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2013年1月 8日 (火)

深慮遠謀か小細工か、あるいは権謀術数(?)

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当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。

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安倍内閣、動きがいいですねえ。経済だけでなく外交や国内問題、例えば不法在留外国人に対する処置、その他に対してもフットワークがいいようです。逆に動いていた民主党とは全く違うと言わざるを得ません。やはり真に日本の為を考えている政権は違います。基本的に安心して見ていられるというのは、精神衛生上好ましいです。(^_^)

一見おやっ、と見える動きにも、表面から見え難い深慮遠謀があるのではないでしょうか。基本姿勢がぶれていないところから、それは窺えます。例えば経済関係の専門家を多用していますが、基本を京大の藤井教授やイェール大、濱田教授、あるいは本田静岡大教授らのリフレ派が押さえている事から考えると、どうも口封じと言うか、敵に回さない為の囲い込み的な意味合いを感じるのです。

TVで、反対意見や嘘八百を並べて政府批判をされるのを抑えると思えば納得出来るのですが、竹中さんあたりの、最近妙に自民党の政策に肯定的なところからも、それは窺えます。

2041996_3   (「巳年は商売繁盛の年でもあり、経済再生に向けたロケットスタートを切りたい!」と決意表明した安倍首相/愛国画報 from LA さんより画像拝借)

ところで経済政策の3本の矢「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」ですが、3番目の成長戦略にはひっかかるのです。ここにはどういう深慮遠謀があるのでしょうか。

昨日のブログにも書きましたが、民間企業は皆必死です。必死になって高付加価値化や効率化に臨んでいるのです。つまり、既にギリギリの状態まで自らを追い込んで切磋琢磨をしている訳です。

その企業に対して、もっと成長戦略を考えろというのは酷ではないでしょうか。出すものも出さないで、要求だけがきついのでは持ちません。従って、ここだけはタイムラグが必要なのです。飴と鞭なら飴が先だろうという事です。

甘い飴の財政出動と金融緩和が十分に実施されて、デフレギャップが解消されてからでないと、また失速しかねません。デフレ解消が急務であれば、成長戦略はずっと後の話なのです。

ところがTVなどに出ている、エコノミストや経済学者は皆、これが「金融緩和」「財政出動」の条件だ、的な事を言います。さらにその中身は、イノベーションや新産業などと言い出す始末ですから、どこまで妄想が逞しい人達なのでしょうか。(笑)ただの無い物ねだりにしか聞こえません。

この人達は本当にデフレの意味、あるいはマクロ経済が分かっているのでしょうか。さらに、財政出動は政府負債を増やすから問題があると言う見解が多いのには首を捻らざるを得ません。そういうデタラメだけは言って欲しくないのです。

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デタラメと言えば、昨日のテレ朝、「Qさま」で露骨な反日プロパガンダをやっていました。この番組は要注意です。問題の中で国の借金が多い順に並べていましたが、そもそも国と言っても政府なのか民間も含めての国なのか、あるいは借金と言っても内債なのか外債なのか、さらに自国通貨立てなのか外貨建てなのかによって全く数字や意味が違って来ます。

もっと言えば、純債務なのか、単なるグロスの債務なのかで全く深刻さも違うというのに、取りあえず大きなな数字を並べて、日本が借金の多い国という間違った印象を視聴者に与えるのは大問題です。

パッと見た感じでは1位の米は15兆ドルですから純債務の数字のようでした。日本の13兆ドルはグロスの数字で、有形資産も含めたネット(正味)では黒字です。ですから、米との同列比較自体が間違いという事になります。

さらに、その表を関係ないシーンでも画面に出して来たり、サブリミナルだか何だか知りませんが、小汚い小細工を弄していました。どこの国の人間が作った番組なのでしょうか。あまりの気持ち悪さに吐き気さえもよおしました。(笑)

余りに腹が立って横道にそれましたが、(笑)安倍さんの言っている財政出動は、まず市場で建設国債などを売り資金調達します。それだけだと従来と同じで政府債務が増えますから、一旦市場に出た国債を日銀に買いオペで引き受けさせようと言うのです。

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   (建設国債の日銀直接引き受けと言った覚えはありません)

