ガラカーか(?)
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日経新聞をやめてせいせいしていたのですが、ネットの日経新聞ニュースで変な記事を目にしました。欧州のクリーンディーゼルと対比して日本のハイブリッドカーがガラケーの二の舞になるのではと言うのです。
筆者が未だに使っていて、これ以上の機能がなぜ必要なのかよく分からないガラケーの評価はともかくとして、ハイブリッドカーがガラパゴス化すると言うのは聞き捨てなりません。早速拙ブログにて反論する事にしました。
(危うくガラカーになりかけたホンダ・インサイト なんちゃってと言われたが結構燃費は良かった。その後ホンダのハイブリッドは大幅に進化する事になる。)
前から思っていたのですが、新聞記者やジャーナリストと言われる人達は底が浅過ぎます。商売柄かもしれませんが、上辺だけ舐めて分かったような気になり、自分に都合良く創造した根拠なきストーリーにそって報道しますから、その道の専門家から見れば殆どがいい加減な記事という事になります。
その割りには反論が少ない気がしますが、皆大人しいのか諦めているのかよく分かりません。いずれにしても叩かれない事が、この種の連中を増長させている事は間違いないのではないでしょうか。左翼が多いし偏向報道はするしで本当にムカつく連中です。(笑)
少し考えれば分かりますが、2012年で2600万台と世界一の販売台数を誇る日本のメーカー群が大きなリスクを冒してまで誤った選択をするでしょうか。自動車は携帯や電機製品とは違って環境、エネルギー問題に直結しますから誤った選択は存亡に関わります。
当然世界中から情報を収集して間違った方向にいかないよう細心の注意を払う筈です。そこら辺の中小企業とは訳が違うのです。10年20年、あるいは50年くらいまで先を見据えた戦略を立てている筈です。
では、その場合の指針は何でしょうか。そうです。グローバル企業にとって何と言っても怖いのは規制です。地球の明日を左右する問題だけに非常にシリアスなのです。具体的に言うと、日米欧に於ける安全性、また排ガスや燃費規制にひっかかると商売が出来ません。当然ナーバスにならざるを得ないのです。
そこでメーカーがどう考えるかと言えば全方位作戦です。考えられる可能性を全て網羅しておく、これが理想です。ところがそんなことが出来るメーカーは世界広しと言えどもトヨタくらいしかないのではないでしょうか。
全ては資金力と技術力(プラスαがあるなら政治力)にかかっているのですが、そのトヨタを見ていれば大抵の事が分かります。ではそのトヨタが環境・エネルギーで何を目指しているかと言えば、明らかに低炭素、省エネ、クリーン化です。
つまりガソリンエンジンの場合はダウンサイジングやハイブリッド化、またディーゼルエンジンはクリーン化で、さらにEV、燃料電池車等が目指す方向である事は論を俟ちません。その中での選択という事になりますが、中でもトヨタが今一番力を入れているのはHV (ハイブリッドカー)に見えます。なぜなら今のところポテンシャルが一番高いからです。
「米では2025年に日本の大あまのJC08より厳しいCAFE 基準 (Corporate Average Fuel Economy)でリッター25.9キロという厳しい規制になる。欧州では2020年に24.3」
では何のポテンシャルかと言えば、近い将来の日米欧の排ガスと燃費規制に対してです。欧州は2020年、米は2025年から飛躍的に厳しくなります。その規制を確実にくぐり抜けるのは、今のところ数が望めそうもないEV を除けば世界でもプリウス、アクア、アコードハイブリッド、フィットしかありません。全てHVです。
クリーンディーゼル(?)無理です。(笑)ハイブリッドと違って物理的限界が見えています。日本人は欧米崇拝が抜けず、特にドイツに対して劣等意識があるようですが、ドイツが進めていて既に60%を超えるクリーンディーゼルを100%にする事は色々な意味で不可能なのです。
エンジンの特性としてトラックのような大型車や大きな低速トルクを必要とするクルマは残るべきでしょうが、乗用車という事になると疑問符がつかざるを得ません。特に小型車はコストや重量の点で全く不利です。アウトバーンを200キロ以上で走る高性能車に適さない事も自明です。
さらに言えば石油を精製する時に同時に生産されてしまう連産品を捨てる、あるいは輸出するのではディーゼル化の意味がありません。つまり軽油だけを取ってガソリンを他国に売るという訳にはいかないのです。他国はガソリン車で良いのかという事になり地球全体で見ればおかしな事になります。
