財源について議論する愚
----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------
ブログランキングに参加しています。
先日の記事「減税こそが最大の成長戦略」で公共投資の規模が年に15〜20兆円止まりなら、15兆円程減税をするのが景気対策として有効だと書いたところ、無責任な事を言うな。財源はどうするのだという声が聞こえて来ました。
だから駄目なんです日本人は。。律儀過ぎるのです。いいじゃないですか。そのくらいのお金なら、新たに国債を発行して調達しようが、日銀が直接円を刷ろうが大した問題ではありません。
現に今だって日銀がせっせと市場から国債を買っているではありませんか。それが意味する事をまるで分かっていないようです。そこまでの頓珍漢ならどうしようもありません。(笑)
日銀には打ち出の小槌があるから国債が買えるのだ。と思っている人はさすがにいないかも知れませんが、それに近い存在である事は確かです。実際に14年末までに13年4月現在90兆円の資産残高を270兆円まで増やすと言っているのですから創造するマネーは年間90兆円にもなります。
これって、GDP が500兆円規模の国としては、ほぼ無制限に近い額ではないでしょうか。ところが、それで何か問題があるかと言えば、今のところ物価への影響は軽微です。
むしろ副作用として円安になり株価が上がりました。悪い事は特にありません。という事は、年間に15兆円くらいの減税分を、どういう方法でファイナンスしようが、年間の金融緩和額90兆円分に紛れてしまう程のレベルではないでしょうか。
しかも14年末に金融緩和の目標額を達成したとしても、その時点で物価が2%上昇しているかと言うと甚だ疑問です。という事は2%に達するまでは、ブレない限り、どんどん円を刷る事になりますから減税分の財源は当分の間保証されるという訳です。
そうこうしている内に景気が良くなり税収が上がって来れば、この事は忘れ去られるでしょう。(笑)もし物価目標が達成されたなら、段階的に元に戻す増税(減税分に対して)をすればいいのです。
但し、この方法が取れるのは世界広しと言えどもファンダメンタルズが盤石である日本だけです。米を見て下さい。不景気の度にドルを刷り散らかし、世界中をドルでジャブジャブにしました。
結果は埋めようのない格差の拡大と世界金融市場の不安定化です。投機マネーが利益を求めて世界中を飛び回ります。狙われると体力のない新興国はひとたまりもありません。
円の場合も刷り過ぎると円キャリートレードなどの弊害を引き起こしかねませんが、日銀が実質金利の上昇を警戒するという表現に変わって来た事から、名目金利の上昇である程度防ぐ事が可能ではないでしょうか。
その為にも2%の物価目標は必須と言えます。長期金利が3〜4%にも上がれば、簡単には世界に出て行きません。
そう書くと必ず、長期金利が3〜4%だって〜、あり得ない。利払いが大変な事になるという御仁が現れます。それこそ「あり得な〜い」です。(笑)今日銀がしている事は国債の買い入れです。つまり、政府系金融機関による国債保有比率の限りない100%化です。
自分で債券を発行して利子を自分に払う、いわゆる自作自演ですが、何か問題があるとは思えません。年金問題や社会保障問題、全て解決するのではないでしょうか。何で無責任にも、そんな事が言えるのかって(?)
それは日本の供給力を知っているからです。海外に依存しなければならない経済なら大変ですが、幸いな事に日本は海外への実質的依存率は極めて低いのです。自国にないものはエネルギーや天然資源系だけですから、近い将来自前でそれら天然資源が調達出来、再生可能エネルギー比率が上がって来れば怖いものはありません。
政府や日銀の仕事は、盤石の国内産業体系を破壊しかねないグローバル化の抑制と流動性の確保という事だけになります。理屈が分かっていれば大して難しい仕事とは思えません。
それを未だに日本国債の暴落を煽る人がいて笑ってしまいます。ポジショントークでないとすれば大バカ、経済音痴を自ら証明しているようなものです。
暴落を煽るならば民主党の時にやるべきです。薄汚い人気取りのばらまきの為、国債刷り放題でした。しかも金利に対する対策は何もなしです。円高容認派の白川さんなどは、全て市場原理に任せるとでも言わんばかりでした。
(日銀不要論が起こっても仕方がなかった白川総裁時代、日本は酷い目にあった)
この非常に危うい状態でも世界最低水準の金利を維持したのですから、むしろ危機は去ったと言うべきではないでしょうか。中央銀行が政府の尻拭いをする形でバンバン買い取っている現状、仕掛ける方も仕掛け様がありません。
前から言っていますが、現政権下、日本に財政問題は存在しないと言うのが正しい認識です。世界の嫉妬を買うので、あえて明確にせずぼかしているのでしょう。
ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを。
当ブログは日本の名誉を挽回するために尽力される中山成彬議員を応援します。
中山議員の ホームページ 南京問題を扱っています。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしてるのか?(最終回)(2024.08.30)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(5)(2024.08.29)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その4)(2024.08.26)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その3)(2024.02.07)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その2)(2024.01.29)
コメント
> 律儀過ぎるのです。いいじゃないですか。そのくらいのお金なら、新たに国債を発行して調達しようが、日銀が直接円を刷ろうが大した問題ではありません。
・・・国債だろうが紙幣だろうが、印刷された紙っぺら。大事なのは価値創造を基幹とする実体経済の拡大と循環なのです。日本は内需拡大が非常に大切。
・・・既存の全てのマスコミ(普通の人々を羊の様にを飼い馴らしたがっている上から目線の手品師)とか、右や左の外国の脅し・洗脳を排除しましょう。
・・・自立自尊の誇り高き国家と豊かな文化文明の国際社会建設を切望する一人の人間として・・・あ、これって一応小生の存在コンセプト。
投稿: AZ生 | 2013年7月 9日 (火) 16時54分
はじめまして。
胸がすくようなエントリーです。大体、通貨発行権があり、しかもハードカレンシーの一角なのですから、ほぼやりたい放題できます。
アベノミクスのみで、特定アジアがぼろぼろになるのはそのためです。
最近、石原氏までもがハイパーインフレなどと言っておりますが、パイパーインフレが起こる根本要因は、「供給力の無さ」であって、金融緩和で顕になるというのが正しい解釈と思います。
日銀の成すべきは、その供給力の維持向上に努めるのが仕事で、財政云々は数あるうちの指標でしかないと思います。
ただ、アベノミクスの本命は財政出動なので、まだ序の口であってほしい。妨害されないでやってほしい。
所得が上がるのは、まず失業者がいなくなって、雇われる側が買い手市場にならない限り上がらないので、且つインフラ整備により更なる供給力を上げるためにも、財政出動は本命中の本命だと、政権与党は認識していただきたいと思います。
投稿: Sura | 2013年7月11日 (木) 03時00分
はじめまして。
良い記事ですね。
日本は、所得収支が今年4月に過去最大で月2兆円。
年間では15兆円以上になるはずなので、
外需はもう放っておいていい。
財政出動で内需拡大すればいいだけの話だと思いますが。
投稿: インテグラル | 2013年7月11日 (木) 05時27分
皆さん、ご賛同いただきまして有り難うございます。
おっしゃる通り、財政出動こそ本丸ですが、ここのところの政府の消極姿勢が気がかりです。
投稿: 田中 徹 | 2013年7月11日 (木) 09時27分