参加する意味はなさそうです。つまり、つまはじきされた方が、全ての協定に参加するよりもメリットが大きいのです。経団連の米倉会長、わかるかなあ〜。わかんねえだろな〜。(笑)
分かり易く言えば、ブロック経済の場合、どれを選んだとしても総合力で勝る国に対して、まともな協定にはなりようがないのです。政治家が自国民に対して、トータルでマイナスになる協定を説得出来る筈がありません。
相手の弱いところをこじ開けて、自国の強いところは何とかして非関税障壁を設けようとするのは明らかです。従ってフェアで政治力の極端に弱い日本がメリットを受ける可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
という事はTPP にせよ日中韓FTA にせよ、EUとのFTA にせよ、自動車輸出がこれ以上増やせる余地がある訳もなく、反対に農業他、競争力の弱い産業は非常な苦戦を強いられる事は明白です。
逆に、いかなる協定にも参加しない場合はどうでしょうか。参加しないからと言ってペナルティが課せられるとは思えません。さらにこれまでと何が変わるかと言っても、大きく変わるところがあるとも思えないのです。
貿易摩擦や円高で、とっくに輸出が激減した自動車は現地生産化が国内生産をはるかに上回る規模で進んでいるし、電機はアジアの安売り国が世界を席巻しており、元々僅かなものでした。
輸出の大半を占める日本の優秀な資本財や生産財はと言えば、これがなければ生産さえおぼつかない水平分業の企業が増えている世界の状況を見れば、増えはしても減る事は考え難いのです。
輸入に関して言えば、エネルギー系の大半は今話題に上っている、いくつかのブロック経済とは関係ないところから買っているし、自国製品の逆輸入品も影響は受けません。
基本、輸入の場合は関税が高かろうが低かろうが売りたい国は売りたい訳です。それをわざわざ下げて自国産業を不利にする意味はありません。それにコモディティで言えば、世界から、どうしても買わなければならないものがあるとも思えないのです。
そう考えた時に、日本の方からそういう協定に対して擦り寄る意味など全くない事に気がつきます。世界がつまはじき出来る程、日本の産業は弱くないのです。従って様子を見ながら、最後の最後に決断すればいいのではないでしょうか。
ところで、よく分からないのですが、アダムスミスの時代から、自国産業が有利になる政策は欧米列強が採用して来ました。いわゆる重商主義と言われるやり方です。
強い産業には関税をかけず、弱い産業は手厚く保護するのですが、相手国に対しては軍事力をちらつかせてでもフルオープンを要求するやり方です。日本もこれで泣かされました。
それが今になり、なぜ重商主義を引っ込め、例外なき関税撤廃の自由主義を広めようとするのでしょうか。どうも解せないのです。隣の韓国も、ちょっと前までは極端な重商主義を採っていました。日本車などは100%もの関税だったのです。さらにウォン安誘導は日常茶飯事で、官民一体で貿易を促進して来ました。
それがなぜ、今になって重商主義から、真逆のFTA を推進するのか、さっぱり分かりません。今流行の新自由主義へと宗旨替えでもしたのでしょうか。どう考えても電機、自動車以外に売るものがない韓国にメリットはなく、国力は徐々に損なわれて行くのは自明です。
それとも国ごと電機と自動車産業に特化するのでしょうか。リカードやスミスが何をイメージしたのかは知る由もありませんが、自由貿易の究極の姿はそこにあります。比較優位で世界中が得意産業に特化するのです。
ならば、世界中が得意産業に特化して、競争相手が殆どいなくなるのを座して待つのが得策と言えない事もないのではないでしょうか。(笑)
いずれにしても人事ながら、実験的試みとしては興味深いので、じっくり見てみたいです。日本は、韓国などの結果を見てから考えればいいのではないでしょうか。それからでも遅くはないし、それ以外の選択もある訳ですから、焦る必要など全くありません。
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コメント
私は、9.11はアメリカの自作自演だッ!とか、3.11は地震兵機だッ!という陰謀論は、何のためにそんな嘘を広めているのかと思います。
しかし
福一の原発事故の原因が千年に一度の津波ではなく、震度6弱の弱い揺れで何本も倒れた、外部電源の引き込み高圧鉄塔にあることが、国会で追及されても、テレビでは何も話題にならないこととか、
ガン保険が日本に入って来たとき日本の生保で販売出来なかったのは、米政府が、此れはアメリカの特許だ、といって脅しをかけ、日本では特許とならないのに、それを認めてしまったことが公になるのを恐れて、役所がテレビに頼んで、それは言わないお約束になっている事のほうが、背筋が凍るほど恐怖を感じています。
だから、TPPなぞ結んだら、ヤクザと無能政府によって何をされるか分かったモンじゃない。
投稿: 八目山人 | 2012年11月29日 (木) 09時14分
そんな恐ろしい人達が、何をやっても不思議はありません。
現に原爆を2発も落としたではないですか。
私は全ての可能性を排除しない考え方です。
この世は、知らない事や、分からない事が多過ぎます。
投稿: 田中 徹 | 2012年11月29日 (木) 16時47分