飛んで懐に入る冬のエイリアン(?)
当ブログは、消費税の増税と、TPP への参加には断固反対です。
ブログランキングに参加しています。
シャープとサムスンの話、真実味を帯びて来ました。シャープはついこの間まで特許紛争で争っていたサムスンから100億円の出資を受け入れるかも知れません。背に腹は代えられないのでしょうか。複雑です。。
その背景にはサムスンが莫大な開発費をかけている有機ELディスプレイの開発に必ずしも上手く行っていないという事情がありそうです。国内ライバルのLG は曲がりなりにも55インチの有機ELディスプレイ(サムスン とは方式が違う)を1万ドル程で既に販売していますから、焦りは相当なものがあるのでしょう。
(LGが苦労して開発した有機ELディスプレイも、新しい材料の出現で先行きは不透明)
東洋紡株が急騰。日経新聞が4日付で「慶応義塾大学の小池康博教授らは、テレビなどの液晶ディスプレーに組み込むだけで、有機ELを超える画質を実現できるフィルムを開発した」と報じ、そのなかで「東洋紡が4月にも、年産能力1万トン規模で量産を始める」と紹介したことが買い材料視された。
報道によると「高価なフィルムを使わないため、今の液晶ディスプレーよりもコストを抑えられる」という。安価な画質向上フィルム量産による業績貢献に期待する買いが向かった。株価は191円で寄り付き、昨年来高値を連日更新した。
(このフィルムの登場で、4Kテレビは有機EL よりもこちらじゃないか?)
サムスンとしては今現在LCDパネル(液晶パネル)の40インチ以上は、裁判の和解条件としてシャープから供給を受けていますから、その分野は、独自では第7世代と第8世代に留まっています。
有機ELディスプレイへの戦略的な技術転換に備え、より大型のマザーガラスを製造する工場への投資は手控えているという事のようです。つまり、60インチ以上の大型ディスプレイを有機ELという、利益率の大きい商品に移行する予定のサムスンは、今さら大型液晶パネルへの投資はやりたくないのです。
そこへ資金不足で喘ぐシャープの登場という訳です。シャープには世界で唯一という第10世代と呼ばれる液晶ディスプレーのマザーガラス製造工場を保有するアドバンテージがあります。
シャープとしては資金調達の他にも40インチ以上の液晶パネルの安定供給先確保という意味があり、サムスンとしては、その分野は安心感のあるシャープに任せ、有機ELディスプレイの開発に投資を集中、専念したいという訳です。
ついでにシャープの技術も、何かにつけて得られるでしょうし、IGZOにも色気があるのではないでしょうか。まあ3%程度の資本出資なら議決権の点でも影響力は軽微だし、シャープとしてはむしろ国内メーカーより組みやすいのかも知れません。
(この人はAKB48 ではありません。金太郎です。念の為/笑)
公式Twitter で「私のことは嫌いになっても…シャープの製品のことは嫌いにならないでください」などとAKB48 風に言っているらしいので、本当らしいというのがネットの大方の見方です。
過去にはソニーが、サムスンとS-LCDを設立したことがありました。現在はソニーが S-LCDを引き上げ、S-LCDは完全にサムスンの子会社となっているようです。いわゆる合併解消ですね。
婚姻関係とは違って、ごく一時的なものかも知れませんから、国内保守派が目くじら立てる程の事はないかも知れません。さて、どうなりますか。成り行きが注目されます。
夏の虫となって火に入り玉砕するか、窮鳥となって漁師の懐で生き延びるのか、あるいはエイリアンのように相手の腹に子を産みつけて・・・どっちがエイリアンやねん。(笑)
蛇足
因に日本のエイリアン白川某に対し、WBS でフェルドマンさんが退職金を受け取る資格がないと言っていました。デフレを長引かせた責任は重いようです。なかなか手厳しい。(笑)
ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを!!
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(後編)(2022.12.12)
- 円安で国が滅ぶと騒ぐ愚かな人達(前編)(2022.12.05)
- いまだによく理解されていないお金の話(2022.06.27)
- これだけ痛めつけられても何も変わらない基本的経済マインド(2022.06.15)
- 近況報告とEV その他(2022.05.19)
コメント
白川さん、役者じゃないんですよね〜。理論はどうあれマーケット
との対話が出来ないお方でした。ところでそろそろ円安に注意した
いレベルが近づいてませんか?行き過ぎた円高の反動ではあります
が行き過ぎた円安にも注意喚起する発言が自民党から出ると経済政策
に安心感が増します。例えば行き過ぎた円安には豊富な外貨準備で対
応可能とかのアナウンス(^^)ヘッジファンドも気をつける事でしょう。
投稿: blue | 2013年3月 8日 (金) 20時50分
カリフォルニア州連邦地裁はアップルの特許を侵害したとして10億5千万ドルの賠償金支払いをサムスンに命じた。
「最先端のIT製品の裁判は時間がかかり、何年もかかって判決が出る頃には当該製品はすでに売り切って膨大な利益を上げている」(産業タイムズ)
サムスンもそれを確信犯的に狙って開発・販売している面もある。どうりでパクリが止まらないわけである。「サムスンが抱えている特許侵害訴訟は4千件近くあり、賠償金総額は営業利益を超えるという」(ITジャーナリスト)
「サムスンは日本人技術者を大量に引き抜いて知識を吸収してはクビにするという戦略を繰り返してきた。日本法人の仕事の大半は最先端の日本製品を分解して部品を調べて本国に送る、という完全なコピー文化です」(業界紙記者)
投稿: うなぎ | 2013年3月 8日 (金) 21時17分
寒損(サムスン)は技術のパクリ源としてシャープの株3%を買ったけれど、新技術の有機ELディスプレイは耐久性がネック。あの会社では新材料の物性ブレイクスルーはムリでしょう。
投稿: 元家電屋 | 2013年3月10日 (日) 01時37分