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昨日は大変驚きました。何と削除して失われた筈の記事「あなたならどうする?」が出て来たのです。読者の方が保存してくれていました。さらに、その後、他の読者の方によってグーグルのキャッシュにも全てが残されていた事が判明しました。。。なるほど、そういう事なのか。。(笑)正月早々、縁起がいいです。
さて、今日は筆者のデモ友から送られて来た賀状(メール)を紹介致します。
帝国海軍がB29迎撃用に試作した戦闘機『震電』。
プロペラが機体後部に取り付けられた非常に斬新な戦闘機でした。
一説にはジェットエンジンを搭載する計画もあったとか。
持てる技術と知恵を振り絞ってライバルを凌ぐ高性能を目指し、世界に先駆けて前翼式の実用化(欧米各国は断念)を果たした『震電』。
CADも無く劣悪な環境下でも、基礎研究終了からわずか2年足らずで飛行させてしまう(手書き図面は6000枚とか)僕らの先輩。
同じモノづくりに携わる者として、その特異なシルエットと共に深く深く心に刻まれているエピソードです。
話転じて、戦後。
航空自衛隊のアクロバットチーム『ブルーインパルス』。
1960年の結成当初、彼らが使用した機体はアメリカ製戦闘機F86でした(その後81年まで使用。その後は国産機)。
子供心に“何故アメリカの飛行機なんだろう”とぼんやり思いはしたものの、その現実を受け入れてしまっていた事を思い出します。
でも、もし戦後日本が“普通の国”であったならもっともっと早く国産機化していたはず。
今年のイラストはそんな“if”でもあり、何よりも私の“wish”である“普通の国、日本”のアクロバットチームの姿と幻のジェット戦闘機『震電・改』をオーバーラップさせて見ました。
情報が乏しい試作機故、手元にあるプロペラ仕様のラフな三面図を基に作成。
ジェット機化以外に、先輩に無断で手を入れたのは外板の継ぎ目と機首5センチを今風にした程度です。
カラーリングはF86時代と最新のブルーインパルスのいいとこどり。結構似合っているでしょう?(本人の解説/現役の某自動車会社デザイナー)
よく「日本人にはオリジナリティがないとか、DNAに創造的なものが欠如している」などと言う人がいますが、そういう人は無知か反日家です。(笑)日本は技術も文化もオリジナリティに満ちています。
今日は、その技術の話です。
昨日の朝、テレ朝で「朝まで生テレビ」をやっていましたが、余りにつまらない内容だったので2時半に切り上げて寝ました。面白ければ5時半の終了まで見てもいいかな、と思っていただけに、がっかり度が分かるというものです。
出演者のレベルも自民党議員以外は首をひねるのですが、一点だけ、金融緩和をすべきと言う点で、相変わらず突っ張り屋の藻谷さんと変な外国人以外、一致していたのは大いなる進歩ではないでしょうか。
しかし、司会が賞味期限切れなのはいただけません。全く何も分かっていないのです。技術力を含む国のポテンシャルの話で「なぜ日本は世界一から二十何位まで落ちたのだ」とわめきます。
あり得ない。(笑)そんないかがわしい数字自体何の意味もありません。筆者は「ウリナラマンセー」が好きではありませんが、経験学的に言っても、技術で日本の右に出る国があるとは思えないのです。
参考資料
http://jcnet-mixx.com/2012/12/japan/
技術的に優位にあるがために世界からの内政干渉や、技術漏洩等の問題が尽きません。その点で世界に大きく裏貢献している事は確かです。特に周辺国は、そのメリットを合法的、あるいは非合法を含め、如何なく受けているのです。
例えば、技術貿易収支で見ても日本は90年代中盤から黒字に転じ、約2兆円の黒字を生む今は、米と並ぶ技術輸出大国です。技術輸出を技術輸入で割った技術貿易倍率でもOECD 加盟国で25カ国中ダントツの一位を維持します。参考までに言えば、あの強大な、日本のマスコミが絶賛するサムスンを擁する韓国は25位の最下位というのは興味深い事実ではあります。
