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2013年5月29日 (水)

山行かば、草むす屍

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----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------

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政府が6月に取りまとめる成長戦略の素案の全容が27日、明らかになった。外国との経済連携を進め、貿易額に占める自由貿易協定(FTA)締結国の比率を現在の19%から2018年に70%に高める。(日本経済新聞)

TPP 交渉参加表明と言い、このFTA 拡大策と言い、また英語教育に熱を入れたりと、どうも訳が分からなくなって来ました。アベノミクスは基本的に内需拡大策かと思っていましたが、そうでもないようです。言わば全方位経済政策とでも言いましょうか。

財界からの要請は分からないでもありませんが、的を絞らないと、「二兎を追うものは一兎も得ず」になりかねません。ここはやはり、内需拡大策に的を絞って邁進すべきではないでしょうか。

幸いスタートは悪くなく、第一の矢の効果は上がって来ています。一時的に長期金利が急上昇したり、株が乱高下する局面はあるでしょうが、長い目で見れば基礎体力のある日本経済故、成長基調は揺るぎません。それを援護射撃する意味でも第二の矢、財政出動を相応の規模でタイミングよく展開しなければならないのです。

ところが、ここからが難しくなりそうです。国内外の抵抗勢力が財政再建を言い出しているからです。財政出動を抑制する財政再建とアベノミクスは短期的には折り合いがつきません。

アベノミクスが効果を上げ、名目で3%の成長軌道に乗れば、自然、財政は改善されて行きます。なぜ、そこまで待てないのでしょうか。政府も、大規模財政出動に対し、ややトーンダウンして来ているのを見ると、最悪の事態もあり得なくはない、と言わざるを得ません。

つまり、日銀の補給ラインが伸びきって、実質成長なく、デフレ脱却出来ず、財政赤字が膨らむという事態に繋がりかねないのです。浜矩子女史が結果的に正しい事になってしまうという、悪夢だけは避けましょうよ。(笑)

ところで、あの池田信夫氏が自身のブログで、アベノミクスを日本軍のインパール作戦になぞらえ、意味不明なことを言っていました。

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   (日本軍の戦車に先導されるインド軍、共に英国軍と戦った)

当時のビルマからインドまで1000km以上も、兵站もなしに「現地調達」で9万人以上の部隊を移動させる作戦は、目的地に到達する前に多くの餓死者を出した。しかし牟田口は親しかった東條首相(兼参謀総長)に判断を求め、東條は「戦いは最後までやってみなければわからぬ」と牟田口を支持した。結果的には、戦死者2万6000人、餓死・病死3万人と戦力の半分以上が失われたが、牟田口は責任を問われず、戦後まで生き延びた。

ここで東條を安倍首相に、牟田口を黒田総裁に置きかえると、今回の「異次元緩和」とそっくりだ。黒田氏が10年以上ジリ貧を続けた金融行政にいらだつ気持ちはわかるが、それは日本経済の戦力が足りないからであって、短期決戦では挽回できない。戦局が手詰まりになるほど、「一発逆転」を主張する攻撃的な将軍が出世するのも日本軍と同じだ。

要するに、戦力(供給力)ないまま、お金だけを刷っている安倍総裁と黒田日銀を、満足な兵站もなくインパール作戦に突進させた東条首相と日本軍参謀にダブらせているという訳です。

ところが、池田氏自身気がついておられないようですが、致命的間違いを犯しています。日本軍には戦力が不足していたかも知れませんが、今の日本には有り余る戦力(供給力)があるのです。

だからこそのデフレであり、内閣府の計算で10兆円を超すデフレギャップが存在する訳です。しかも、不確実性がある潜在分は除いての数字ですから、凄い戦力ではないでしょうか。氏は恐らく技術や産業の現場を知らないと思われます。表面的な数字のみで判断しているのです。

その点、現役で現場にいる筆者などは、日本のアドバンテージをいやという程見て来ました。必然、全く違う結論が導き出されるという訳です。すなわち、十分な兵站を持って望むインパール作戦は、成功する可能性が十分にあるのです。

