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2013年2月24日 (日)

グローバリゼーションという名の幻想を追う人達

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当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。

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「竹島の日」式典 閣僚出席見送り 最大限配慮も韓国に通じず

安倍晋三政権は22日、政府主催「竹島の日」記念式典の開催を見送り、領土問題担当の島尻安伊子(あいこ)内閣府政務官を島根県主催の式典に派遣した。閣僚の出席を見送ったのは、韓国による同県・竹島の不法占拠を容認しないとのメッセージを発信しつつ、25日の朴槿恵次期大統領の就任式に配慮したためだ。しかし、韓国側の反発は強く、日本側の「最大限の配慮」(石破茂自民党幹事長)は通じなかった。(産経新聞)

G20130222ddd1900163g3000000 (民主党議員も参加した式典 小泉議員はパパに似て保守のパフォーマンスが好きなようです。)

保守派の一部には、この対応を不十分とする向きもあるようで、筆者なども最初は選挙前に言っている事と違うと非難しましたが、過去最高の国会議員19人の出席は、新政権の姿勢として一応の評価が出来るのではないでしょうか。

なぜなら来年の式典への安倍総理出席の布石が打てたからです。ステップ バイ ステップでプレッシャーをかける方が、いきなりド〜ンといって大騒ぎになるより賢明かもしれません。

こういうやり方で徐々にプレスを強め、日本はそういう国だと思わせた方が得策ではないでしょうか。新大統領は対抗措置をとると言っていますが、結局日本への依存度が高い韓国に出来る事は限られます。

中国の場合も同じで、民主党時代のようにビビりながらの対応は足下を見られるだけです。日本は経済で相手国の金○○を掴んでいるのですから(失礼)慌てる必要はありません。(笑)

さて、国内経済、外交面では着実に成果を上げつつある安倍政権ですが、TPP に関しては雲行きが怪しくなって来ました。米での会見では、交渉参加に前向きなような印象を受けたのですが、話が違うのではないかしらん。

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(どうも、臆する事なく楽しそうなのが気になりますが、これで、やっぱりTPP 参加交渉は国内の反対が多いからや〜めた。と言えば大したものです。/笑)

正直、ちょっと戸惑っています。未だ結論を出すには時期尚早かと思われますが、自民党に投げられたボールの行方を見守りたいと思います。

そもそも日本政府が要望する6つの例外項目さえクリア出来ればいいという時点でピントがずれています。そういう問題に矮小化してはいけないのです。その6項目が除外されたからと言って、日本のメリットが増える訳では決してないのです。デメリットが少し減る可能性があるという程度ではないでしょうか。

問題は関税よりも、個々の企業の権限が拡大される事にあります。その国の法律よりも優先度が高い包括的な経済協定とは一体なんでしょうか。それは実質的な合併、あるいは力関係によっては属国化を意味します。

そりゃあそうでしょう。法律の壁がないのであれば、国境の意味もなくなります。つまり、消費者に対する多国籍企業のやりたい放題が許されるのです。しかも、その経済活動の中で企業が損害を被った場合は相手国政府を訴える事が出来るのですから何をか言わんやです。

その裁判も米の息のかかった世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」で行われます。最初から日本全敗は目に見えるようです。例えば非関税障壁として軽自動車が訴えられたとしましょう。その規格に合う車を持たない米車の進出の妨げになる事は明らかです。

裁判では当然日本側が負けますから、罰金を払った上で軽規格も廃止に追い込まれるでしょう。これは冗談ではないのです。NAFTA でもカナダやメキシコが ISD 条項で訴えられ賠償金を払いました。

ではなぜカナダやメキシコが、そんなリスクのある協定を結んだかと言えば、元々、貿易強国でない彼らにとっては輸出増というメリットがあったからです。さらに、米に実質的に併呑される事は経済弱国である彼らに取って決して悪い事ではないのです。

ところが元々技術大国、貿易強国で米から散々利益をあげている日本にとっては、今以上のメリットは望むべくもありません。つまり日本にとってのTPP とは、うるさいジャイアンとのお付き合いでしかないのです。

よく賛成派に、日本人にとって商品の選択肢が増えるメリットがある、あるいは関係深化でウィンウィンの関係が築ければよい、などと言う人がいますが、とんだ勘違いと言わざるを得ません。

既に日本は十分に門戸を開放していますから、世界中の商品がその気になれば買えます。勿論ものによっては高関税により、高く買わなければいけないというデメリットはありますが、それは日本固有の文化や食習慣、安全性、伝統を守ると思えば決して高い買い物ではないのです。