1位 日本(4.60)、2位がノルウェー(2.07)、3位がスウェーデン(1.98)、4位がイギリス(1.81)、5位がオーストリア(1.57)、6位が米国(1.46)、7位がドイツ(1.21)
そんな国(日本)の経済が普通に機能していて、おかしくなる筈がありません。それには色々な外的、内的阻害要因があるに決まっているのです。いいか悪いかはともかく、このグローバル化、情報化の時代に、技術でトップの国は非常に有利な立場に立てます。
つまり、誰かさんではありませんが、本来、液晶ディスプレイにしてもカメラにしても、一位以外は全く問題外なのです。特許の壁がありますから製品さえ作れません。従って貿易収支で圧倒する事になります。その結果は為替のスタビライザー機能が働き円高になりますが、競争相手がいませんから勝ち続けます。
円高効果で輸入にもコストがかからなくなりますから、その国は強大化して行く訳です。それは逆に世界中に貿易赤字国を作る事になります。常識的に考えて、それを好ましく思わない国がいない訳がありません。よってたかって妨害したり、技術を盗みに来ます。
なぜか周辺国から、日本の産業を倣ったかのように同じ業種の製品が、ある日突然洪水のように湧いて来るのは、特許侵害を含む技術漏洩以外の何ものでもないのです。但し、そこだけを見ても判断を誤ります。
日本の凄いところは最終的な製品クオリティだけではありません。一番の強みは国内垂直統合型を形成する産業の裾野にあります。つまり、最終製品を支える要素技術、素材技術の裾野が大きく広がり、メーカーとコラボの形で日夜サポートしているのです。
電機でも自動車でも、ここが完璧にあるのは世界広しと言えども日本だけです。目を米に転じて、アップルなどが IT の分野で派手に世界を席巻していますが、それを支えるのも部品の30%以上を占める日本製高機能部品だったりします。
つまり、米にしろ、韓国、中国、台湾にしろ、世界から広く部品や素材を求める水平分業型の産業モデルの国は、日本の高性能な生産財、資本財がないと成立すらしません。日本の輸出の80%を生産財や資本財が占める所以です。
一方、自動車などの耐久消費財は、円高や貿易摩擦から生産拠点を世界に移していますから輸出はそう多くはありません。その結果、世界に進出した日本企業の売上はフランス一国のGDP にも匹敵する200兆円にも上ります。
アジアだけで約100兆円ですから、どれだけ日本企業がアジアの発展に貢献しているかが分かります。日本の資本と技術で供給力を創出し、莫大な米(家庭)の借金で消費する経済モデルがリーマンショックまでは続きました。
従って、米やEU のバブルが崩壊し、これ以上の借金が出来なくなった今は、日本と中国が、これらの消費の肩代わりをするしかないのです。因果な話ではないでしょうか。このグローバリゼーションによる弊害が最も強く出ているのが、金余りで技術大国の日本という訳です。
(環境、省エネで世界を圧倒する日本の技術、トヨタは次世代ハイブリッドカー技術をBMW に供与するという/つい数年前までは、次世代はハイブリッドよりディーゼルだと言っていたのがドイツ自動車産業)
こういう事実を知れば、自ずと日本のやるべき事、向かうべき方向が見えて来る筈です。にも拘らず、相変わらず「日本は既に韓国や中国より劣勢にある。」あるいは「財政赤字がネックになり経済が衰退しつつある」「勢いのあるアジアに取り残される」などと寝言を言うのは、単に自分の無知をさらけ出しているだけなのです。
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コメント
> 相変わらず「日本は既に韓国や中国より劣勢にある。」あるいは「財政赤字がネックになり経済が衰退しつつある」「勢いのあるアジアに取り残される」などと寝言を言うのは、単に自分の無知をさらけ出しているだけなのです。ものを知らないにも程があります。
