全てを見届けるには人生は短すぎる
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今日は自動車ネタです。
2012年の日本車生産台数が発表されました。世界全体で2600万台、国内生産990万台(内輸出480万台)海外生産が1600万台です。世界生産台数が8400万台(推定)程度なのでシェア30%台は維持しているようです。
これは2位グループの米やドイツの約倍の数字です。日本ブランドはドイツに並ぶ高級ブランドとして世界で確立しており、安売りでこの数を達成している訳ではありません。
その点、日本の製造業は落ち目だと、自虐的に思っている皆さん、安心して下さい。基幹産業である自動車は未だ健在で世界に君臨しています。トップは勿論トヨタで1000万台には届かなかったものの、限りなく1000万台に近い数字(974万台/過去最高)を叩き出しました。
さらにエコカーの分野ではハイブリッドカーがトヨタだけで年間120万台に達し他を圧倒しています。今後ますますハイブリッドカーの販売台数は伸びますから、日本車の優位性は揺るがないどころか、ますます引き離すのではないでしょうか。
ところで、その盤石にも見えるハイブリッドカーの優位性ですが、今年特許切れを迎えます。さあ、これからが勝負ですが、ドイツ辺りが日本車の牙城を脅かすようになるのでしょうか。興味深いところです。
ともあれ、アナログ時代とは違って、今の車はセンサーやマイコンの塊です。代表的電子部品であるECU(電子制御ユニット)などはブラックボックス化し、簡単には解析出来ません。従って慌てる必要はないのですが、各社の真の力が試されます。家電製品のように、部品を買って来て組み立てれば恰好がつくという世界ではないのです。
品質が命の日本メーカーは、あくまでも国内垂直統合型、オールジャパンにこだわります。その為もあり、つい先頃業績が悪化した半導体大手、ルネサスエレクトロニクスを官民で買収する計画を固めました。買収金額は2000億円です。すんでのところで、米のファンドに買収されるところだったのです。
内訳は産業革新機構が1500億円強を投じ、トヨタ自動車やパナソニックなど約10社も計500億円弱を出資して、車や家電製品の性能を左右するマイコンを安定調達するという訳です。
さて、そこで唐突ですが(笑)各国のHV(ハイブリッドカー)やEV (電気自動車)の実力はどうなっているでしょうか。代表的な例を出して比較してみたいと思います。
日本からはクラウンハイブリッド、ドイツからはアウディA6ハイブリッドとBMWのアクティブハイブリッド5です。この3台は車両寸法がほぼ同じで、アッパーミドルクラスのラグジュアリーセダンという、カテゴリー的にも近いと言えます。
各国と言いましたが、よく考えると、米のボルトは存在感が限りなく薄いし、商品としての完成度は低いと言わざるを得ません。他の国には「なんちゃって」しか見当たらないので、結局まともなのは日独だけという事になります。EV にしても、まともな量産車は日本(ニッサン、三菱)にしかありませんから比較のしようがないのです。
勿論 HV 元祖プリウスなどは、リッター30キロを超えるダントツの世界をひた走っているので、これと競合出来るHV 車は今現在世界に見当たりません。パラレル&スプリットタイプとしては完成の域に達しています。
後は電池の高性能化を待つだけですが、数年後には東工大と共同開発している、今の数倍の性能を持つ二次電池が登場すると言いますから、何とも頼もしい限りではないでしょうか。
では、お待たせしました。HV 比較を始めましょう。
アウディ A6 ハイブリッド(FF)
・エンジン 直4、2リッターターボ 211ps
・モーター 40kw(54ps)システム合計 245ps
・燃費 13.8km/l
・車両重量 1850kg(+40kg/同クラスガソリン車に対して))
・車両価格 690万円
BMW アクティブハイブリッド5(FR)
・エンジン V6、 3リッター 306ps
・モーター 40kw(55ps)システム合計 340ps
・燃費 13.6km/l
・車両重量 1980kg(+140kg/同クラスガソリン車に対して))
・車両価格 850万円
クラウン・ロイヤル・ハイブリッド
・エンジン 直4、 2.5リッター 178ps
・モーター 105kw(143ps)システム合計 220ps
・燃費 23.2km/l
・車両重量 1630kg(+90kg/同クラスガソリン車に対して)
・車両価格 410万円〜
勿論ドイツ車に関しては輸入車という事もあり価格面でのハンデはありますが、クラウンは驚異的に安いです。BMW の半分、アウディの60%というのは何ものにも代え難いものがあります。
さらに、燃費(いずれも JC08 モード)が圧倒的に違います。これでは勝負になりません。しかもクラウンは他の2台と違って、レギュラーガソリン仕様なのです。
動力性能が違うのではないかと言われるかも知れませんが、馬力あたり重量で言えばアウディ7.5に対し、クラウンの7.4で同等です。BMW は5.8と別格ですが、これは走りを重視したモデルという事もあり、価格がその分高くなっています。
いずれにしても馬力あたり重量、7台というのは一昔前なら立派なスポーツカーの数値です。軽量化というのが、車にとって、いかに重要かという事が分かります。
デザインに関しては好みの分かれるところでしょうが、ハイブリッド システムのみを比べると、日本車に対し、ドイツは約5年の遅れと言えます。丁度クラウンの1ジェネレーション前が燃費14km/l でしたから、5年かけて60%の燃費アップを達成した訳です。
これはモーター出力の差が大きいのですが、無理なくEV モード走行が出来る点と、モーターへの電力供給システムの違いが大きいのではないでしょうか。因にクラウンだけがニッケル水素で、他はリチウムイオン電池を搭載しています。価格にも影響している事は言うまでもありません。
それにしても、これだけの差を挽回するのは並大抵ではないでしょう。日本車もさらに進化するからですが、トヨタだけでなく、今年ホンダから出て来るハイブリッドシリーズも凄いという噂です。
モーター数の違いで用途の違うシステム、3タイプが用意されますが、特にNSX やレジェンドに採用される3モーターでの4輪駆動システム(SH-AWD)はハイテクの塊だと言います。ゾクゾクするような話ではないでしょうか。
長生きしなければ損をするのです。(笑)
(1000万円は超すだろうと言われているNSX 今年発売か?)
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