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2013年10月13日 (日)

日本型ビジネスモデル

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----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------

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テレビで日本の芝刈り機が優秀だと言う番組をやっていました。それを言い出せばきりがないのですが、趣味性の強い自動車や家電だけでなく、世界中にじわじわと日本の出来のよい道具や設備(資本財)が浸透して行っています。

芝刈り機の場合、特に繊細な作業を必要とする、トーナメントが行われるような名門コースでは手放せないと言っていました。切れ味がシャープで、均一な表面を作るからですが、名選手がラインを正確に読んだ場合、読み通りに曲がって行かなければ何かが悪い訳です。そういう悪い意味での意外性を作らないのが良い道具の条件なのでしょう。

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   (共栄社のゴルフ場用芝刈り機 gm2800b メンテも楽だと言う)

全米で15500もあるゴルフ場で、その日本製は未だ86カ所でしか使われていないと言います。逆に言えば、家庭用も含めビジネスチャンスは無限に近くある事になるのです。

しかし、そこで疑問が浮かびます。今現在、他の圧倒的多数のゴルフ場は、出来がいいとは言えない米製を使っている訳です。番組では性能比較をやっていましたが、随分と差がありそうでした。粗製濫造の米が一朝一夕に丁寧な作りの日本製に追いつけるとは思えません。

という事は、加速度的に日本製芝刈り機が増えて行く可能性があります。つまり、米市場を席巻して米製を駆逐してしまいかねないのです。何十年か前の自動車貿易摩擦を思い出します。

最初は安かろう悪かろうで米メーカーもタカをくくっていたのですが、気がつけば輸入が200万台を超え、300万台、400万台にも迫る勢いです。危機感を抱いた米メーカーは、あの手この手で日本車追い出し作戦に出ます。

挙げ句の果ては政府に泣きつき、日本へ輸出自主規制を迫るという、ガットにも明らかに違反する圧力をかける始末です。さらにプラザ合意で、日本に超円高を容認させると言う暴挙に出ます。何が自由貿易だ。(笑)これでは政治力のない日本にはとても勝ち目がありません。

日本のメーカーは輸出を程々にし、現地にメリットを生む現地生産を開始する以外、生産台数を延ばす方法がありませんでした。当時、ホンダが82年から現地生産を行っていましたが、トヨタやニッサン他が後続として大挙押し寄せる事になります。

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(90年代から米市場でトヨタカムリとベストセラーを20年も争って来たホンダアコード PHOTOは91年型米仕様)

その時点で、欧州車は既に高級ブランドを除いては駆逐されていました。今でこそ、高級車のジャンルも日本車が圧倒しますが、最多販売ゾーンの大衆車、中級車を小型の日本車と大型米車で棲み分ける事になります。一応ウィンウィンと言ってもいいのかもしれません。

日本メーカーは、このやり方、つまり輸出は摩擦にならない程度に止め、後は現地生産で数を稼ぐというやり方で、さらに発展して行く事になるのです。世界と妥協を重ねた結果です。

ところが、話はこれで終わりません。メーカーにとってウィンウィンでも国単位で見れば空洞化と円高、その循環の中、デフレ不況を促進する事になります。つまり、企業と相手国が栄えて国滅ぶです。

何か上手い方法はないものかと考えあぐねますが、世界を相手にする限り一人勝ちは許されません。一番儲かるのは貿易で稼ぐ事ですが、貿易赤字国がそれを容認してくれないのです。

という事は、最終的には現地に進出して雇用を生み、利益を還元して現地での拡大再生産の循環に入らざるを得ません。しかし、それで国内が潤う筈はないのです。空洞化に加えて技術流出にも痛めつけられます。

日本の場合はさらに、内需をおろそかにして来ました。歴代の日銀総裁も内需拡大には関心がなく、マネーストックの増加を意識的に制限する始末でした。そこで華々しく異次元金融緩和のアベノミクスが登場する訳ですが、第一の矢は資産価格上昇を招き、まんまと成功したかに見えます。

これで第二の矢を計画通りに実行して行けば、デフレの克服と経済成長が、想定外な形、規模で現れるのではないでしょうか。そう思わせるものはあったのです。消費税を上げる前まではですが。。(笑)

ともあれ、恐らく日本程の国は内需だけでも相当な成長が期待出来るのでしょうが、外に目を向け過ぎて来ました。その結果、数を売って利益を得ようという考え方から抜けられず、それがまた世界との軋轢を生んで来たのではないでしょうか。

この循環では日本はいつまで経っても実力通りの富を得られそうにもありません。この場合の富とは、お金だけでなく、あらゆる意味での豊かさです。ドルや円がいくらあっても豊かになれない事は既に学習済みです。

そうではなく、言うなれば、異次元の付加価値アップとでも言いましょうか。数を売る為に世界に迎合するのではなく、自ら、より高い次元の生活提案をして行く、つまり、超高付加価値で世界をリードするのです。

例えば芝刈り機で言っても、どう考えても米には真似が出来ないスーパー芝刈り機を作り、米製の5~10倍くらいの価格で売るのです。これだと本当に必要とする超名門コース以外は買いませんから米メーカーとの棲み分けが出来ると言う訳です。