・・・韓国は散々日本に頼った(ミンス等の嘘つき政党とか技術・資本・インチキマスコミ)あげく、政治的に(A国にもC国にも見放され、NK国に近い動き)も産業構造的(寒損とか現代だけの一本足打法)にも既に破綻しています(IMFに2度程救済されている、やっかいな国です)表面に出て来ないのは、大手マスコミとか電痛が(K国に)買収されているからです。
最後のあがきが「勢いのあるアジアに取り残される」などとの寝言なのでしょう。
投稿: AZ生 | 2013年1月 2日 (水) 17時35分
>田中さん
「技術でトップの国は非常に有利な立場」とは限らないのですよ。
歴史的にも
カルタゴは操船技術でローマに勝っていましたが、第一次ポエニ戦役では海戦でローマ海軍に大敗しました。
第二次ポエニ戦役では名将ハンニバルが半月陣を駆使してローマ軍を緒線にては打ち破りましたが、ローマの名将スキピオはハンニバルにの戦法をソックリ真似してザマの会戦でハンニバルを打ち破りカルタゴを滅亡させております。
ベトナム戦争でも
米軍の小銃M60はベトコンのソ連製AK47に性能では勝っていましたが、ジャングル戦では故障が多く最終的には共産側の方が勝利しました。
旧日本軍の最終兵器:震電はたしかに素晴らしいのですが、勝利したのは米国の方でした。
ゼロ戦が登場した時、ゼロ戦はたしかに世界最強だったのですが、1000馬力程度で防御力が劣っていたのです。
そこで米軍は2000馬力のP-38やP-51を投入してドッグファイトが得意なゼロ戦に対抗させて一撃離脱の戦法で最終的に勝利しています。
この差は
「ORオペレーションリサーチ」なのです。
”勝利するためにあらゆる合理的なシステムを構築すること”
という意味です。
田中さん
当時の日本軍が決定的に欠けていたものがこれでしたが、現在のあなたに欠けているのもこれですよ。
投稿: 柳生大佐 | 2013年1月 3日 (木) 17時25分
柳生大佐さん、確かにおっしゃる通りです。技術で勝っても勝負で負けたのでは何にもなりません。
だからこそ、合理的かどうかはともかく、勝てる手段、あるいは勝ち負けでなく国益を守る方法を考えようというのが当ブログの主旨でもあります。
日本や私に欠けているものが多いからこそ、日本人の英知を結集して、守るべきものは守ろうと言っているのです。(^_^)
それと、誤解があるようですが、今の日本は相対的に見て、決して悲観すべき状況ではありませんよ。
投稿: 田中 徹 | 2013年1月 3日 (木) 17時42分
>田中さん
良く聞いてください。
旧ソ連では住宅用のエレベーターにも「階数ボタンを押す公務員」が居ました。
つまり
1日500円の価値も無い仕事に1日1万円もの給料を支払っていたのです。
全部が全部ではないのですが、このような仕事が多かったので・・・
結局ソ連は19991年に崩壊しました。
田中さん
安倍内閣がやろうとしている200兆円もの財政出動による公共工事も同じようなものです。
付加価値を産まない仕事に税金を投じても政府債務が積み上がるだけです。
私は印刷とかの仕事をしてきて 一応現在は出版社の社長をしておりますが・・・
高度経済成長の時代は東北自動車道などの高速道路を作って人件費が安い東北や北海道で東京の印刷物を印刷しましたから、地方に仕事が出来たりして付加価値が生まれました。
しかし現在では
東南アジアなどの技術が進歩して、ロットがある(印刷量が多い)仕事は海外に出てしまいますから、いくら公共工事で高速道路を作っても景気回復には役に立たないのです。
それに
50年代の米国の製造業の全就業者に占める割合は40%もありましたが
80年代のレーガン政権時代は20%にまで低下しております。
現在はもっと低下しておりましょう。
つまり
製造業の時代はとっくに終わっているのです。
現在 元気がある企業は
googleとか MSとか フェイスブックとか・・・
いわゆる「暇つぶし産業」(サーヴィス業)です。