そんなものはどうでもいい。安く買えさえすればいいというのでは話になりません。そういう人は恐らく日本人ではないので、アメリカへでもどこへでも行ってもらえばいいのです。日本が住み易くなります。

現実問題として、日本に住み、周りを優秀な日本製の商品やサービスに囲まれていて、どうしても欲しいものが海外にあるでしょうか。筆者に言わせれば、一部、地域特産品やマニアックなものを除けば、そんなものはありません。

Photo  (キャビアなどの日本でとれないものは、輸入すればいいのです。)

工業製品の優秀性は今更言うに及ばず、世界中のおいしい料理は、より美味しく食べられるし、各種サービス業のもてなしも世界一です。付加価値創造に関しては、紛れもない世界一の国にいて、世界から買うものは限られるのです。

という事は、いくら日本が輸出を伸ばしたとしても、ウィンウィンの関係に見合うだけの輸入増の可能性がない事になります。しかし、それでは相手国が納得しません。その結果は、また摩擦の原因となり、何らかの譲歩を引き出される事になりかねないのです。

グローバリゼーションの幻想を追う人が言っている事は、そういう現実的なところを見ない、単なる無い物ねだりでしかないと思うのですが、違うでしょうか。

 

 

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コメント

> グローバリゼーションの幻想を追う人は、そういう現実的なところを見ない、単なる無い物ねだりでしかないと思うのですが、違うでしょうか。

・・・違いません。但し日常生活圏の中で暮らす一般人に対して無い物ねだり的イメージ作りを消費者に与えて、ビジネスをひねり出す大本が日本の民間では電通等の宣伝業界であり、巧妙に人々を洗脳してクライアントから金をもらう事がその役割なのでしょう。
では、宣伝業界は全て悪なのかと言うと微妙です。民間の各種産業を活発化させ、消費者のライフスタイルを豊かに展開する本来の役割も担っているからです。
・・・日本国内の宣伝業界から発信された新聞テレビ等のマスコミの巨大な害毒としては、潜在敵国政府・民間企業・宗教団体からの商談も受けますから、平気で反日洗脳情報を日常的に切れ目なく垂れ流し続けています。で、KYを嫌う羊の様な大人しい所謂B層大衆が日本のあるべき方向性をも見失う事になったのが3年前のミンス政権をゆるしてしまったのでしょう。しかし我が日本の人々は急速に目覚めつつあるのが現状なので、一安心したいのですが、西や東のジャイアン国は伸び太日本を貢君としてタカル癖が続くでしょう。この半年1年が大きな峠であり、太平洋戦争直前(TPPってハル・ノートに匹敵する山場)とか・関ヶ原に匹敵する山場と認識しています。

・・・グローバリゼーションという名の幻想を追う団体・国家

①国際金融機関・・・ユダヤ金融・銀行・・・そのずーっと下の手下がすみともの眉毛が長いモンサントの番頭

②中共・・・・一種のグローバリゼーション国家、世界中を中華勢力で支配する遠大なコンセプト。日本をチベット・モンゴル並みの手下にする国是。


投稿: 心配性君 | 2013年2月24日 (日) 02時20分

こんにちは。

TPPについて、私は安倍総理は交渉参加するつもりだろうと感じています。

というのも、なにぶん前政権の無能兄弟が散々と口だけ番長のパフォーマンスをやらかしてくれたので、交渉参加しないとなったら、民主党政権と自民党政権で米国政府が比較することになります。
誰でもそうですが、自分達に都合の良い存在を高く評価し、自分達に従順ならざる存在は疎ましく思うものですから、その地雷だけは踏みたくないというのが安倍総理の本音だと思います。

願わくば米国側から「ノーサンキュー」を言ってもらいたいわけですが、その布石を打つために、今回、関税自主権の保守を主張し、オバマから合意に近い言葉を引き出したのだと思います。

では、なぜ関税自主権の保守なのかと言いますと、それはカナダの存在にあります。カナダのTPP推進派は、日本への農作物輸出が我々の最もおいしい“ご褒美”だという旨のロビーを行っており、農業大国でもあるカナダのTPP反対派を納得させようとしています。

しかし、関税自主権を日本が死守したら、話は変わります。

まず、カナダからノーサンキューされ、メキシコからもノーサンキューされる可能性が高いと思います。

そうなれば、「日本のせいでTPPがポシャった」ということにはなりません。

また、米国産牛肉の輸入規制緩和を日本が行ったことにより、TPPの急先鋒カーク代表の思惑である、カークの地元の牛肉輸出拡大という「目的」をまず一つクリアしましたから、カークの日本に対してTPPを強硬に迫る理由が一つ消えました。おそらく、安倍内閣はさらに緩和する用意もあると思いますから、カークにとって悪い話ではありません。

