« クルマに未来はあるか | トップページ | ホンダイズムを侮ってはいけない »

2013年12月 5日 (木)

クルマのない世界なんて・・

Photo            

----- TPP 日中韓FTA 消費税増税に絶対反対 ------

ブログランキングに参加しています。

筆者のように日本の乗用車の黎明期に生まれ、共に育って来た世代はクルマのない世界なんて考えられないのですが、最近の若者はそうでもないようです。凄く不思議な気がします。

なぜでしょうか(?)そこは今回のテーマではないので詳しくは触れませんが、草食系と言う言葉と無縁ではない気がします。ワイルドでなくなって来ているのでしょうか。だからわざわざ「ワイルドだぜ」などと言うのかもしれません。

そういう筆者のような世代にとって電気自動車はピンと来ません。前回も言いましたが、エンジン音が全くしないクルマなんてクルマとして認める訳にはいかないのです。むしろ電車と言うべきか。。

L_yh20131122hona_fcv_f_190px

L_yh20131122hona_fcv_r_190px

(ホンダのFCV コンセプトカー 航続距離480キロ以上 水素の充填時間3分 出力100kw では動力性能的には未だもの足りない)

という事は、FCV(燃料電池車)も駄目という事になります。動力がモーターだからですが、EV を複雑にしてコストを高くしたものに魅力は感じません。EV は構造がシンプルだからこそ取り柄があるのです。従ってPHV(プラグインハイブリッド)の場合でもシリーズタイプは厳密に言えば駄目です。

エンジンで走らないのにエンジン音がするなんて、そんなバカな話はありません。詐欺のようなものではないでしょうか。(笑)ただこの場合は、従来のガソリン車と同じくガソリンさえ積めばエンジンで発電しますから後の面倒な事からは解放されます。

例えば毎日充電したり電気スタンドを探したり、例え見つけても20〜30分どうやって時間を潰すか等々です。話は戻りますが、FCV の場合、液化水素を積みに行かなければならないというのは考えただけでもゾッとします。お近づきになりたくないなあ。(笑)

独断と偏見ばかりで恐縮ですが、そう考えた時に既に実績のあるHV が非常に好ましいものに思えて来ます。基本的にはEVユニットもガソリンエンジンも従来技術の延長であり、既に市民権も得、理解しやすい世界なのです。

Photo
(独自の先進技術で画期的な性能を実現しトヨタに襲いかかったアコードハイブリッドだが、見え方は普通だ。デザイナーとしてはもの足りない。)

さらに好ましい事にはどんどん進化しています。このところのホンダのHV 大攻勢を見れば明らかなように、HV 大競争時代に突入したのです。トヨタなどは次に出すHV がホンダより絶対に劣る訳にはいかないという高いハードルが出来ました。

他のメーカーだってそうです。下手なHV なら出さない方がましです。そう言えば、どことは言いませんが中途半端なHV を売って恥をかいた国がありましたね。(笑)おまけに燃費を誤摩化したり。。

それにしても、誰が今日の状態をプリウスが上市された時に予想したでしょうか。あるモータージャーナリストなどは、物理的にガソリン車やディーゼル車より優れる訳がない、すぐにポシャるだろう、などとのたもうておりました。隔世の感があります。

筆者は「21世紀に間に合いました」というプリウスのコマーシャルを見たとき、これは時代が変わるぞと思いました。(笑)特に根拠があった訳ではありませんが、可能性を本能的に感じたのです。新しいものや珍しいもの好きの日本でなら成功するだろう、いやガラパゴス日本以外ではあり得ないかも知れないと思った訳です。

54eceefe24cb990dd4bf32569411f94f

   (今から見れば、よく売れたなあという感さえある初代プリウス)

意外な事に、米でも環境問題を憂慮するインテリ層に支持される事になります。ガソリン代が日本と比べてバカみたいに安い米国で、ある程度の地位を得た事は大きいのではないでしょうか。つまりコストより環境を取る人類がそこにいたのです。

時は流れプリウスは早くも3代目となります。その間HVは改良を重ね多くの車種に設定されました。販売台数はトヨタだけでも累計500万台超と右肩上がりで増えています。これからさらに厳しくなる排ガス規制や燃費規制を考えた時に、HV は主役の座を射止めたのです。