いくら日本の製造業が世界一の技術を誇っても、就業人口の80%近くを占めるサーヴィス業にイノベーションを興させなければ、決して日本経済の回復は無いということです。
投稿: 柳生大佐 | 2013年1月 3日 (木) 18時23分
柳生大佐さん、ブログ見せていただきました。
大変絵がうまいですね。グラフィック関係もお仕事の一部なのでしょうか。感心しました。私も絵を描きますが、クルマを中心とする工業デザインなので、絵が硬いんです。
ご高説に関しては、私の考えとは正反対なようで戸惑っています。自動車の世界にいて、いやという程日本のアドバンテージを知っているからです。実際に質量共にライバル国を圧倒しています。
もしお時間が許すならば、もう少し当ブログ(過去記事)を読んでいただけないでしょうか。私の言いたい事を、もう少し理解されてから話をしたいと思います。お互い保守なので、理解し合えると思います。
投稿: 田中 徹 | 2013年1月 3日 (木) 18時37分
>田中さん
私も田中さんに好感は持っております。冷静にご対処いただきありがとうございます。
ただ私は田中さんと違って現在の日本の状況は大変に悲観すべきだと思っております。
そこで
失礼ながら以下の3つの質問を田中さんにいたしたいと思います。
一 明治憲法(大日本帝国憲法)には現代の日本人には当然あると思われる官職が記載されておりません。
当然 現日本国憲法にはあります。
それは何でしょうか?
二 明治憲法下では天皇に全部の権利が集中しているのですが、ただ一つ”欠けている権利”があります。(現日本国憲法にはちゃんとありますが・・・)
それは何でしょうか?
三 アメリカ憲法の本文には日本人が考えて当然記載されているはずの権利が記載されておりません。(「アメリカ憲法修正条項(権利の章典)」には記載されておりますが・・・)
それは”何の権利”でしょうか?
・・・以上 3つの質問にお答えください。
たぶん・・・田中さんは1つも答えられないと思いますが、その場合は私の主張通り「日本の将来は暗い」とお認めください。
平均的日本人である田中さんが政治問題にまったく疎(うと)いことが証明されるのですからね。
また
もし 1つでもお答えできますれば・・・
「日本もそれほど悲観的ではない・・・」と私の方が謝罪申し上げましょう。
投稿: 柳生大佐 | 2013年1月 3日 (木) 19時28分
>田中さん
申し訳ありませんが・・・もう1つ質問させてください。
四 現日本国憲法の中心(一番大事な条項)とは何条でしょうか?
投稿: 柳生大佐 | 2013年1月 3日 (木) 19時43分
震電はテスト飛行の映像が奇跡的に残ってますね。
http://www.youtube.com/watch?v=GDhwLLllf6c
SF的スタイルがカッコイイです。
超資材不足の中、同時期にジェット攻撃機「橘花」もテスト飛行までやってます。
当時のジェットエンジンのうちの1基は誕生地であるIHIに展示されてます。
そんなIHIも今や「5~7年あれば戦闘機用も作れる」と言ってるのに米国に邪魔されてるようです。
「F2の時も我々はエンジンを開発できると手を挙げたが、それは認められなかった。
米国側から『日本は戦闘機向けエンジンが作れないではないか』と押し切られ、結局は共同開発になったのです。」
http://blogs.yahoo.co.jp/midway_naval_battle/7168443.html
投稿: RA273 | 2013年1月 5日 (土) 19時44分
ブログ主さん、「柳生大佐」で検索してみてください。
この人はあちこちで迷惑者として扱われています。
相手にするだけ時間の無駄です。
投稿: 通りすがり | 2013年1月14日 (月) 21時11分
通りすがりさん。有り難うございます。
第一、質問が難しすぎて私には答える事が出来ません。
相手にしてもらえない方が私ですから。。(笑)
投稿: 田中 徹 | 2013年1月14日 (月) 22時11分