デフレの方が得をする(?)
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長かった連休も終わり、今日からは仕事です。連休ボケしている人も多いのではないでしょうか。筆者もややブルーな気分ですが、ず〜〜と連休になっても困るので、ない気力をふり絞りたいと思います。(笑)
さて、ブログの方も前回のマンセーシリーズが終わり、何を書こうかと思っていたところ、コメント欄に恰好のテーマが入りました。「GDPが名目で上がったとしても実質が変わらないんじゃ何の意味もないのでは」(?)というものです。
さらに、あくまでも大事なのは実質賃金の伸びで、実質で伸びているのならデフレでも何の問題もないとおっしゃいます。国民が豊かになるのは、実質賃金が伸びてる時だというのは、正にその通りで、何の反論もありません。
確かに、インフレで何かいい事があるかと言われれば、ネガティブな要素の方が多いのではないでしょうか。物価が毎年上がるのでは、生活設計も立て難いというものです。インフレもデフレもない世界がベストである事は言うまでもありません。
ただ、自由主義経済下、それをゼロでコントロールするのは至難の業です。特に日本のような慢性的供給過剰の、前例のない高度先進国においては常にデフレ圧力がかかります。
そこで、まずデフレです。コメントをされた方はデフレのどこが悪いとおっしゃいますが、それは余りにも見方が狭いのではないでしょうか。地球に日本一国だけなら百歩譲って、それでもいいかも知れませんが、貿易相手国がある場合、デフレは非常に厄介なのです。しかも世界中でデフレの国は日本だけと来ています。
デフレという事は、日本製品の価格がどんどん下がって行きますから、相手国がインフレの場合、プラスマイナスで差がとんでもない事になりかねないのです。例えば5年前に同じジャンルの同クラスの商品の価格が同じだったとします。
(トヨタiQベースのアストンマーチン シグネット 何と490万円もする。記事とは関係ありません。)
筆者専門のクルマで恐縮ですが、5年前に100万円で似たような小型のクルマが日米にあったとして、毎年2%づつ下がり続けると、日本では約90万円になります。相手国が2%のインフレなら約110万円になり、その差は20万円にも達するのです。
その場合、性能が同じならユーザーは明らかに90万円の方を買います。それでは相手国が黙っていません。ダンピングだ、などと訴訟でも起こされかねないのです。
そこを調整する機能が為替という訳ですが、相手国の110万円のクルマを基準とすれば90万円のクルマを現地で110万円で売るには20%以上の円高にしなければなりません。
5年前のレートを1ドル100円とすれば、固定相場制なら5年後の今も1ドル当り100円入って来るので10万円儲かる事になります。これが変動相場制において、20%の円高なら1ドル80円になりますから80万円しか入って来ないのです。つまり10万円損をします。
それを取り戻すには10万円の値上げをするか、性能を下げてでもコストを10万円分下げるかという事になります。どちらにしても競争力という点ではマイナスではないでしょうか。
では性能を落さず価格を維持する為に何をするかと言うと、そうです。人件費を減らすしかないのです。そうなったらデフレスパイラルではないでしょうか。この15年間に日本で起きた事は、残念ながら個人所得の減少です。既にスパイラルに入っていると言っても過言ではないのです。
幸い安倍政権に代わった事で流れは変わりましたが、金融緩和に消極的で超円高容認の民主党政権のままであったなら、どうなっていたかと冷や汗が出ます。失業と倒産ラッシュが目前でした。
それでも逆に輸入では、デフレで円高ならものが安く買えるのでメリットがある、輸入を増やせばいいとおっしゃるかも知れません。しかしその場合は、国内産業をどんどん潰してしまう事を覚悟して下さい。
従って、デフレ下で実質賃金が上がるなどという事自体が、現実にはあり得ない事になります。例え、どこかの会社が上がったとしても、もっと下がる会社が発生するだけの事なのです。
(真っ赤なシャクナゲ 花言葉は「威厳」「警戒」「危険」「荘厳」)