このやり方だと従来方式と違って、民間企業に直接資金が回る+それと同額の資金が金融機関に戻る+日銀の当座預金口座に国債購入と同額の資金が振り込まれる、という事で公共事業に対する直接投資だけでなく、間接的にも設備投資資金を潤沢に用意するという深慮遠謀があるのです。

しかも建設国債発行額と同額の日銀による買いオペで実質的な債務は増えません。なんて素晴らしい経済対策でしょうか。問題は日銀が、政府の意図を理解し、遅滞なく、しかも適切に業務を遂行するかです。

適切にと言ったのは、日銀は買いオペの場合、当たり障りのない短期国債を買う事が多いからですが、この場合、金利の高い長期国債を買い入れる事にこそ意味があります。

このやり方なら日頃から金融緩和は効果がないと言っている人にも理解してもらえるのではないでしょうか。えっあまいって(??)そうかあ。彼らはそこまで柔軟でないからこそ、根拠のない持論を展開するのかも知れません。(笑)

そもそもですよ。そこまで量的緩和無効論を信じるならば、750兆円にものぼる国債発行残高を、日銀が順次、全額買い取って償却してしまう財政再建実施を訴えるべきではないでしょうか。

2010111900003_1 (バーナンキの背理法/貨幣は、ほかの政府債務とちがい、利子の支払いも満期もない。通貨当局は貨幣をすきなだけ発行することができる。だから、もし本当に物価水準が貨幣の発行と関係なければ、通貨当局は、財や資産を無制限に得るために貨幣をつくってつかえることになる。これはあきらかに均衡しない。そういうわけで、たとい名目利子率の下限がゼロであっても、貨幣の発行は物価水準をひきあげるはずである。)

効果がないと言うなら、逆にそれで問題がない事になります。金利(?)上がる筈がありません。大量の資金が金融機関に廻れば、お金でジャブジャブになりますから、低い金利がもっと下がる筈です。国債の信任がどうのこうのという事もなくなるし、胡散臭い格付けからも逃れられます。いい事尽くめです。(^_^)

このやり方と、政府紙幣の発行と、どちらが効果的かの検証をすればいいのではないでしょうか。減税+政府紙幣というのもありです。

どちらを採っても問題はインフレだけでしょう(?)ならば段階的に日銀が引き受けて行く、あるいは政府紙幣を発行して行く過程で、塩梅良くコントロールすればいいだけです。それが出来ないのなら中央銀行の存在価値がありません。

ねっ。(笑)いかに我々日本人は、いかがわしくもバカバカしい事で悩まされているかが分かるでしょう。消費税増税なんて、正に愚の骨頂です。しかし、そのいかがわしい事を日本に仕掛けている連中こそ深慮遠謀、いや、「権謀術数」に長けているのかも知れません。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

内国債のデフォルトなんていくらでもありますよ。
1813年デンマーク 39%減額
1850年メキシコ 60%減額
1917~1918ロシア 債務返済拒絶・あらゆる金を没収
1790年アメリカ 10年繰り延べ
1873年アメリカ 10州でデフォルト 50年かけて返済
1933年アメリカ パナマへの金約款を破棄
1932年イギリス 戦時国債を終身年金に統合
・・・「国家は破綻する」184p~189p日経BP社より
まだまだありますよ。
 

一番有名なのには
1923年ドイツの1兆倍のハイパーインフレがあります。フランスでも300%インフレでした。
結局シャハト経済相が不動産を担保とするレンテンマルクの発行で終息させしました。
”塩梅良くコントロール”なんて空想ですよ。
日本でも江戸時代・藩札の濫発によるハイパーインフレは多数に上っています。
 
田中さんのいうことが正しいなら
「フリーランチは無い」という経済原則に反しますから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E5%AE%9A%E7%90%86
田中さんの方が「背理法」に引っかかってしまいますよ。

投稿: 柳生大佐 | 2013年1月 8日 (火) 16時38分

田中さんのいうことが正しいなら
「フリーランチは無い」という経済原則に反しますから

・・・まま、保守同士での言い合いはホドホドにしましょうか。兎に角日本だけデフレから脱却出来ないのは癪ですよね。瞬間風速的な「フリーランチ」も有りかもしれません、リポビタンD的な手当として。。。

投稿: Carly | 2013年1月 8日 (火) 19時50分

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