ホンダマジック
----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------
ブログランキングに参加しています。
前回の記事で、ホンダアコードハイブリッドがトヨタのしっぽを踏んだと書きましたが、よく考えてみると変な話です。あのトヨタが後だしとは言え、ホンダに燃費で大差をつけられるというのは、どう言う事でしょうか。
アコードの燃費が、初代セルシオ並のボディで1600キロ超という車重にも関わらず軽並のリッター30キロを実現したと言います。さらに、寸法的にほぼ同じで車両重量が1550キロと軽いカムリに6.6キロ/リッターの差をつけるというのは尋常ではありません。
従来の10.15モードより厳しい新基準JC08 で30キロ/リッターを達成したというのは本当でしょうか。(?)何かマジックがあるのかもしれません。そこでもう一度、今回のアコードのハイブリッドシステムを、自分なりに分析してみる事にしました。
ちょっと専門的になるので、一般の方は理解しづらく退屈かも知れません。また、各アイテムの専門家にしてみれば、何幼稚な事言っているの(?)と思われるかもしれませんが、当記事、あくまでもクルマのコンセプトやメーカーの姿勢に着目していますので、そういう目で読んでいただければ幸いです。
さて、スペックを見てのアコードの特徴は何といっても、エンジンよりもモーター出力が大きい事です。エンジン105kwに対し、モーター124kw はこれまでのパラレルハイブリッドカーのセオリーを覆します。
12kwというEV の半分に当たる大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、殆どのケースでモーター走行するEV的色彩が濃いプラグイン・ハイブリッドカーの三菱アウトランダーハイブリッド(下)に近いのです。
(このクルマは、一応パラレルHVではあるが、シリーズHVの色彩が濃い、尤も、やはり高速域ではガソリンエンジンが主役なのだろう)
という事は、あくまでもエンジンでの走行を主体として考えているプリウスなどとは全く考え方が違い、モーター主体で走る事をメインに考えた、よりEV に近いコンセプトのシステムと言えます。
従って、従来のホンダのハイブリッドシステム IMA とは完全に別物と考えるべきです。しかし、乗用にアレンジされたとは言え、いくら大出力モーターを採用しても、低中速域に大トルクを発生する特性までは変えられません。
リーフのようなタウンカーやアウトランダーのようなSUV であれば、それでも問題がないかもしれませんが、アッパーミディアムクラスのグランドツアラーとしてはどうでしょうか。いくらゼロ発進加速が良くても最高速が150~60キロでは情けないのです。
つまり、スポーツカーやスポーティカー、あるいは高級車には全く適さないのがEV やシリーズハイブリッドと言えます。180キロ以上で巡航が出来ない、それらのクルマに、ポテンシャルとしての魅力はありません。
そこで登場するのが高速走行用のエンジンと言う訳です。トヨタもハイブリッドで採用しているアトキンソンサイクルエンジンです。このエンジンの特性は、低速域にさっぱり弱いのですが、高速域で効率よく力を発揮する事です。
このエンジンが充電用を兼ねれば、さらにシステムとしての効率が上がる事は言うまでもありません。そこでホンダは、低中速域では、このエンジンを走行用としては全く用いず、もっぱら発電機(二つ目のモーター)を廻す為の装置と割り切りました。
そのお陰で、場合によっては70~80キロにもなる重いトランスミッションが不要となります。そこはトヨタ方式(モーターと遊星歯車機構を利用したCVT)とは違うところで、ホンダらしいと言えばホンダらしいのではないでしょうか。
(アコードハイブリッドと伊東社長、アコードは大きく様変わりしたが、伊東氏は25年前とイメージが変わっていない。これもホンダマジックか/笑)
ホンダは昔から、意外性で周りを驚かすトリッキーなところはありましたが、今度も普通では考えないやり方を採用している点で、発売後の評価がどう出るのか興味深いのです。クルマだけに滑らない事を祈ります。(笑)
話は戻りますが、2000CCもある発電用エンジンを積むメリットとしては、二次電池の容量が小さくて済む事です。さらにトヨタのようなニッケル水素電池ではなく、リチウムイオン電池とした事で、より軽量化、効率化が計れるという訳です。(その割にはトランクが狭い)
その他、回生エネルギーを効率よく回収する為の施策が色々施されているようですが、EV 走行とハイブリッド走行に大いに寄与しているからこそのリッター30キロではないでしょうか。
ところで、肝心の走りですが、先日の記事でも書きましたように、立ち上がりからモーターらしい太いトルクを発揮、滑るような軽快な感じはガソリン車にはないものです。70キロ程度までの街乗りでは何の問題もありません。と言うか静かでパワフル、素晴らしいの一言です。
一方の高速走行も120キロまでなら何の不足もないのですが、残念ながらそれ以上の速度域を試すには試乗車では無理があります。そこは購入者からのレポートを待つしかありません。
