反日テレビと、うまく付き合うには(後編)
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昨日の続きになります。
所詮TVの番組なんてそんなものでしょうが、専門家が見れば笑っちゃうようなものばかりです。NHK が制作すれば、それなりの信憑性があると思って皆さん見られるのでしょうが、誰かさんの代弁をしているに過ぎないという内容に呆れざるを得ません。
まず3Dプリンターの話をしていましたが、世紀の大発明のように扱うのはいかがなものでしょうか。日頃そのあたりを使って試作やモデル作りに関係している筆者にとっては、え〜いつの間に(?)というくらいのものです。
まず基本的なところから説明しますと、3Dプリンターは彫刻で言えば塑像です。粘土でものを作る事をイメージして下さい。ゼロから積み上げます。ただ粘度のように、いきなり全体という訳には行きません。何もないところに薄い断面を積み上げて造形して行くやり方です。
(こういう複雑で有機的なものを作らせると、右に出る機械はないかもしれない)
従って材料を選びます。硬い材料はまず適しません。柔らかめの樹脂が一番適しているのではないでしょうか。さらに製作時間が長いのが欠点です。このように制約が多いので、よっぽどの小物や複雑なもの以外は大量生産に向くとは思えないのです。手法は色々ありますが、光造形や粉体造形がポピュラーです。
3Dプリンターに対し、正反対の方法をとる成形マシンがCNC(コンピュータ数値制御)です。こちらは彫像の考え方、つまり最初に塊としての材料が存在し、それを削っていくやり方です。この場合は材料を選びません。
さらに工作時間が3Dプリンターに比べれば、かなり短いのです。少々値は張りますが、大型のマシンを使えば大きいもの、例えば自動車クラスでさえ削れます。
(最近のアップルの製品(ケース)はCNCフライス加工のジュラルミン製が多い、鋭いエッジが出る。自動車部品の場合は1000分の1ミリ台の精度で削る場合もある。)
とは言っても、両方とも金型を使ったプレスやインジェクション(射出成形)に比べれば量産という点では圧倒的に見劣りします。従って、試作品やマスターモデルの製作、あるいはCNCの場合は金型の成型などが向いていると言えます。
その工作機械のシェアですが、ここも日米独の独壇場に最近中韓台が割り込んで来ています。米は例によって没落し、精度の高いものは日独という事になります。ここも技術流出が止まらないようです。
(ここも日本の守備範囲は広い)
今のところ3Dプリンターに関しては米の独壇場ですが、ファナックを代表とするCNC での日本の存在感は米独以上です。日本の資本財輸出に貢献しています。と言っても、性格上、市場規模がそんなに大きい訳ではありません。工作機械全体で見ても6兆円程(日本のシェア25%)でしょうか。
金型加工で思い出しましたが、日本の金型技術の雄、荻原鉄工所の一工場が中国の自動車メーカーBYDによって2010年4月に買収されました。日本の貴重な技術が、デフレ不況という理由で世界に流れ出します。
でも、ここでよく考えなければいけません。日本など先進国の需要が伸びない事態に追い込まれた時に、あるいは貿易摩擦や円高などによって、海外に直接投資をせざるを得ない状況が作られます。
相手国はそれによって発展、成長し、経済力をつける訳です。そうなれば世界から資本が集まって来ます。それが更なる先進国の不況を招き、終いには親会社が海外に買われてしまうというという訳です。何の為の海外直接投資でしょうか。
平和ボケした日本人は、「グローバル化の時代、必然的な流れだ」などとのんびりしたことを言いいますが、それが作られた流れであったとしたら・・・そうです。強い日本潰しの一環として仕組まれている可能性がないと言い切れるでしょうか。
番組内でも、さかんにアジアに出なければ行けない、韓国勢に遅れを取るなどと言っていました。しかし、それが結果として今日の停滞を生んでいるのではないでしょうか。
続いて番組は半導体の話に移ります。ここは腹が立ってワナワナと震えて来ました。(笑)肝心なことを言わないのですから、さすが反日左翼放送です。日米半導体摩擦は「通産省国売り物語」等を参考に、拙ブログで何度も取り上げていますから詳しい事は省略します。米の圧力を利用した通産省によって日本の半導体産業が優位性を失って行くと言う、まことにBKDな話です。
しかし、韓国や台湾が、なぜ最先端技術を必要とする半導体で台頭出来たのかという謎を解明せずに番組を構成しても意味がありません。そもそも80年代に起きた日米2強の半導体戦争、80年代半ばには日本の優位が決定的となります。
「産業の米」半導体を制するものは世界を制するとまで言われた、兵器の性能をも決定づける半導体技術を、世界の覇権国米としては日本に独走させる訳に行かないのです。あの手この手で妨害工作をして来た事は言うまでもありません。
その間隙を縫うように韓国台湾勢が台頭しますが、そもそも、基礎技術も要素技術、生産技術さえもない国が、いきなりDRAM (ディーラム/安いメモリの一種)を生産出来るという不可思議に思いを馳せるべきではないでしょうか。
白もの家電製品のように、材料や部品、製造装置を輸入すれば生産出来るというような代物ではない事だけは確かです。未だに重要素材(日本からの輸入が80%)や製造装置(国産化率ゼロ/大半が日本からの輸入)すら国産化出来ないのですから、何があったのかと訝しみます。
ところで、80年代後半、週末のソウル行き航空便は日本人半導体技術者で満席だったと言います。そうです。米や通産省の圧力の前になす術もなかった日本半導体メーカーは、今度は社員の裏切りにあうという訳です。正に踏んだりけったりです。(笑)
材料、部品、製造装置がそろっても技術者がいなければ、それらを結びつけて製品にする事は出来ません。その技術者も一朝一夕に育つものではない事は明らかです。手っ取り早いのは現役の専門家を連れて来るという事になります。
100人の日本人技術者による顧問団が編成され、韓国の半導体事業に一役も二役も買った驚愕の事実を日本人は知るべきです。それにしても不思議なのは、特許侵害による訴訟リスクをものともせず、最先端技術を必要とする世界に踏み込もうとするモチベーションです。実際にサムスンだけでも数千件の特許紛争を抱えると言います。
(半導体売り上げ世界ランキング)
常識で考えても、日米が独占していた最先端産業に対し、何もないどころか、採算が取れるかどうかも甚だ怪しいというのに、大金をかけてまで簡単に踏み出せるものでしょうか。
その証拠に、あのドイツでさえ、この分野では存在感を発揮出来ていません。独仏より先端分野で韓国が上位というのは悪い冗談としか思えないのです。因に市場規模は30兆円(日本のシェア20%)程です。(参考/自動車は170兆円程で日本のシェア32%)
いずれにしても、米からの圧力に加え国内官民からの裏切り、それによる技術流出に一切言及せず、なぜ日本が競争力をなくしたかと言われても答え様がないというものです。
日本のマスコミなんて、そんなものです。やはり、先ほど言ったように、マスコミも含め日本の力を削ごうとする大きな力が存在する事を否定するのは困難ではないでしょうか。
テレビは常に偏向し、事実は何も教えてくれません。結局自分自身で判断するしかないというのが結論です。
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