問題は第二の矢で既にたじろいでいる安倍政権の姿勢と、第三の矢、主に産業競争力会議が提案する成長戦略です。これは物資があるにも関わらず、補給をないがしろにしながら、戦線を世界中に拡大していく状況に似ています。

例えるなら、インパール作戦を世界中で展開しようと言うのですから、頭がおかしいと言わざるを得ません。産業競争力会議とは、旧日本軍の行け行け参謀の生まれ変わりと言えるのではないでしょうか。

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(クモ糸の情報から人工的に再現した遺伝子を特定の微生物に組み込み、培養する、試行錯誤を繰り返し、クモの糸と同じたんぱく質を作る事に成功。鋼鉄より強く、ケプラーよりも柔軟性が高い素材が誕生する。)

二言目には規制緩和や構造改革、イノベーションと言います。マスコミも、これに乗り、第三の矢が一番重要だなどと言い出す始末です。筆者に言わせれば、まるで猿知恵、チャンチャラおかしいという事になります。

これらは主に供給側を刺激するという事が分かっていません。言うなれば、デフレ下でインフレ対策をしている事になります。これでは物価の上昇は期待出来ず、異次元の金融緩和が無駄打ちになりかねないのです。

それにイノベーションと言いますが、何をイメージしているのか分かりません。何か見た事もない、素晴らしい発明や創意工夫を夢見ているのであれば、とんだ思い違いだと言わざるを得ません。

そんな都合のいいものが、突然変異のように降って湧くと思ったら大きな間違いです。それらは、日頃の研究開発作業の積み重ねの延長線にこそあります。日本の企業は、ものが売れないデフレ下、必死の努力をして来ました。その蓄積は他国の追随を許すものではありません。

従って、消費者に購買力さえつけば、爆発するポテンシャルを十二分に持つのです。産業何とか会議の甘言に踊らされず、脇目も振らずに内需拡大策を強行すれば、現代のインパール作戦が勝利に導かれる事は間違いありません。

障害は、政府の迷いやスケベ根性です。悪魔のささやきに耳を貸せば、累々たる屍の山を築く事でしょう。ちょっと危機感感じています。。

 

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

インパール作戦の意義について

・・・数万の旧陸軍軍人の戦死者を出して、チャンドラ・ボーズ(オーディオで有名なBOSE博士の親戚筋の方)率いるインド独立軍とともに英国からの植民地支配からの解放を達成したのは人種差別を廃止する為の”八紘一宇”の精神の発露以外のなにものでもありません。戦は勝ち負けだけではなく、戦の最終目的が達成(この場合、白人支配からの脱出)出来たのですから戦術には敗北でしたが歴史の流れから見れば、日本・インド(東洋有色人種)の勝利と言えるでしょう。英国の新鋭戦艦プリンスオブウェールズ及び重巡ㇾパルスを日本海軍機が瞬く間に撃沈し、チャーチルを1週間鬱病状態にしたりで、白人恐怖症のインド人の多くが”眼から鱗”だった様です。

勝利者が敗者を一方的に裁いた悪名高き東京裁判でのインドのパール判事は”日本の戦争責任に関してはは無罪”を主張していましたよね!池田さーんもっと目線を高くして下さいませ、本質は素晴らしい見識の方なのですから。。。


投稿: 平成神風 | 2013年5月29日 (水) 17時50分

本当にスケベ心たっぷりになってきました。与謝野の名前が出てきたり、「第四の矢」などと調子に乗った怪しい言葉が出てきたり。
私の勝手な想像ですが、やはり政治の世界は計り知れないカラクリがあるようです。
毎日毎日経済がどうたらこうたらと耳にタコの状態ですが、今使われている経済の意味は経世済民から大きく離れてしまい「経済=お金」だけの意味として成り立っているようです。
誰とは言いませんが政治家として一度死んだ方ですので今度こそ!ともろ手を挙げて応援していましたが、最近の立ち回りを見ていると「命が惜しくなった」ようにも感じます。
そうではないことを願ってはおりますが(笑)
チャンドラ・ボーズならず政界は茶坊主ばかり。

