文字通り対岸の火事に過ぎないデトロイトの破綻
----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------
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あの自動車の街デトロイト市が破綻したと言います。負債は日本円で1兆8千億円、一都市としては途方もない数字ではないでしょうか。地方分権の弊害かもしれません。あるいは自動車産業の空洞化、その原因の一部は日本車にもある、と言えなくもないのです。
ビッグスリーの凋落ぶりは、量よりも質に於いて目に余るものがありますが、そのシェアを奪って来たのは他ならぬ日本車です。米でのシェアは一時40%にも達していました。怖い事に現地生産と輸出を足したポテンシャルで言えば、それ以上にもなり得ます。
バッシングや嫌がらせを恐れる日本メーカーは、米企業とのコラボをしたり、販売で逆インセンティブをつけたりと、涙ぐましい努力をして来ました。雇用を生むとは言え、平和を維持するにはシェア40%というのが限界かもしれません。
ところで案の定と言いますか、これを受けて日本のバカメディアが日本国経済と比較したりしています。日本の債務の方がもっと深刻だから、人ごとではないと言うのです。
また、あるブロガーは「高齢化と人口減少が進む中で年金制度や健康保険制度に問題が生じている日本にとっても対岸の火事とは思えない」と言っています。果たしてそうでしょうか。
まず、デトロイトは国ではなく、単なる米の一都市ですから通貨発行の手段を持ちません。その点で決定的な違いがあります。さらに、メインの産業が衰退したので、他の健全な産業も逃げ出してしまいました。
日本でも夕張市など、これに似た話はありますが、国全体となると話は全く違います。通貨発行権がある事と、生産拠点の海外進出が進んでいるとは言え産業が健全な形で残っている点です。
こう書くと、需要が薄い日本市場に魅力が乏しく法人税が高いので産業が海外へ逃げ出す、あるいは海外からの直接投資がないなどと言い出す人が必ずいてややこしくなるのですが、その為のアベノミクスです。需要を創出する為に、第一と第二の矢が放たれたのです。
つまり、日本の場合は供給サイドはあくまでも健全で需要だけの問題でした。ある程度ものが行き渡った先進国と言うベースに、同業種に優良企業がひしめくデフレに陥り易い環境に加えて、グローバリズムに洗脳された過度な外需依存体質が国内需要をスポイルして来たという訳です。政府も、それを助長するような政策をとって来ました。
デトロイトの場合は、殆ど全てが供給サイドの問題ではないでしょうか。基幹産業の衰退によって人口も180万人から70万人へと激減したと言います。健全な産業までもが逃げ出したのです。こうなると、例え借金をいとわない旺盛な需要マインドがあったとしても、どうする事も出来ません。
(シリーズハイブリッドだと言われているシボレーボルト、アコードは、この方式に近いが、高速域は効率のいいエンジンのみの走行となり、動力性能で圧倒的な差をつける)
この事から日本とデトロイト、どちらが良性の病かが分かります。莫大な潜在供給力を持ちながらも政府や日銀の無策でデフレにしてしまった日本、需要があっても産業が衰退してしまったデトロイト、比較するまでもありません。
ではなぜ日本は、その供給力を活かせなかったのでしょうか。素朴な疑問に突き当たります。巷間言われるように、成熟した先進国は発経済展しないのでしょうか。いえいえ、そんな事はありません。
自分で勝手に先進国だと思い込んでいるだけです。千年後の日本人がタイムトラベルでやってくれば発展途上国にしか見えないでしょう。この程度で自惚れてはいけないのです。(笑)
多くの人が勘違いしていますが、国内リソースによって100%が賄える供給(物とサービス)は、国内で100%消化されて何の問題もありません。別に「セイの法則」を持ち出す訳ではありませんが、日本人が生み出す付加価値が日本人によって全て消費されて何の不思議もないのです。またそれが究極の合理的社会です。
そう考えた時に、国内で賄えない天然資源系リソース分の4%を除く生産資源の96%が国内で賄える日本は、それに近い形がとれるのではないでしょうか。言いたい事は、例えポテンシャルの全てが供給されたとしても、国内で資金調達が可能なら、それに見合った需要が作れない筈はないという事です。
つまり、高齢化も人口減少も、財政問題や、まして需要側でしかない社会保障問題の原因にはなり得ないのです。
それが出来ていないのは、これまで十分な有効需要を創出出来なかった政府側の責任であって、生産性など供給側の問題にすり替えるのはお門違いと言えます。従って成長戦略や規制緩和、まして構造改革などで解決する問題でないのは自明です。責任逃れの為に言っているとしか思えません。
では、そのポテンシャルが金額にして一体どれくらいのボリュームになるのかという事が気になります。現時点に於けるマックスのGDPが分かれば目標の設定がし易く、財政や金融政策の助けになるという訳です。
以前に1000兆円のGDPでもおかしくはないという試算がありましたが、この20年3~4%の成長を続けていたなら納得の数字ではないでしょうか。この数字が意味する事は、今問題となっている財政や社会保障問題等の全てが解決するという事です。一足飛びは無理だとしても10年くらい見れば十分達成可能ではないでしょうか。
その為には既得権益を排除し、大胆な経済政策が採れる政党を選ばなければなりませんが、消去法で言っても芽が育ちつつある自民党しかないのではないでしょうか。今日の選挙結果が待たれます。
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コメント
