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2013年1月 9日 (水)

そう簡単に物価が上がるとは思えない。。

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当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。

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安倍政権は、今年度の補正予算案を国と地方の負担をあわせた事業費ベースで13.1兆円とする方針を固めた。新年度に実施する事業なども含めた緊急経済対策は、総額20兆円規模とする方針だ。8日には安倍晋三首相が経済政策の「司令塔」と位置づける「日本経済再生本部」の初会合が開かれ、緊急経済対策が議論された。(朝日新聞デジタル)

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アベノミクス、凄い効果です。TVをつければ必ずと言っていい程、各局共アベノミクスで今年はどうなる、インフレターゲットは物価のみを上げるのではないか、あるいは公共投資は効果があるのか、等々、侃々諤々とやっています。

専門家だけでなく街の声も様々です。民主党の時にはなかった活気ある現象ではないでしょうか。そりゃあそうです。何もしなかったのですから議論のしようがありません。まあ、政治主導と言いながら、実力もやる気も伴わず、本当に無責任にやっていたのでしょう。返す返すももったいない3年余でした。

しかし、インフレターゲットと聞いただけで、まず2%の物価上昇ありきという声が多いのは納得出来ません。なぜそういう事になるのでしょうか。首相がインフレターゲットと宣言しただけでインフレになるなら、滅多な事は言えない事になります。
今日は、その物価上昇のメカニズムについて、素人ながら考えてみたいと思います。

20130107j03w280 (日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会が7日発表した2012年の新車販売台数は、前年比27.5%増の536万9721台と、2年ぶりに前年実績を上回った。東日本大震災の影響で販売が大きく落ち込んだ11年の反動に加え、エコカー補助金効果もあり、4年ぶりに500万台を超えた。リーマン・ショック前の07年(535万台)も上回った。/時事ドットコム) [エコカー補助金は続けるべきです。クルマは基幹産業ですから、ここを起爆剤としたいところ]

今は金融緩和期待から円安になり、円安が輸出産業の業績を押し上げるという事で輸出産業中心に株価が上がっていると思われますが、輸出産業以外も引っ張られているのでしょうか。全般的に高い印象です。これまでが低過ぎた反動でしょう。

しかし、円安がいつまでも続く筈もなく、いつかは頭打ちになります。1ドル90〜100の間くらいが当面の最安値ではないでしょうか。不安定な相手(ドル)があるので全く不確実ではありますが、その辺りと見ているエコノミストは多いようです。確かに、ここまで来れば輸出産業は軒並み業績の上方修正をしなければなりません。嬉しい悲鳴というやつです。

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(リーマンショック前の1万8千円くらいまでは回復しなければ本物とは言えない)

一方の日経平均株価ですが、ドル円相場が当面の最安値をつけたあたりで止まってしまうのでしょうか。筆者はアナリストでもエコノミストでもないので、専門的な事は分かりませんが、そのあたりで次のエンジンが必要と思われます。株価をさらに押し上げる好要因です。

さすがに、ここまで来れば実体経済がある程度良くなっていないと厳しいかもしれません。投機的な動きに関してはよく分かりませんが、堅実な投資をしようという投資家にとっては、期待値だけで動く訳にはいかないのです。

ところで忘れてはいけない経済再生の、もう一つの大きな要素は地べたでしょう。要するに資産デフレが解消に向かい始める事は大きなきっかけになり得ます。日本にとって、参考になるかどうかは分かりませんが、リーマンショック後の中国の場合、50兆円を超す金融緩和の資金は毀損した輸出産業へは向かわず、不動産と株に向かいました。

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その結果はバブルを大きく醸成してしまいましたが、一人好景気に湧いたのです。つまり、世界で唯一大きな落ち込みがなく、あるいは落ち込んでいないと錯覚され(?)低迷する世界を下支えする形になりました。日本なども、駆け込み寺的に中国に向かう企業は多かったのです。

つまり、日銀が本格的に買いオペでも何でもいいのです。中国のように50兆円とまでは言いませんが、取りあえず20〜30兆円くらいの資金を市場に供給すれば、少しは資産デフレ解消にも貢献するのではないでしょうか。

軽くバブッた形で株と不動産価格の両輪が上がってくれば、全盛期から見て半減している住宅着工数も増えて来る事は自明です。来年の消費増税を睨めばなおさらです。

さらに金融緩和でダブついた資金を貸す側にしても、銀行は所詮担保が頼りです。不動産価格が上がり、2%のインフレ期待があれば、不動産の査定額が上がるのも当然の成り行きではないでしょうか。

つまり、給料の上昇の前に、株価、不動産の含み資産が増え、担保の評価額が上がる事で、より多くの借金が出来るという事は、民間の購買力が増えている事を意味するのです。消費マインドも自然に上向きます。

そうなると必然的にものが売れ始めます。供給側もそれに対応しなければなりません。臨時雇いにせよ雇用が増え、残業や出張手当なども増えて行きます。給料は未だ増えていませんが、国民全体の所得は確実に増えるのです。

つまり、国民の側に購買力が出来て、ものを買い始めない事には物価だって上がり様がありません。しかしながら、そこまでの過程を踏んで物価が緩やかに上がり始めたとしても、デフレギャップの解消までは程遠いのではないでしょうか。

恐らくですが、クルマや電気製品などの耐久消費財、あるいは一部の量産コモディティに関しては、すぐにでも増産が可能ですから、上がるにしても一番最後になります。つまり庶民の生活は、この段階でも物価上昇の直撃は受けません。

まず上がり始めるのが輸入依存産業が供給するもの、電気料金始め公共料金という事になります。食料も多少は影響を受けるでしょう。その後、ずっと遅れて消費財に来ますが、その頃には所得がかなり増えているので、インフレの実感はないのではないでしょうか。

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(首都高速道路山手トンネルの大橋JCT~西新宿JCT間/高速道路の地下化が進む。どんどんやるべし)

さらに、その頃は大型の公共投資が実施され、実弾が飛び交ってますから増々所得が上がって行きます。この辺りで好循環に入るのではないでしょうか。ただ、そこまで行っても、インフレになるかどうかは分かりません。日本企業が怒濤の供給力で大増産している筈ですから、そう簡単にインフレになるとは思えないのです。

正しいかどうかは分かりませんが、アベノミクスが順調に行けば、そういうシナリオになるような気がします。(^_^)
グズグズ言っている人は多いようですが、様子見ましょうよ。結果はすぐに出ますから。。

 

 

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コメント

日本の内需はデフレにより長らく影を潜めていましたがアベノミクスで火が着きそうな勢いは感じられます。湿気た薪がブスブスと水蒸気を出している感じでしょうか。ここから火をおこすには酸素を送らねばならず扇ぐ役目は国民にあり、それは参院選でしょうか。

火が着けば日本は必ず内需拡大するでしょう。なんといっても日本国民は金を払って対価を得るという資本主義で当たり前の前提がDNAに染み付いてますカラー。韓国がどうして有史以来内需がグダグダなのかといえばこの辺が全くもって。。。。他国の話はやめておきます。

あとはメディアが。。。 他国の話はやめておきますw

投稿: blue | 2013年1月 9日 (水) 11時35分

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