その独壇場とさえ言えるトヨタの牙城に待ったをかけたのが他ならぬホンダでした。3タイプのハイブリッド方式をひっさげ、初期のなんちゃってHV から大変身を遂げようとしています。

例えばアコードハイブリッドの場合、ガソリンエンジンよりも大きい出力(124kw)のモーターを積みますから発進や街乗りでは快適なモーター走行が出来ます。(苦笑)低速域で強いモーターの特性が最大限活かされるという訳です。

70キロ程の速度となった時点で高速用に開発されたアトキンソンサイクルエンジンと動力が切り替わります。モーターとは切り離され、さらにトランスミッションがない直結ですから軽快に廻る事でしょう。

そこはこの専用2リッターエンジンの性能が、まんま試されるという訳です。いずれにしても200キロくらいまでなら問題なく出るのではないでしょうか。問題はアウトバーンなどの、そこから先の世界ですが、それに関しては長くなりますので今回触れません。

このアコードの、シリーズ方式にガソリンエンジン駆動という付加価値をつけた形のツーモーターパラレル方式(シリーズパラレルハイブリッド)は、考え方によっては非常に合理的なシステムではないでしょうか。正にいいとこ取りです。

航続距離も実用でリッター20キロ走るとすれば1000キロ(東京博多間)と言うとてつもないものになります。普通の使用では月に一回ガソリンを給油すればすむという事ですから無精者にはたまりません。

「でもハイブリッドは余計なシステムを積むから重い」だの、「リチウムイオンバッテリーはまだまだ高い」だのと言われるかも知れません。しかしよく調べて下さい。同じようなクラスと比較して圧倒的に重いという事はありません。

例えばBMWの5シリーズとの比較では、同等性能の車より140キロも軽く、コストは半分近く安いのです。国産ガソリン車との比較でも、パフォーマンスを思えば決して高過ぎるという事はありません。リーズナブルと言える範疇ではないでしょうか。

筆者はアコードの宣伝をしても一銭にもなりませんが(笑)プリウス一辺倒で最強のシステムと思われたパワースプリット型HV(THS)が色あせるくらいHV の一大転機となったエポックメーカーとしてのこのクルマを取り上げない訳にはいかないのです。

Honda_nsx_conce

(V型6気筒エンジンと3個のモーターを組み合わせた新世代ハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドSH-AWD」を積む2代目NSX、 ハイテク満載で、これが2015年に発売されたら欧州のスポーツカーはかすんでしまうだろう。その代わり、価格も目がかすむ1000万円超と言われている)

発想の転換と執拗とさえ言える各部品、各要素の高効率化によって世界は変わりました。つまり随分と前から色々試されて来たHV というシステム、未だ未だ先がある事を予感させてくれるのです。

例えば新型NSX、 3モーターの二つは前輪を駆動します。つまり盾置き3.5リッターツインターボエンジンが後輪の駆動を担当するという四輪駆動システムは、考えるだにもの凄いものになりそうです。

これは従来のミッドシップ4WD と違って駆動用のシャフトやデフがない分エネルギーロスがなくトルク制御も容易になります。また、レイアウトに自由度が大きく、電池やEVユニットの搭載位置からも重量配分的には理想に近いものが得られるのではないでしょうか。

つまり、環境省エネをエクスキューズにした消極的ハイブリッドではなく、その利点を最大限生かした積極的ハイブリッドとしての存在感を示すことが出来る「スポーツハイブリッドSH-AWD」の登場は、単なるスポーツカーと言うより、高級セダンやクロカンまでを網羅したオールマイティシステムとして別次元へ昇華する可能性を秘めていると言って過言ではないでしょう。。と期待が膨らんでいる訳です。(笑)

ところで、欧米でも研究され少量なら発売もされていたハイブリッドシステム、後発ながら本格的に量産化したのはトヨタです。なぜでしょうか。お金があるから(?)それは確かでしょう。(笑)

また長くなりました。続きは次回という事で。。

 ブログランキングに参加しています。共感いただければクリックをお願いします。

|

« クルマに未来はあるか | トップページ | ホンダイズムを侮ってはいけない »