(ガソリン消費量が減っているのは燃費が改善されているのが大きい、特にハイブリッド車が貢献している)
という事は、日本にも言えますが、ガソリン車とディーゼル車の比率を適正に保つ事が低炭素、省エネにも繋がるという訳です。日本で言えばガソリンの比率が高過ぎ、他の連産品を再精製してガソリンを取り出すなどというバカな事をしていますが、ディーゼル車を今より5%ほど(推定です)増やす事で解決するのではないでしょうか。それでCO2が100万トン以上削減出来るそうです。(注、CO2温暖化説はないと思われますが、としても増え続けていいという事にはなりません)
その場合、日本はクリーンディーゼルで遅れをとっているから輸入に頼るしかないと思うあなたはジャーナリストレベルです。(笑)決して遅れを取っている訳ではなく、ハイブリッドの方がポテンシャルが高いのでそちらに振り過ぎているだけです。あるいは排ガス問題もネックでした。
ディーゼルエンジンはCO2排出に関してはガソリン車よりアドバンテージがありますが、環境汚染の主役であるPM2.5(微小粒子状物質/発がん物質)をバラまきますから、二の足を踏んで来たいきさつがあるのです。
その為既にディーゼル化が進んだ欧州の環境問題はかなり深刻です。ただ、遅ればせながら、これまであまかったディーゼルに対する排ガス規制が日欧で格段に厳しくなって来ましたから、今後は変わって来ます。
(日本では2009年から厳しくなっているが、欧州は遅れている)
世界で最も厳しい規制値を採用した日本でも、メーカー平均値である燃費規制に影響が出ない範囲でディーゼル車が普及する余地が生まれたという訳です。最近出て来たマツダのCX-5 等を見れば日本のクリーンディーゼル技術が非常に高い事が伺えます。いえ、そもそも欧州と言えども日本の技術無しでは成り立ちません。
クリーン化の肝である高圧コモンレール燃料噴射システムはトヨタ系列のデンソーが95年に開発に成功し、今でも世界をリードしています。後処理システムも日本がリードしてきた分野です。それでもトヨタがディーゼルに熱心でなかった事に思いを馳せましょう。そうです。いつでも間に合うからです。
ところで日本人が崇拝してやまないドイツは、その排ガス規制に反対しているそうです。特にダイムラー社(ベンツ)が強硬に反対していると言います。大排気量車が多い事もメーカー平均値で見られる規制に対して大きなハンデなのですが、コストや性能面での競争力低下を憂慮しているのではないでしょうか。
しかし、大気がきれいになる事に反対するくらいなら、ハイブリッド化を進めればいいじゃない(?)と思うのは筆者だけでしょうか。ディーゼルのハイブリッド化という手もありますから、欧州がガラパゴスにならない為にも先輩のトヨタやホンダに遠慮する必要はありませんよ。(笑)
ダイムラーのような優良企業に先見の明がなかったのは解せないとおっしゃる貴方、日経新聞記者レベルです。反日マスコミやドイツ企業のプロパガンダに乗せられています。
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コメント
> ガラカーか(?)
・・・欧州・米州・亜細亜勢は日本メーカーの革新開発技術・量産品質に付いてこれないのでしょう・・・ドイツにしてもBMWがトヨタからHVを導入する方向であるらしいし、ホンダとGMは燃料電池以外でもHVでのやり取りがあるかもしれない・・・単なる推定ですが。ポルシェとかフェラリなどもHV導入へのショウカー等へのレベルの高いマジな提案傾向が顕著であり、それらの現象を客観視すれば、当分10年先ぐらいまではHVが主流でしょうね。あちらこちらの公開された情報を繋ぐと以上の結果が出ました。
・・・日本の新聞/テレビ情報は大局が全く見えていない目先の損得情報とかお花畑的洗脳イメージが多い様に感じます。人民日報より日本の保守側に悪口を浴びせる朝日とかね。経済も軍事外交も文化文明も・・・メディア君達に一番足りないのが人類とか地球への愛情・知性と品格・・・
投稿: AZ生 | 2013年12月16日 (月) 20時20分
> ダイムラーのような優良企業に先見の明がなかったのは解せないとおっしゃる貴方、日経新聞記者レベルです。反日マスコミやドイツ企業のプロパガンダに乗せられています。
・・・多分、BMW以外のドイツ車両メーカー、英仏伊等HV/EV技術の取得・把握に血眼状態と想像致します。
投稿: AZ生 | 2013年12月17日 (火) 13時38分