それと、誤解があるようですが、貸借対照表では日本の総金融資産5900兆円の反対側に5600兆円の負債がある事を忘れてはいけません。借金というのはゾンビ企業だけがするものではないのです。
デフレは、この負債を相対的に大きくしてしまいます。逆に実質の貯蓄額は膨らむのです。つまり、投資意欲のある前向きな人から、借金がなく貯金があるだけの、経済貢献度の低い人への富の移転が起こるという訳です。泣きっ面に蜂ではないでしょうか。
早い話が国の1000兆円の負債にしてもGDPが名目で倍になれば、実質半分になります。さらに名目でもGDPが増えれば税収も飛躍的に増えますから、プライマリーバランスはどんどん改善されるのです。
アベノミクスで2%のインフレターゲットの狙いというのは、達成されるかどうかはともかく、15年以上も続くデフレ不況から脱却するには、インフレ期待を抱かせる、つまり日銀の強いメッセージとして、デフレを脱却するまでは資金供給を続けるという事にあります。
借金をしても決して損はしないというメッセージを市場に送る事により、民間企業の設備投資を促す事が狙いなのです。マクロ経済の基本ですが、誰かが借金をしない限りマネーストックは増えません。民間がしなければ国がして、民間が積極的にするなら国はしなくてすむ事になります。
素人の拙い解説ではありますが、デフレでは何事も解決しないばかりか、国家が限りなく衰退してしまうという事がお分かりいただるのではないでしょうか。つまり、基本的にはデフレもインフレも感心しませんが、デフレよりインフレの方が100倍ましだという事です。
ハイパーインフレはもっと怖い(?)いえいえ、それは藤巻さんの影響受け過ぎですよ。(笑)
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コメント
売り上げが毎期下降し 返済金は毎期変わらず どれだけハイパーインフレを夢想したことか。
菅直人にとどめを刺されました。
デフレとは そう言うことです。
投稿: 古希のネトウヨ | 2013年5月 7日 (火) 19時15分
本当に、一回ハイパーインフレになってくれ。(笑)中小企業は皆そう思っていますよ。
投稿: 田中 徹 | 2013年5月 7日 (火) 19時17分
こんにちは。
ハイパーインフレを試算しますと、供給力を現状維持として、今年の名目GDPを500兆円と仮定した場合、単純計算すると来年には
名目GDP→6京5000兆円
一般会計(税収)→7000兆円
1000兆円の借金なんか屁でもありませんね。
むしろ、どうやったらこんな数字を叩き出せるのか、その方法を是非とも知りたいものです。
私のない頭では、公共事業に通常価格の200倍の値段を払い、政府調達も全て200倍の値段で強制的に買い取り、年金支給額を200倍にする。
さらには、ヘリコプターマネーで上空から計3京円ぶんほど一万円札をばらまく。
それ以外には考えられません。
というか、政府や財務省や日銀がキングボンビーの逆バージョンにでも突如生まれ変わらない限りは無理だし、そもそも、造幣局が追い付かないと思いますが…。
う〜ん…。しかし、そんなことしたら働くのが馬鹿馬鹿しくなってしまいますね。
日本において、ハイパーインフレは越えられない壁だと思いますけども…。
投稿: 硫黄島 | 2013年5月 7日 (火) 20時03分
バブル崩壊(資産デフレ)でひどい目にあったもの
として、かつて貨幣とは何かを考えたものです。
結論は、貨幣経済はインフレが前提、ということです。
原始的な金融業、質屋は室町時代にはあったそうですが、
貨幣価値が将来上がる(デフレ)なら、質屋は成り立ちません。
質草の価値が将来下がるなら用立てる金数が減るので、
利用者も減る一方でしょう(金融経済の縮小)。
理屈は、金貸しの金融業も同じです。
サプライサイドエコノミクスの典型である計画経済(社会主義)でも、
資本主義でも、金融経済の縮小均衡は国民を不幸にするだけです。
デフレ下の実質GDP上昇は単年度ではありえても、
中期的には不可能で、ご指摘のとおりだと思います。
投稿: edobay | 2013年5月 8日 (水) 08時16分