自動車」カテゴリの記事

コメント

ピントがずれているかもしれませんが、私が子供の頃に夢中になった漫画や空想の世界ではワクワクする乗り物が沢山登場していました。流星号やシュピーゲル号、ワンダー3のタイヤ型の乗り物、サンダーバードの豪勢な武器付きのリンカーン?、そして個人的に一番あこがれたのがウルトラセブンに出てくる「ポインター号」。あの時代はまだ自家用車なんてお気軽に買える時代ではございませんでしたから(笑)。
さて今のお若い方々ではどうでしょうか?車はあって当たり前、ヘタすりゃ一人一台なんてのも地方都市へ行けばよく耳に致します。
それだけ夢や憧れの部分がなくなり、代わりに現実的な道具やメカとして認識をされているのではないでしょうか。
私は物の歴史としては順当な流れだと考えます。
しかしそれでも個人的にはガルウイングの車には心がときめきます。

投稿: 南国通信 | 2013年12月 5日 (木) 17時50分

ずっと長いこと子供がおしゃべりを始めるころ、クルマのことを「ブーブー」と教わってきた。

ところが今やHVもEVも無音で走り出すわけで、今後はこの幼児語は一体どうなってしまうんだろう?

物心ついた頃に自分の家にあって最初に認識したクルマがHVやEV。
そういう世代が大人になって子供ができたらクルマのことを何て言って教えるんだろう?

投稿: ポール | 2013年12月 5日 (木) 18時40分

 本日の新聞にスペイン北部で発見されたハイデルベルグ人?と推定される人骨から40万年前のミトコンドリアDNAの分析に成功した記事がありました。氷河期の欧州では広範に異種間交配が行われ、現在に至っている様です。
環境ストレスに晒されている自動車と人との共進化でホンダさん等、日本国内メーカー内での技術のクロストークがどのような車の未来を招くのか、
非常に楽しみです。技術の事はさっぱりわかりませんが、ホンダさん「H」なだけではないですよね...?

投稿: toro | 2013年12月 5日 (木) 20時38分

 やはり専門分野の最前線に立つ人の見解には納得しますね。私も自分の仕事に関する見解にはそれなりの自信と誇りを持って披瀝できますが、車に関しては田中社長には一目置かせていただきます。
 今、私が仕事で乗っているのはスズキの軽ワゴン車ですがターボ付きで加速抜群、燃費は市街地走行で16km/Lです。混雑した市街地でもスイスイ走れます、欠点は横風に弱いことです。しかし、この車の加速、軽とは思えない速さです。米国に悔しかったらお前もこんな車作ってみろと言いたいです。
 数年前に久しぶりにハワイに行きましたが アラモアナショッピングセンターの駐車場にオイル漏れのシミがほとんど無くなっていたのには驚きました。15年程前には殆ど全てシミだらけでした。街を走る殆どの車は日本車に見えました。それがどこで造られたかは判りませんが、殆どが小さめの車、トヨタ、ホンダに見えました。ちょっと誇らしいですね。
 20歳代の前半、友人とレンタカーでしたがホンダのS6で房総半島を一周したことがあります。あんな車が今有っても好いのではないでしょうか。小さいながらも快適でした。

投稿: 真部 | 2013年12月 5日 (木) 20時48分

>ターボのないクルマ世界なんて・・(へそ曲がりのCarlyが勝手に改題)

ロサンゼルスショウに出品された未来感満点のホンダFCVコンセプトカーとかNSXに、2015年に発売との噂の「シビック・タイプR」に搭載されるらしき2000cc4気筒直噴ターボエンジン(最高280馬力+αで、欧州の排出ガス規制「ユーロ6」に適合?)を搭載したらば、私も乗ってみたいですね。勿論高回転ホンダサウンド付きで(肉食系男子DNAの血が沸きます)。オリジナルのFCVバージョンと乗り比べしたりして・・・

投稿: Carly | 2013年12月 6日 (金) 15時38分

今回の東京モーターショーにおけるホンダの発表の模様をYouTubeで拝見しましたが、このほかにVTEC TURBOの1.0、1.5、2.0Lの発売も予定しているようです。まさに今の自動車税改正の動向を先取りするような動きにも見えますが、在来モデルの改良も怠らずホンダはそれだけ技術の懐が深いのだと思います。

同時に来春には5ナンバーのHVセダンを発売することも表明していましたが、恐らく1モーター方式のFIT-HVとは異なる2モーター仕様としてくると考えられますので、性能的にはトヨタのプリュウスを凌ぐモデルに仕上がってくる可能性があります。