> シリーズハイブリッドだと言われているシボレーボルト・・・
・・・実は3年前、トーランス市、ホーソーン通りのマーチンシボレーに発売したばかりのシボレーボルトを見に行きました。デーラーの裏の車両ストック上の隅っこにチョコンと置いてありました。内外装はスポーティでかっこ良かったです。うん、デザインはね・・・GMは全力投球したのでしょう。
その場にいたデーラーの人に『パロスバーデスのリッチファミリーとか、プリウスに乗っているハリウッドのスターがコレを買いに来そうですか?』と聞いたらノーアンサーでした・・・ブスッとしていました。
で、コンシューマーレポート誌(政府機関ではなくて、民間調査機関ではあるが、多くの消費者は車とか冷蔵庫とかの耐久消費財の情報をココから入手しています。信頼性は高い。チェックする商品は町のデーラーで個人名で購入する方式で客観性は高い・・・とされている)で購入した3台のボルト中2台から出火した・・・とされている。
その後、在庫調整で生産一時中止。対策車両の生産はやっている。バッテリーはLG社製品。米国工場の鍬入れ式にはオバマ大統領も出席されたとの報道がありました。多分、本格的なっ対策済新動力システムに置き換えるかもしれません。
街ではこの車、殆ど見かけません、N社の電気自動車 Leafはオシャレっぽい女性が乗っているのを見た事ありますが、めったに見られません。 以上
投稿: Carly | 2013年7月24日 (水) 07時22分
Carly さん、貴重な情報をいつも有り難うございます。出来ればですが、ボルトの試乗レポートもお願いします。
投稿: 田中 徹 | 2013年7月24日 (水) 14時37分
街でのクルマ風景・・・大型トラックが街で増えているっぽい
米国の国策:グリーンニューディール政策をしり目に、オイルシェール産出が本格的に稼働し始めた事が影響したかどうかは不明ですが、ぴかぴかのフルサイズトラックが街に増えている感じがします。ガソリン価格はガロンあたり$4後半で高止まりなのに関わらず・・・
高いヒップポイントでV8エンジンで郊外でも街中でもぶっ飛ばすのが好きな国民性の本音は数十年前から変わらない?のかも知れません。まあ、ドイツ系・日系の高級車もそれなりに勢いがありますが、キャデラックなんぞも息を吹き返している感じもします。プリウスは数が多くて嫌味とまではいきませんがジャマな感じも少ししてきました・・・センスが良くてしかも環境意識も心得た知性派ユオピニオンリーダーなのか、ただ流行に乗っているフォロアーなのかが見た目では分類不能。シビックは数が増えているのにジャマな感じがしないのが不思議。大群の中で目立ち過ぎず埋没もしていない微妙なこの座標ポイントにアコードもいる様ですね。
投稿: Carly | 2013年7月24日 (水) 17時31分
8月31日(土)、3連休なので我が家に遊びに来た長女(シリコンバレーの某ベンチャー勤務)と一緒にハイブリッドカー〔ボルト〕を見にGMディーラーのマーチン・シボレーを訪れました。
試乗しますか?と言われましたが(その日のスケジュール上無理)次回という事で辞退(済みません!)しました。エンジン/モーター制御のコンピューターはボゥイング787ドリームライナーより高級って事なのですが・・・
ショウルームのインテリアも色替えされ、シボレーマリブその他の車両も展示されておりましたが、赤・白・黒の3台もボルト(4ドアセダン)が展示されており、2~3年前よりも販売に”力”が入っている事が実感されます。
ま、ホンダ-アコードがHVも含めて絶好調でトヨタ-カムリとかも好調に売れている環境なので、GMも全力投球なのでしょうね。
パッと見での外観印象
・・・サイドビューはウェッジを基本とした完璧なバランスでありますが、それって今時では当たり前。ただし車上下の厚み感があり、重たいバッテリーをしこたま積んでいる感がすこしばかりしてしまう。フロント/リアビューは良いまとまりであるが、外装色によって印象がガラリと変わる。
外観寸法的には幅(少し広い)はともかく、トヨタのプリウスと似たり寄ったりなのですが、白色の外装色では堂々として立派に見える。
黒色外装では精悍で鋭い感じが強くなるのですが、白に比べて小さく見える・・・色彩心理的な一般論ではこの現象は当然なのですがボルトの場合その差が激しく感じられる。
インテリアデザイン
・・・一言で表現すると、ステアリング・ホイールを含めてインパネ全体はGMデザインの近未来イメージ的エッセンスが凝縮されている。
コンソール中央のディプレイ画面は何やら戦闘機のグラスコクピット的な見え方を押し出した演出であり、この手の趣味が好みのユーザーには受けるでしょう。シボレー・マリブ等の安っぽさとは明らかな差をつけてはいる。ま、4万ドル以上する車なのでね。
座席・・・ドライバー席/リア席含めて4つとも薄手の丁寧な造りのスポーティなバケット型であり、結果として室内が広く感じられるが長距離移動にはあまり向かない感じがする。
リア席はLG製の2次蓄電池がフロア中央を縦断する都合上、3人掛けが出来ないので都合4人乗りである。リア席は4ドア車ではあるが、居住空間はぎっちり。
トランクルームには手際良く、コードとかの充電セットがスッポリ収まる備えあり。
なぜか今日は3台ぐらい街でみかけました。まあ、昔むかしですがSONYのウォークマンを売り出す際に、アルバイトを大量に動員して銀座・渋谷・六本木辺りの若者ファッション街でデモを仕掛けた事もありましたっけ・・・
投稿: Carly | 2013年9月 2日 (月) 17時05分
やはり乗ってみた感想が欲しいですね。乗り心地や動力性能、航続距離、あるいは安定性やボディ剛性等、日本車との比較で分かればマッチベターです。(^_^)
投稿: 田中 徹 | 2013年9月 3日 (火) 19時07分