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2012年11月13日 (火)

先進国病について考える

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当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。

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平成24年7~9月期の実質国内総生産(GDP)が3四半期ぶりのマイナス成長(年率-3.5%)に転落したのは、輸出や個人消費の落ち込みが大きい。先行きも海外経済の大幅な回復が見込めないことに加え、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中関係悪化の影響も懸念される。景気がさらに下ぶれすれば、日本経済が景気後退局面から抜け出せなくなる恐れもある。(産経新聞)

なんて愚かなんでしょうか。こういう、ちんまりした記事を見る度にがっかりするのですが、なぜ日本程の国がそういう事にならなければならないのか、よ〜〜く考えてみましょう。

外的要因によって輸出が減る事は多々あります。それがGDPの減少に繋がるリスクも外需依存策を採る限り避けられません。では、外需依存を改めればいいのではないでしょうか。それだけの事のような気がするのですが、それでは気がすまない人は多いようです。(笑)

内需だけでは発展しないと思い込んでいるからなのですが、それは本当でしょうか。結構高名で尊敬出来る、マクロ経済に造詣の深い学者でも、内需の振るわない先進国は高成長しないと信じ込んでいる人がいます。そこに筆者は、非常に引っかかるのです。

まず、不景気の原因ですが、色々ある中でも一番は給料の減少である事は確かではないでしょうか。ピーク時から平均で100万円も減っているのですから、内需が潤う筈がないのです。では、どうすれば給料が上がるのでしょうか。そこを逆算して考えます。

給料を増やすには、会社の売り上げを増やすしかありません。ところがおかしな事に売り上げ自体は減っていないのです。大企業はむしろ増えていたりします。利益も出ています。その証拠に内部留保が過去最大規模に積み上がっているではありませんか。

自動車で言っても、リーマンショックまでは確実に増えていました。しかし給料は上がっていません。おっかしいですねえ。(笑)

調べてみると、日本メーカーの生産台数の合計は今年2500万台(予想)にもなります。ところがピーク時との比較で国内生産が900万台と、500万台弱も減っているのです。社員数が減っていないとすれば国内の生産性がメチャクチャ落ちた事になります。と言う事は、実は、派遣や臨時社員の増減で調整しているのです。。

一方、海外生産はピーク時との比較で400万台も増えているのですから、その差は歴然です。という事は、メーカー単位での売り上げ(連結決算)は減りませんが、国内で働く人達の取り分は減って当然ではないでしょうか。しかもこの傾向は、今後増々強くなりますから、給料がもっと減るか、社員が転職するしかなくなります。最悪です。(笑)

円高→生産拠点の海外移転→国内空洞化→給与減→デフレ→価値の凝縮→円高 この循環がある限り、世界の平準化が進み、円高の流れは止まりません。円の価値は上がっても生活は豊かにならないのです。これが先進国病でしょうか。

では、思い切って外需依存をやめましょう。(笑)それが簡単に出来れば苦労はしないのですが、いずれ、そういう流れにしないと日本は沈没してしまいます。いつかは思い切った施策が必要なのです。

その為にも大きな中央集権の政府は不可欠なのですが、道州制や地方分権をマニフェストにして、逆をやろうという人が後を絶ちません。(笑)とんでもない話ではないでしょうか。沈没の前に空中分解してしまいます。

話は前後しますが、「先に述べた先進国は高成長しない」という経済専門家は、なぜそう信じ込んでいるのでしょうか。ある専門家は、需要の問題だと言います。例えばヨーロッパの場合、「ロンドンにリージェントストリートというカーブした通りがあるが、これは400年も前から変わっていない」あるいは、「パリの町並みは何百年も変わらないどころか、保存しようとしている」のですから変わる筈がないのです。

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つまり、既に発展が行き着くところまで行って、これ以上は必要ない、後は維持するのみだと思えば現状維持は出来ても、経済成長は限りなく難しい事になります。従って、地震も台風もないヨーロッパなら、その専門家の言う事も分からないでもないのです。

ところが日本の場合はそうは行きません。地震や津波もあれば台風も来ます。落雷でも毎年のように犠牲者が出、最近では竜巻まで起こるようになりました。自然災害の総合商社のような国です。(笑)