投稿: 三郎 | 2013年12月 8日 (日) 21時35分

ホンダは好きなメーカーです。癖のある車で昔は乗りにくかったところもありましたがやっぱり好きです。
 草食系男子が車を好まないのではなく、都市に若者が多くなった結果、車の売り上げが伸びないのではないのでしょうか?電車やバスや公共機関?の交通も嫌いではないですが、便利で不自由さを補う車の良さは地方に住む人が増えてこそ発揮されると思います。
 母の車がプリウスで運転したことがありますので悪くないのですが、車の運転をじっくり味わいたいならオートマでは私には物足りないです。時代遅れの考えかもと思いますがギアチェンジの楽しさのあるマニュアルがほぼ無いのも車に惹かれる若い男の子を減らしているのではないかと思います。
 実質マニュアルは全く便利では無いのでしかたないのですけど。

投稿: nao | 2013年12月 9日 (月) 00時56分

7年前の12月8日、一人の日本人が成田からロサンゼルスへ片道切符でB747に搭乗しました。到着地での入国はいつもと違う窓口〔米国内居住者用〕での手続き・・・やったー、ガラガラに空いているぞ。埼玉県警発行の〔無犯罪歴証明〕とか〔HIV非感染証明〕とかの封筒一式を係官へ手渡しいたしました。「Wellcome to USA!」と言われたかどうかは忘れましたが、あのねえ君、「今日は何の日か知ってるかい?日本がパールハバーへアタックした日だぜ!今日は君~、変な事しちゃあダメだぞ~!」・・・等とは言われずに永住権の手続きは完了しましたっけ。

投稿: Carly | 2013年12月 9日 (月) 01時56分

新婚旅行でハワイへ行ったことを思い出しました。
湾内クルーズで米人のツアーと同乗。戦没者の慰霊との事(by 日本語のアナウンス)米人と片言の英語で『君たち若者には恨みはない』と言っていた様な。『黒澤監督が好きだ。』『い・さ・ら・ば』という言葉は?と聞かれたが『・・・・』船を下りるとき先ほどの米人に言いました『いざ!さらばじゃ!』と。数十年前のはなしです。それからの日本の技術の発展には目を見張るものがあります。当時の日本車は走行安定性が劣っていてフリーウエイが怖くて走れなかったことを思うと隔世の感があります。日本の技術を誇りに思う!

投稿: Go to | 2013年12月10日 (火) 10時30分

初めてコメントを書きます。日本の製造技術のすごさを教えていただき、お礼申し上げます。「日本の失われた20年はウソ(?)」2013.8.31 のなかで、純国産の新鋭戦車は世界ナンバーワンとありました。その後、他のブログ「余命3年時事日記」自衛隊OB放談会 自衛隊総合火力演習 2013.9.13 でこの戦車に触れて、「戦車が左右にスラロームしながらの実弾射撃がことごとく命中するのがあたりまえ。アニメの世界です。しかし軍事専門家や各国武官はその困難さを知っているだけに、今年もため息としらけっぱなしでした。昨年登場の時の衝撃こそありませんでしたが・・・」とありました。まさにブログ主様が仰るとおりでした。本来、このようなことはマスコミが大きく取り上げるべきなのに伝えないで、マスコミは秘密法案に反対しています。


投稿: 古格 | 2013年12月10日 (火) 21時51分

初めてコメントを書きます。日本の製造技術のすごさを教えていただき、お礼申し上げます。「日本の失われた20年はウソ(?)」2013.8.31 のなかで、純国産の新鋭戦車は世界ナンバーワンとありました。その後、他のブログ「余命3年時事日記」自衛隊OB放談会 自衛隊総合火力演習 2013.9.13 でこの戦車に触れて、「戦車が左右にスラロームしながらの実弾射撃がことごとく命中するのがあたりまえ。アニメの世界です。しかし軍事専門家や各国武官はその困難さを知っているだけに、今年もため息としらけっぱなしでした。昨年登場の時の衝撃こそありませんでしたが・・・」とありました。まさにブログ主様が仰るとおりでした。本来、このようなことはマスコミが大きく取り上げるべきなのに伝えないで、マスコミは秘密法案に反対しています。


投稿: 古格 | 2013年12月10日 (火) 21時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« クルマに未来はあるか | トップページ | ホンダイズムを侮ってはいけない »