なお、BSEについてですが、私の知る範囲で恐縮ですが、脊椎の部分以外に危険箇所はないそうで、また、脊椎の部分は基本的に食べないそうす。(7〜8年前に肉屋から聞いた話です) その肉屋曰く、日本人のBSEに対する過度のアレルギーは「maid in マスゴミ」でして、正しいことを伝えないから日本人の大半が勘違いしているのだそうです。

遺伝子組み換え農産物も似たようなものでして、厚労省も暫定的に遺伝子組み換え作物が危険だという科学的根拠はないと発表しています。

そのくせ、隣国の危なっかしい汚染食品は、物によっては無検査でわんさか輸入しているわけですから、これは言うなれば「差別」でもあります。(モンサントや住友化学を擁護するつもりは更々ありません。ただ、客観的に見て明らかに差別だと思うだけです)

言い換えると、この差別を「平等」にするだけでも、米国としては大変ありがたいわけで、これでまた一つ、日本にTPPを強要する理由が減ります。

さて、肝心なカナダやメキシコが、日本の関税自主権を巡って日本の参加を認めなかったり、もっと言えば、カナダは“日本だけがTPPのご褒美だ”とまで言った国ですから、場合によってはTPPそのものを蹴っ飛ばす可能性もあります。

安倍総理の狙いは、カナダやメキシコも巻き込んだ「泥試合」に持ち込み、日本だけが悪者にならないようにする、そういう風に見えてなりません。

あくまで「入口」は開けておいて

『みなさんどうぞお入り下さいませ。これから先は「関税自主権」を認めてもらわないとお通しできません。この次は「ISD条項の投資家保護協定なし」を認めてもらわないとお通しできません。この次は…』

といった具合に、「注文の多い料理店」になって、客を自主退散させる戦法にするつもりなのかなぁ、と、私は考えています。

というのも、自民党内でTPPは圧倒的に反対派が多いわけで、最終的には国会で批准しないといけませんから、TPP参加条件の6項目を死守できなければ、どのみち国会でポシャりますから、それを理由に、交渉の場においても6つの条件は参加国に認めてもらうより外ありませんから、結果は「ノーサンキュー」でしょうし、また、そうなったからといって日米関係がぎくしゃくしないような配慮を安倍総理はされていますから、よく考えた戦法だなぁと、関心しております。

というか、オバマは予想以上にオバカでした(笑)

投稿: 硫黄島 | 2013年2月24日 (日) 04時54分

結果は「ノーサンキュー」でしょうし、また、そうなったからといって日米関係がぎくしゃくしないような配慮を安倍総理はされていますから、よく考えた戦法だなぁと、関心しております。

というか、オバマは予想以上にオバカでした(笑)・・・以上” 硫黄島

・・・まあ、オバマさんも安倍さんも前の政権の後始末と将来展開の両方やらなければならないので大変です。特に安倍さんは左翼を騙る中共・上下韓国の家来の日本にいるマスコミとか米政府の後ろにいる国際金融黒幕とも対決しなければならないので(+党内のBKD)四面楚歌+赤壁の戦いx3倍状態・・・みんなで応援しましょう。日本文化を守り将来の世界をけん引しましょう。 それにしても 硫黄島さんの分析は面白い。我が郷は足日木の垂水のほとりさんは深みがあって素晴らしいのですが硫黄島さんも素晴らしいです。
    

投稿: AZ生 | 2013年2月24日 (日) 09時08分

オーストコリアとニュージーランドが参加している限り、農業分野のガチ勝負で勝てる国はないでしょう。既に米国が堪忍してくれと交渉しているから、聖域なきではないことになっているのではないでしょうか。ただ、駄々をこねてでも最終的には自国有利にするのが米のお家芸なので、どうなるかは不明ですが。優位になっても活かせないのがアメリカンスタンダードでもありますね。

仮に交渉参加するなら、食糧安保の点を念頭に置いて交渉して欲しいものです。例えば不作の時でも一定量は輸出しないと罰則を与えるとか。それと、農業保護と農業にブラが我っているダニの既得権とは分けて考えるべきだと思います。

投稿: ASO | 2013年2月24日 (日) 11時31分

コメントを書いていただいている皆さんのリテラシー力には感心します。
大変参考にさせていただいておりますので、今後とも宜しくお願い致します。

投稿: 田中 徹 | 2013年2月24日 (日) 11時48分

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