今頃「ハイブリッド車は経済的か?」などと、愚かな議論をしてはいけない
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ホンダのFIT 3 ハイブリッドが JC08モードで 36.4km/l という、プラグインタイプを除けば世界一の燃費を引っさげてデビューしました。アコードに続きトヨタ勢を凌駕したのですから穏やかではありません。今後燃費競争は激化する事でしょう。いい事です。
(コストや重量を考えても、従来技術の延長線しかやりようがないが、各部品の性能を高め、システムの効率を極限まで上げた結果が世界一の燃費に結びついた。特徴は、スポーツハイブリッドi-DCD「インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ」デュアルクラッチミッションのケース内に動力モーターを内蔵する方法)
それにしてもホンダの攻勢が凄いです。今後はアコード、FIT 3 に続きレジェンドとNS-X がまた違うタイプ(3モーター)のハイブリッドシステムを搭載してデビューしますから、楽しみが増えたのです。長生きはするものです。(^_^)
ところで未だにハイブリッドは特か損か、などという下世話な議論をしかけて来る輩がいて閉口するのですが、はっきり言って愚かです。世界の流れがまるで分かっていません。もっとちゃんと調べてからブログ等にも書いて欲しいものです。
確かに新車価格で30〜80万円くらいの差が、ノーマル車と比べてある事は事実です。この差をガソリン代だけで取り返すのは大変な事でしょう。まず7〜10万キロくらい乗らなければ元はとれません。
ところがハイブリッドカーなどの環境対応車には減税の特典があるのです。自動車税(50%軽減)や取得税、重量税(場合によっては全額免除)ですが、さらに普通車なら補助金が10万円つくのです。これで、ほぼ元がとれるのではないでしょうか。
ところで、搭載する二次電池(ニッケル水素電池やリチウムイオン電池)が劣化した場合の交換コストがバカにならないということを言う人がいます。それもおかしな話です。
プリウスの場合、上市から既に14年を経て、殆ど交換の実績がないのですから、議論の前提にもなりません。結構タフなのです。何を心配しているの(?)という事になります。
(ハイブリッドの副産物が4WD という、うれしいおまけがつきオールマイティだった初代アルファードハイブリッド)
因に筆者の場合、初代アルファードハイブリッドを6年間14万キロ乗りましたが、バッテリー(ニッケル水素)はビンビンで、燃費が落ちる事もなかったのです。2トンを超えるボディで生涯燃費11キロ台を記録しました。同クラスのガソリン車なら6キロがいいところでしょう。
万が一、電池交換の必要が起きたとしても、プリウスの場合でバッテリー価格13万円プラス工賃ですから、車検程のコストです。さらに、最近のリチウムイオン電池の寿命はもっと延びて、クルマの寿命の方が早く来ると言われています。
このように日本におけるハイブリッドカーは完全にモータリゼーションに組み込まれ、と言うか先陣を走っている訳です。もちろん世界を見渡しても省エネと環境対応で、ここまで進んでいる国はありません。誇りに思っていいのではないでしょうか。
従ってコストの割があうかどうか、などという議論は過去のものです。もし割が合わなくても環境、省エネを選ぶのが知的生命体なのです。(笑)超のつく先進国が、どこかの国のように環境汚染をバラまき放題という訳にはいきません。
さて、ここからが本番です。(笑)イントロで十分納得された方、未だあまいです。発展途上国はともかくとして、日米欧の先進国では安全性はもちろん、今後増々燃費や排ガス規制が強化されます。
複雑なので簡単に言いますが、日本の2020年度燃費基準で、2009年度の車両質量平均1200kgにおける実績値16.3km/Lに対し、24.1%向上させた20.3km/Lを予定しています。2015年度燃費基準に対しても19.6%の向上です。
欧州はもっと厳しいと言います。米も2025年には排ガス(CO2)で現行プリウスを24%も向上させなければならない程の意欲的な排ガス規制を設定しています。
これらの規制をクリアするのは、日本の軽を除けばハイブリッドカーかEV しかありません。だから欧米のメーカーは大慌てで日本のメーカーに擦り寄っているのです。BMW がトヨタからハイブリッド技術の供与を受けるのも死活問題だからです。
つまり2020年を過ぎると、世の中ハイブリッドカーとEV あるいは燃料電池車で溢れかえる事になります。もちろん現行エンジンのクルマも併存はしますが、徐々に環境対応に置き換わるのは自明です。
その場合のアドバンテージを日本にとられたくない欧州は、これから巻き返しに必死になって来るでしょう。今はデザインや衝突安全性で一日の長がある欧州車ですが、もし環境省エネで日本に並べば、日本はコストでしか競争出来なくなり、増々デフレが進むという訳です。それだけは避けましょう。
今日の一言
「ぶつからないクルマが当たり前に」
95g/kmに向けてダウンサイジング加速
世界で強化される安全および環境の規制・基準は今後5年間に登場するクルマを大きく変えそうだ。自動ブレーキは大型車での義務化、乗用車では自動車アセスメントの評価への組み入れで装着が加速。さらにこの機能を発展させて歩行者を検知する機能も採用が増えそうだ。衝突における被害を軽減するため、オフセット量の小さい衝突に対する車体構造の改良も進む。(日経Automotive Technology)
(グーグルは既に自動運転で撮影をしているそうな。今後は、ぶつからないのは当然で、自動運転化も加速すると思われる。)
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コメント
ホンダフィット3、どこかで見たデザインだと思ったら、タイで売られているホンダ・シティ(セダン)によく似ています。タイは今やアジアのデトロイトとまでいわれますが、ピックアップトラックに続きセダンの開発拠点もタイに移るのかもしれませんね。
バンコクの国際空港がドンムアンだったころ、早朝便に間に合うように乗るタクシーはサニーかカローラ、時速150km以上でも安定した走りでした。その横をカムリやアコードが時速180kmで追い抜いていく。バンコクの高速はスピード狂にはたまりません。
一方、昨年のシンガポールのタクシー、現代ソナタの旧型ディーデル、高速では足回りがふわついてなんとも頼りないもの。日本でいえば1980年代初頭のカローラ並。これほど基本性能に差があるとは思いませんでした。
カンボジアでは乗用車といえば20年以上前から中古カムリ一択。初代カムリから歴代のカムリはどれも大人気。日本車の優秀性がわかります。
1980年代の香港、ベンツのストレッチリムジンが走り回っていた頃、欧州車が激減、日本車が急増しましたが、香港人に理由を訊くと欧州車はエアコンが弱すぎる。東南アジアでも欧州車は雨(アジアの豪雨)に弱いとか電装品の故障が多すぎるなど不評でした。
高温多湿+北海道や東北の豪雪に対応できる日本車ならではの評価なのかもしれませんね。
投稿: nanashi | 2013年9月13日 (金) 20時58分