特に輸出は少数の超高付加価値製品に限定します。現地生産に関しても、地場産業を破壊しない付加価値の付け方を考慮するという訳です。間違っても途上国型のコストメリットだけを追究してはいけません。貧すれば鈍するです。

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(ビジネスとしては上手く行っていないといわれるユニクロ・ニューヨーク店)

まして、海外で安く生産したものを国内に逆輸入すると言うユニクロ型のビジネスモデルでは、相手国と経営者のメリットにはなっても結局日本社員や日本国のメリットにはなりません。世界の所得平準化を招き、日本の相対優位は減じられます。

このビジネスモデルは発展途上国とデフレの日本だから上手くいきました。尤も、日本ではそれ程利益は出ていないと言います。他の先進国でもぱっとしないところを見ると、生産も販売も途上国に依存した過渡期的ビジネスモデルと言えるのではないでしょうか。

従って低価格でないと成り立ちません。つまり、より多様化するニーズから逆行しなければコストメリットを稼げないビジネスモデルで、売り上げが5兆円になる事などあり得ないと思うのですが、これからどう化けるつもりでしょうか。

結局日本型のビジネスモデルは系列内垂直統合型で、超高付加価値化し、神格とさえ言えるくらいのブランドを築き上げる事だと思うのですが、それを快く思わない勢力、国は多いようです。最後は、そことの戦いという事になります。

いずれにしても、成長戦略などと、チマチマした事をやっているようでは見通しが暗いです。政治家を何とかしなければ。。。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

> いずれにしても、成長戦略などと、チマチマした事をやっているようでは見通しが暗いです。政治家を何とかしなければ。。。

・・・我思うに以下の素養を身に付けた人材を政治家に求めたいと切に希望いたします。

①首相・番頭さんクラス:過去現在未来の国家力学の実態を肌で感じ取れて、マクロ経済が理解出来、1/2/3次産業の実態を把握出来る人。この分野の将来展望が描けて実行できる人材・・・高橋是清と関東大震災復興計画を立案した後藤新平を混ぜた様な人材・・・10人ぐらい熱望。国土強靭化とオリンピックをさばいててGDPアップとデフレを退治

②外交(当然ながら国防の重要性を把握の上で)がバンバン出来て肝っ玉があり、腹の据わった人材・・・吉田茂とか彼の懐刀の白洲次郎の様な人・・・10人ぐらい熱望

③教育分野:戦後のGHQとか日教組による青少年への日本的コンせプトを破壊してきた自虐教育を木端微塵に打ち砕く客観的で正しい教育を築ける人材・・・10人ぐらい熱望

④資源エネルギー分野では、藻から石油とかメタンハイドレードとか有望な資源があるのでそこら辺をバンバン推進出来る人材(と予算)・・・10人ぐらい熱望

⑤安倍さん(TPPはいつひっくり返すの?)・中山さん(維新)・進藤さん・西田(最近ちょっと弱気!or変身?)さん等の10人程の純保守勢を温存して計100人態勢でC愛Aの囁きをふせぐのかな?

投稿: AZ生 | 2013年10月13日 (日) 16時45分

> AZ生さんの⑤の純保守勢人材リストにヒゲの隊長・佐藤正久さんと、女性議員では片山さつき・稲田明美・高市早苗・TPPで野田さんをとっちめた佐藤ゆかりさんを加えましょうよ!ね

・・・ゆかりさんに願います、ノブタをやっつけたTPPでのラチェット項目とかの質問を晋三さんにもやって下さい・・・マスコミがいない所でOKですから・・・

投稿: 心配性君 | 2013年10月13日 (日) 17時49分

最近ようやく消費税アップに対する心のかさぶたが取れてきました(笑)。
いまだに容認なんてするもんか!と一人で息巻いておりますが、アップ確定前までの心の熱さを考えますと、非常に低温状態の毎日です。
3歩進んで2歩下がる・・・と歌のもんくではありませんが、実感としては1歩進んで3歩下がったような気が致します。しかしそれは直線的な日本人の思考の落とし穴かもしれません。
現実は360度全方位に道は開けているのであって、今回は後退したにせよ後方180度に新たな展開をし、合わせて前方の情報も1歩分だけは確実に入手できた!と考えればまんざら悪くないのかも(笑)
私のように東南アジアで商売をして生活していますと、日本人的な感覚(まじめ、律儀、正直)だけでは不利を被ったりストレスだらけの日々になってしまいます。周りは現地人と華僑だらけ(笑)本音を言えば「出来るだけ深い係わりを持たないようにする」といったところですが、そればかりでは商売が成立しないものですから、程ほどに予防線を張りながら凌いでおります。
話が横道へ逸れてしまいました。
結局のところ政治家とは「命を惜しまない」というところに政治屋との違いがあるような・・・・

まぁ、コレをいえるのも日本の政治限定ですがね。なぜならばこちら現地では選挙の度に候補者も含めて大勢が殺されますから、本当の命懸けです(笑)

お~い、侍! はやく名乗りを上げよ!


投稿: 南国通信 | 2013年10月14日 (月) 15時01分

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