徐々に矛盾を露呈し始めているアベノミクス
----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------
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安倍首相が海外に出かけたり、要人を招いたりして大盤振る舞いをしているようですが、日本の成長につなげたいと言っているのを聞いて、思わず首をひねりました。どういうメカニズムを想定してるのでしょうか。
安全保障上の理由、資源確保、あるいはノーブレスオブリッジという意味なら分かりますが、発展途上国相手に日本が経済成長するという事は、植民地支配などでの収奪を除けば、考え難いのです。
一対一の場合で考えれば分かりますが、アジアもアフリカ諸国も日本とは経済規模が違い過ぎます。さらに、外貨を十分持っていなければ日本の高額商品は買えません。という事は、買えば買う程赤字になるのですから、最終的には支払い不能になります。
つまり、厳しい言い方かもしれませんが、相手国が逆立ちしても作れないものを大量に提供した挙げ句、最悪のケースでは債務免除が待っているという訳です。
誰が得をするか明らかではないでしょうか。その分、日本国民は自分たちが得られる筈の、別の形での物とサービスを失います。これでは豊かになり様がないというものです。つまり、日本の富が流出する訳です。
政治家がこの理屈を理解出来ない事は未だ分からないでもありませんが、意外な事に、エコノミストや学者も分かっていない人が多いのです。ドイツとギリシャの例を見て、何も学ばないというのが不思議です。
世界一の先進国でデフレの日本が成長するには内需拡大しかない事は自明です。一に金融緩和、二に財政出動です。それが十分な規模なら他の政策はいりません。却って邪魔をする事になるだけです。百歩譲って、流動性を確保する為の規制改革どまりでしょうか。第一と第二の矢をスムーズに飛ばす為の改革です。
金融緩和や財政出動は、これまで散々やっても駄目だったではないかと言われるかもしれませんが、日銀のバランスシートが増えていない事からも分かるように、全く十分ではありませんでした。それに、ちょっと効果が出ればすぐに引っ込めていた訳ですから、成長が継続出来る筈がありません。
特に、バランスシート不況と言われた90年代は、企業も個人も借金を返す事に必死でしたから、マイナス成長を避けるためには政府が負債を膨らませるしかありませんでした。
それもなかったらと思うとゾッとします。この問題は税制改革だけでは解決しないのです。先進国が通らなければならない一つの関門と言えます。
だからと言って、いくらでも政府債務は膨らませてもいいという事にはなりませんが、国内投資家による、しかも円の範囲で収まっている限りは悪性ではありません。成長に連れ等比級数的に解決します。
と言うより、ぶっちゃけ(笑)そんな面倒な事をせずに政府と日銀が、各々が持つ負債と資産を、例えば連結決算名目等で消却すれば済む話ではないでしょうか。例えば日銀が200兆円の国債買い入れをすれば資産は200兆円増えます。これで政府の負債を200兆円償却するのです。
それで何か不都合があるとは思えません。誰かが損をする訳でもないし、実体経済には何も影響もないのですから、なぜそれをしないのか、むしろ不思議です。財政ファイナンスと言うならば、日銀引き受けの時に、既に円を刷るという事でファイナンスをしている訳です。
その結果が、今のところ良い方向に向かっているという事は、恐れるべき一番の山は越している事になります。つまり、残った、ただの紙切れを焼こうが消そうが、どうでもいい話なのです。
恐らく、政府負債が問題だと言い続けて来た手前、いきなり都合のいい事をすれば、話の整合性がとれなくなると言うアホみたいな理由で、消却を躊躇しているのかもしれません。
日本は世界で唯一、そういうマジックが出来るシチュエーションにいる先進国ですから、その特権を行使しない手はないのです。尤も、いざという時に行使しないという保証はどこにもありませんが。。
いずれにしても問題は、その政府が膨らませた負債(資金)が、これまでは家庭には十分に回らなかった事です。一つには質的金融緩和のゼロ金利政策によって、貯蓄の金利が劇的に下がり、家庭や企業から金融機関に所得の移転が起こりました。つまりバブル崩壊のツケを個人に払わせたのです。