それにプラスして、そこに住む国民は好奇心が旺盛で、どこかの会社でもありませんが「改善」が大好きと来ています。そういう意味では、決して保守的ではないのです。

つまり、災害に備えたインフラ再整備や製品のモデルチェンジなどのニーズは必ずあるという事になります。しかも地球の未来を考えた時に、現状維持でやって行ける筈はありません。大きく改革して自然と共生する持続可能な社会を作って行かなければ人類の未来がない事は明らかではないでしょうか。

つまり、潜在需要はもの凄くあるのです。これまでの投資が上品に見えるくらい莫大な費用を必要とする需要は、そこら中にごろごろ転がっています。見えないだけです。(笑)

その経済専門家は、バカな専門家が需要よりも供給サイドを問題視するのが間違いだと言っていましたが、実は両方とも無限にあるのです。資金も需要と、それに見合った供給さえあれば何とでもなります。

問題は「想像力の欠如」です。そりゃあそうです。誰かが未来の方向性、イメージを示さなければ、動きようがありませんし、モチベーションも湧きません。つまり、民間に出来る事には限界があるという事なのです。

新自由主義とか言いながら、特定の大資本に好き勝手させていたのでは、富の偏在、格差が大きくなるだけです。その結果は、金持ちが後ろ向きな欲望の下、世界全体の進化を抑え込みます。皆が豊かで賢明になると、自分たちの取り分が減るからです。

それを防ぐ為にも人類は正常進化をしなければなりません。大きくて強大な中央集権政府が主導して、未来に対するダイナミックで夢に満ちたスケッチを描く、そのスケッチを実現させる為には、勿論民間の技術と供給力が必要である事は言うまでもありません。

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超大型公共投資を主体とした需要と、夢を実現させる為の供給、無限でない筈がないのです。先進国では需要がないから経済成長しないなどと言うのは、自らの想像力のなさを暴露しているようなものではないでしょうか。

日本は、あの程度で進化をストップさせてしまい、先進国病に陥っているヨーロッパやアメリカの真似をする必要はありません。世界の雛形として、地球と共生する生活モデルを提案し作り上げる事が、我々日本人に課せられた永遠の使命なのです。

ちょっと大風呂敷広げました。(笑)

 

 

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コメント

>我々日本人に課せられた永遠の使命なのです。
>永遠の使命
明るく、前向きで、いい響きですね~
貴ブログを読ませて頂くと、頭がスッキリして、元気が出てきます。

投稿: ファンです | 2012年11月13日 (火) 17時24分

いつも有り難うございます。そういっていただくとブロガー冥利に尽きます。日本の未来を信じて頑張りましょう。

投稿: 田中 徹 | 2012年11月13日 (火) 17時28分

> ・・・先進国病に陥っているヨーロッパやアメリカの真似をする必要はありません。世界の雛形として、地球と共生する生活モデルを提案し作り上げる事が、我々日本人に課せられた永遠の使命なのです。

・・・そうそう 現状の眠巣政権は価値創造力は見事に皆無。
”脱独立国日本コンセプトの友愛で隙さえあれば上下朝鮮・支那へ大盤振る舞い” おまけにA国の背後の国際金融機関には財務省ともどもにしっかりと奴隷状態。竹島・尖閣とられっぱなしで東北はみごろし。。。

21世紀の日本は福沢諭吉の”脱亜入欧”からも離脱し・・・世界の雛形として、地球と共生する生活モデルを提案し作り上げる事が、我々日本人に課せられた永遠の使命なのです(ここは徹さんの発信)・・・既存(浮世離れの眠巣の首相3人)の経済発展・国土防衛の方法論では対処が不可能・・・安倍さんの基本政治コンセプトを与党野党で援護する事によってしか漂流する日本国を救うことは出来ない様です。
石原さ~ん、その辺の事情を理解して真正日本の構築に協力して下さいね~、保守勢力は分断分裂せずに救国政権の樹立へ向かって援護をお願いしますよ。

投稿: AZ生 | 2012年11月14日 (水) 18時09分

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