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2013年9月19日 (木)

贅沢な悩み

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----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------

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19日の深夜番組、テレ東の「孤独のグルメ」を見て、大変驚きました。何が驚いたって、主人公の井之頭五郎が乗っているクルマを見てひっくり返ったのです。何と、BMW 535i ツーリング(下)の、しかもスポーツパッケージ仕様ではありませんか。

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ざっとはじいて、930万円(車両本体価格)くらいします。いわゆる高級車、しかもかなりお洒落度合いの高い、クルマ好きなら涎を垂らすようなクルマなのです。ただし、真っ当に生きている人には、とても買えません。(笑)

いえ、クルマだけなら「ああ高級車ね」で済むのですが、乗っている人に意外性があったのでひっくり返ったのです。このおじさん、個人の輸入雑貨商という触れ込みですが、その商売、そんなに儲かるのでしょうか。やろうかなあ。。

そもそも、このおじさんのイメージは失礼ながら、やや風采の上がらないセールスマン的なものであり、営業の途中、ちょっとさぼってグルメをしている的な(笑)そういう感じでしかなかったので、意外な展開に驚いた訳です。

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背広やネクタイを見てもブランドものには見えないし、お顔も、言うなれば、やや貧乏臭いのです。(失礼)だから庶民的なグルメがよく似合って、その豪快な食べっぷりも相まって人気が出たのではないでしょうか。

それが、いわゆるベンツやBM を買うようなオヤジはまず選ばないと思われる、お洒落な高級車に颯爽と乗っているのですからビックリです。見直さなければいけません。(笑)

しかし、そういう点で言えば、ちょっと白けた人も多いのではないでしょうか。この人が似合うのは、何と言っても電車でしょう。クルマを持っているとしても、週末に、ほこりをかぶった2世代前くらいのトヨタ マークⅡあたりでゴルフ場に行く(?)背が高いので飛距離はありそうだが、スコアは100ギリギリ切るくらい、そんなイメージです。

ところで、このBMW デカイのです。4915X1860X1490もあります。重量は何と1950キロと言いますから、何を積んでいるの(?)と言いたくなるほどです。

エンジンは3リッターターボで306馬力、ご他聞に漏れず燃費はJC08モードで11.8km/L (ハイオク)と極悪です。実用上はは5〜6キロというところでしょうか。

まあ、お金持ちのセカンドカー的な(?)例えば、大きな病院を経営する、お医者の奥さんが伊勢丹辺りへの買い物用、あるいはテニス、ゴルフなどの趣味用に乗る感じと言えば分かりやすいかもしれません。どう考えても井之頭さんには合わないのです。(笑)

このクルマに匹敵するような日本車があるかと言えば、コンセプト的には難しいと言わざるを得ません。日本のようなフラットな社会にはニーズがないのです。大病院の奥さんが、そう沢山いるとは思えないし、このお洒落なワゴンが似合う男性も、それほどいるとは思えません。そこは欧州の貴族文化が中心の世界とは違うのです。

もちろんサイズ的に近いクルマはあります。新型アコードやクラウンが近いのですが、まずワゴンの設定がありません。アコードの先代モデルには、筆者も気に入っていたお洒落なワゴンがあったのですが、数は出なかったようです。

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(日本車にしては圧倒的にお洒落度が高かったアコードツーリングワゴン、これのハイブリッドバージョンが欲しい。)

ここで、ちょっと意地悪にアコードハイブリッドとBMW を比べてみましょう。この場合はワゴンではなくセダンです。528iが非常に近いスペックを持っています。サイズはほぼ同じ、エンジンも2リッターで、BMはターボ付き、アコードはモーター付きのハイブリッドです。

ここで致命的に違うのが価格です。BM715万円に対し、アコード390万円です。倍近い差があります。燃費はどうでしょうか。BM13.6km/L (ハイオク)に対し、アコード30km/L ここも致命的と言えます。

さらに重量がBM 1770キロに対し、アコード1630キロというのは解せません。重たいリチウムイオン電池やモーターを二個も積み、軽く出来る筈のないアコードが140キロも軽いというのは、どう考えても納得がいかないのです。BM 重過ぎます。

乗ってみた感じは、アコードにBM 程の重厚でワイルドなスポーティさはないかもしれませんが、十分に早いし、キレも悪くありません。むしろ静粛性や乗り心地では上ではないでしょうか。尤も、好みの問題もありますから一概には言えませんが、明らかな遜色はないのです。アコードの異常な安さが目立ちます。

そうそう、今朝のテレ朝で、日本車の将来がどうなるかというテーマで、燃料電池車を取り上げていました。2015年には発売されるので、HV(ハイブリッド)やEVとの比較をしていたのですが、価格とインフラの問題が大きく立ちふさがるようです。

いずれにしても、軽自動車を除けば、その3タイプ以外、今後排ガスや燃費規制が厳しくなる日米欧の先進国で生き残る事は難しいと言えます。そんで、お前はどう思うかって(?)今の段階で判断するのは難しいのですが、それぞれの良さがありますから、当分は共存するのではないでしょうか。

アコードなどの、新たなハイブリッドカーのポテンシャルを見れば、この延長も捨て難いし、、何と言っても高速域はエンジンのみで走るというのがいいです。街乗りはモーター走行だけというのも理にかなっています。

また、二次電池の性能が倍にもなればEV の生存余地もあるでしょうし、と言ってもこちらは大きいクルマや高速車には適しません。コミューター的なカテゴリーで生き残るのではないでしょうか。

燃料電池車ですが、技術革新で安全性が担保されれば、これも十分ありです。価格やインフラ問題も、数が出る事によって解決されます。水素を燃料とするので排ガスはなく、代わりに水しか出しません。

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(三菱アウトランダー プラグインハイブリッド リチウムイオン電池発火問題も解決したようだ。二次電池をたっぷり積んだにしては割安感がある。)

ただ、個人的に言えばプラグインタイプのハイブリッドカーを選びます。それもプリウスタイプのパラレルではなく、アコードや三菱アウトランダーのようなエンジンのみの直結走行が出来るタイプのパラレルです。

何と言ってもガソリンエンジンの魅力を維持しつつ、1000キロを悠に超えるであろう航続距離が魅力なのです。

いずれにしても、今の時点で三択が出来る国は日本しかありません。技術大国だからこその贅沢な悩みと言えます。

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コメント

Hyundaiは創業期に三菱からエンジンやらアレコレを教わった経緯もあるので、アウトランダー プラグインハイブリッドの中身を導入したら、いいのではないのかな、ちゃんとパテント料を払って。。。一国に一つはちゃんとした民族系資本の車屋さんがあったほうが、先々安定した国家が建設されると思います。目先の損得に目を奪われずに過去の歴史を直視し足元をしっかりさせましょう。

投稿: Carly | 2013年9月20日 (金) 02時49分

オリンピックやプラグインハイブリッド関連の日本勢の気勢が上がってはいますが、TPPや消費税をぼやかしてはいけませんぞ。。。

投稿: 閻魔大王 | 2013年9月21日 (土) 12時59分

ゴローちゃんは原作の漫画(ドラマ版より10年前という設定)でもBMWのセダンだったり、ボルボのステーションワゴンだったりを乗り継いでいる人で、23区在住なので、お金持ちだけど食べ物と車と仕事以外にはあんまり拘りがないという人なのかもしれませんね。

投稿: | 2017年10月11日 (水) 11時02分

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