それでも個人金融資産が大幅黒字なのは、住宅ローンなどが組まれなくなった事によります。つまり、消費全体が減ったのです。後一つは米国などとの金利差による円キャリートレードです。外国人投資家が円で資金を調達し外貨建金融商品で運用しました。
それで国内の景気が良くなる訳がありません。一億総中流と言われた高度成長期のように、個人が購買力をつけなれば、どうしようもないのです。その為に何をするかが第三第四の矢の役割ではないでしょうか。
従って、企業の為の改革である規制緩和や構造改革は的外れという事になります。成長戦略も、何度も言いますが、民間が常に考えていますし、既に球は揃っているのです。
政府がやれる成長戦略は「国土強靭化」以外ではエネルギーと食料問題です。自前のエネルギー比率を高め、農業やその他の食料産業を守る事こそが政府にしか出来ない成長戦略ではないでしょうか。実際にも、それだけでGNPは劇的に増えます。
なぜなら、貿易赤字の元凶がエネルギー系ですから、減らした分は自動的にGDP が上がる訳です。食料に関しては、農業を守り食糧自給率を高めるには関税の引き上げしかないということになります。
関税を下げておきながら、輸出産業として農業を強化するなどという、出来もしない事を安直に言ってはいけないのです。聞き様によっては、いかがわしくさえ聞こえます。今以上に品質を上げるのは至難の業だし、それが例え達成されたとしても、そこまでの繊細な部分を感じ取れるのは日本人だけです。
さらに、今言われているような、財政再建が第四の矢だなんて、あまりにもバカげています。全てを台無しにしかねません。消費税だけでも失速は必至だというのに、さらに民間から資金を吸い上げるなんて正気の沙汰とも思えないのです。
財政再建とは、短期で見れば増税、歳出削減以外にありません。アベノミクスとは真逆の政策の筈です。この矛盾に気がつかない限り、民主党政権よりは百倍ましだとしても、アベノミクス自体は中途半端なものに終わるでしょう。
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コメント
こんにちは。
アフリカは現在、共産主義(支那)と自由主義が凌ぎを削っている場所です。これを座視すれば、やがて支那はアフリカを自国の勢力圏に組み込み、莫大な資源を手にすることになります。
それは同時に“日本存亡の危機”です。
田中様のおっしゃりたいことは分かりますが、現在の米国オバマ政権は共産主義への警戒心が薄すぎる、よって、日本がアフリカにおける存在感を強める外ありません。
かつて、アフリカ連合は国連の場で、日本が支那やアジア諸国で悪虐非道をやったと批判しました。具体的な国名を上げたのは支那だけです。
これが何を意味するかといえば、アフリカ連合は支那マネーに取り込まれているということです。
これを座視するのは自殺行為です。
アフリカと支那は分断しなければなりません。
安倍総理の国内景気対策が充分だとは言いませんが、アフリカや南洋アジアに対する安倍総理の政策は全面的に支持します。
日本一国のことだけを考えれば、あるいはアフリカと関わらないという視点もありましょう、しかし、その日本一国の問題であっても、アフリカは重要なポジションです。
小泉元首相の北朝鮮への支援策を批判していた保守の方々は、北朝鮮の“かわいそうな人民”を見殺しにする酷い輩だと逆に批判されたそうですが、国連の査察も受け入れない北朝鮮が、それを核開発の資金に転用するのは目に見えており、北朝鮮が日本に核攻撃し、焼け野原に佇んで
『あのとき支援しなきゃよかった』
と後悔してからでは遅いのです。
アフリカや南洋アジアは、そういったポジションにあることを理解すべきだと私は思います。
悪の中枢は「支那共産党」です。
敵を見誤ると、痛い目に遭いますよ。
戦争は「起きる」という前提で考えなければ抑止できません。
日本だけは自分のことだけ考えてりゃ幸せだとか、そういう考えは左翼の妄想平和主義に通づるものがあると、言わざるを得ません。
失礼しました。
投稿: 硫黄島 | 2013年6月 4日 (火) 15時41分
それでもあべちゃん支持はお辞めにならないんですか?
投稿: ニート | 2013年6月 4日 (火) 16時58分
あべ以外はやべーのばかりなので、消去法であべ・・・かな!
投稿: かかし君 | 2013年6月 4日 (火) 23時36分