しかしながら2リッター105kw のエンジンをいくら廻したところで、結果は見えています。例えモーターでアシストしたとしても、150キロを超える高速域では却って足手まといになるのではないでしょうか。
従って、超高速域でのモーターアシストは設定にないと思われます。という事は、いくら空力ボディとは言っても、1600キロの車体を105kw(143ps)のエンジンで引っ張れば、せいぜい180~90キロの最高速がいいところではないでしょうか。
ここは大いに疑問が残るところです。このBMW5シリーズ(下)並の外観で、このパフォーマンスでは、欧州、特にドイツのアウトバーンでは通用しないからです。思い切りバカにされるでしょう。従って欧州仕様は3リッター以上のガソリンエンジンのみかもしれません。
もう一つの疑問点、ハイブリッド走行からエンジン走行へ切り替わる70キロ付近での長い登坂(例えば箱根ターンパイクのような)が心配です。距離が短い場合は、エンジンがフル稼働すれば発電に問題はなく、モーターのフルパワーが出せるのでしょうが、長くなるとエンジン出力が発電の限界となり、パワーが落ちる事は明白です。
すなわち、麓の料金所を過ぎてしばらくは元気がいいのですが、コースの中程で普通の乗用車に抜かれたりする惨めな事にならないのか、大いに不安なのです。
例え、その速度域でエンジン走行に切り替わったとしても直結なので、せいぜい2000回転付近でしょうから、トランスミッションのないアトキンソンサイクルエンジンに期待する方が無理と言うものです。従ってこの想定はあり得ません。
その二点をどう解決しているのか、何かマジックでもあるのか、あるいは次世代モデルに託すのか、(笑)それによってこのクルマの最終評価は決まります。とは言っても、たまにゴルフに行き、後は日常の買い物程度の、普通の日本人ユーザーが使用する分には何の問題もないでしょう。
肝心の燃費ですが、年間トータルで1万キロ程度乗るユーザーなら、おそらくシリーズハイブリッド走行と1.3kwhしかないリチウムイオン電池によるEV走行、つまり街乗りでは、20キロ近辺は記録するのではないでしょうか。
(ホンダはツインモーターと言うが、一個はジェネレーターのデカいやつに過ぎない。プリウスも積んでいる)
高速でのエンジン走行の場合は、平均速度100キロの走行としてリッター15~17キロくらいでしょうから、総合平均燃費は18キロ前後という事になります。十分トヨタ勢を圧倒する数値ですが、超高速を除く、どの速度域でも万能に走るトヨタのハイブリッドシステムの商品性に対し、どこまでシステム固有のネガを消しているのかがポイントになるという訳です。
どなたかターンパイクを試乗させてくれませんか。(笑)それにしても、最近の日本自動車メーカー各社の動きを見ているとハイブリッドカーに力を入れているのが分かります。
まるで、ここ数十年は主役の座を確保出来ると確信しているようにさえ思えるのです。トヨタが東工大と共同開発している高効率二次電池を積んだEVや燃料電池車の未来を信じていないような素振りです。
そう言えばホンダがGM と燃料電池車の開発で提携すると新聞に出ていて仰天しました。これはメチャクチャ変な話ではないでしょうか。ホンダはこれまで技術に関しては単独でやって来ました。それに、既にホンダは市販車レベルの燃料電池車を開発済です。
後は量産化によるコストダウンと水素の供給体制含むインフラだけの問題だと言うのにGM と技術開発で組むメリットはありません。という事は、燃料電池車の時代が到来した時に、米からいやがらせを受けない為の布石と見る事が出来ないでしょうか。
トヨタがリコール問題で痛い目にあったのを横目で見ていたホンダとしては、米市場での一人勝ちがあり得ない事を自覚しているのかも知れません。ここにもビジネスのマジックが必要なのでしょう。
ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックを。
当ブログは日本の名誉を挽回するために尽力される中山成彬議員を応援します。
中山議員の ホームページ 南京問題を扱っています。
| 固定リンク
「自動車」カテゴリの記事
- クルマの価格が5分の1になる日(後編)(2020.11.24)
- クルマの価格が5分の1になる日(前編)(2020.11.18)
- BEV(バッテリー式EV)に未来はあるのだろうか?(2020.09.23)
- EV vs HV (後編)(2020.03.27)
- EV vs HV (前編)(2020.03.23)
コメント
> ホンダマジック
・・・ホンダマジック的なホンダマチックAT・・・初代Civic・Accordに設定されたホンダ独自のシンプルな変速機(ボルグワーナー含む他社のATに一切似ていない)はMT(マニュアルトランスミッション)に比べて5万円程しか高くなくて、凄い勢いで普及いたしました。女性とかビギナーにも身近に使いこなされたと記憶致します。
で、今回のAccord(ハイブリッド)はトランスミッション自体が存在していない(クラッチにて一速を直結・切り離しを制御)という画期的というか、大胆な正にホンダマジックと言うべき駆動系構造を採用したようですね。
投稿: AZ生 | 2013年7月 9日 (火) 14時41分
送料 通販
投稿: モンクレール ジャケット | 2013年8月 4日 (日) 10時59分