投稿: 南国通信 | 2013年5月29日 (水) 21時44分

安倍 WJFプロジェクトで検索。

投稿: | 2013年5月29日 (水) 22時16分

与謝野や芸能人を使うようになってはお終いです。
我々保守も手詰まり感があります。
参院選をどうするか、じっくり考えなければ。。

投稿: 田中 徹 | 2013年5月30日 (木) 01時02分

こんにちは。

インパール作戦は陸軍の悲願でしたから、東條閣下がインパール作戦を肯定なさるのは当然です。池田某氏の物言いにはカチンと来ます。

大東亜戦争の作戦はほとんど海軍が主体でした。予算も陸軍1に対して海軍7くらい開きがありましたから、海軍に引っ張られた形になります。

問題は、海軍の思惑通りにならなかったということで、陸軍は海軍の失策に付き合わされて、サイパンやガダルカナルなどで戦力を消耗した形になります。

これでインド独立の悲願も達成できなければ、陸軍はまさに使い捨てと同じです。陸軍の名誉にかけても、インパール作戦はやらなければならなかったのです。

私は海軍を悪く言うつもりはありません。

しかし、陸軍とてこのまま引き下がるわけにはいかなかった。

『陸軍は何をしていた!』

と後になって言われるくらいなら、いっそ死んででもインパール作戦を実行に移す必要があったわけです。

打算ではありません、名誉のためです。

名誉と言っても、昨今の政治家のような薄っぺらいものではなくて、それこそ、命と引き換えにしてでも守らねばならぬものだったのです。

結果的に、インド義勇軍を丸々温存したお陰で、その後、インドは独立を果たしました。

インパール作戦を安易に引き合いに出して欲しくないですね。しかも、偉大な先人を呼び捨て。池田某氏はNHKの出身だそうですが、なるほど、NHKの体質がよく分かります。

投稿: 硫黄島 | 2013年5月30日 (木) 01時50分

> 与謝野や芸能人を使うようになってはお終いです。

・・・与謝野さんって、消費税大好きの様ですね。本ブログにて再三指摘されている様に、税収は内需拡大によるGDPのUPによる自然増が一番理にかなっています。なので、経済・財務方面の理論も信念も現実を直視する理性も勇気もないこの方は、ミンスが一番お似合い。。。

投稿: AZ生 | 2013年5月30日 (木) 04時03分

インパールも実施があと一年早ければ、
航空戦力が海軍に無理やり南太平洋に引き抜かれる前にやっていれば成功していたかも。

見栄えはきらびやかだが驕慢で無責任な帝国海軍と、池田センセイをはじめとする構造カイカク(笑)派がダブって見えるのは自分だけでしょうか?

投稿: リトル愚礼 | 2013年5月30日 (木) 08時15分

構造カイカク(笑)派ってなんだろう?

・・・拝金権力主義そのものでありましょう。マモン→Mammon・・・「強欲」を司る悪魔に魂を売り払い、自分だけが勝ち組に入ろうとして同胞・他国を含む国家・人類を破滅に導く悪魔の手下。但し自らが洗脳されていることを自覚していないポンスケも含む。1%の権力者が99%の羊の様な大人しいB層を金欲とかインチキ宗教とか共産主義の名を騙る一党独裁政権とかがマスコミを総動員して洗脳・・・日本ではNHK、フジを含むテレビ、大手新聞社は殆どBKD・・・ちょっと隣国へ強い態度を示すと右翼とか侵略国家の再現とか間抜けな事を言うジャーナリスト。隣国を過度に持ち上げる国家は滅びます。歴史が証明しています。

①中共のトップ…毛沢東とかその流れを汲む現在の政府。ただし、中国人の全体を悪く言うつもりは全くありませんが、中華思想・・・いずれ世界全体を支配する国是がある限りは領土問題などは油断してはいけません。

②米国という国家の背後に存在して日本を含む東西の諸国をあやつる多国籍金融機関。ただし、米国人の全体を悪く言うつもりは全くありません。この国もB層だらけ。

③K泉さんとか現せいふにも多大な影響を与えている竹中某等の経済企画を行っている輩。。。

・・・あ、こんな夜中に誰かがドアをノックしている。。。

投稿: 心配性君 | 2013年6月 1日 (土) 05時34分

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