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2014年10月

2014年10月23日 (木)

アベノミクスに失望して(後編)

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--- TPP消費増税 /カジノ解禁に絶対反対 ---

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また間が空いてしまいましたが、続きをやります。

90年にバブルが崩壊しましたが、日本のGDP自体はそれ以降も伸びていて95年には名 目で5兆3300億ドルに達します。一方米は同じ年に7兆6600億ドルですから米の70%もあったのです。人口が当時で米の47%ですから、日本がいか に凄かったかという事が分かります。

ところが96年から対ドルベースでのGDPは減って行きます。米が右肩上がりであるにも関わらずで す。さらに97年の消費税アップを境に日本の名目GDPが成長を止めるのです。さらにデフレ時代を経て現在の17年前よりも低いという意味不明な事態に至 るという訳ですが、戦争や大規模天変地異もないのにおかしいとは思いませんか。(?)

これは考えても妙な話です。技術力が落ちた訳でも人口が急激に減り始めた訳でもありません。技術貿易収支が示すように、技術力はむしろ当時より高く、人口にしても大して減っていません。

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[絶対額では米が上だが、技術貿易倍率(技術輸出÷技術輸入)では日本がダントツになる]

そこで詳細に調べてみると意外な事が分かります。実は生産年齢人口一人当たりの実質成長率は微増ながら伸びているのです。2000年以降でいうと1.5%も (笑)あります。名目ばかり見ていると分かり難いのですが、実は実質では悲観すべき程ではないという事実があるのです。

という事はデフレさえ脱却すれば未来はそう暗くないかもしれません。内閣府のデータを基に試算すると、生産年齢人口一人当たりの実質成長が1.5%もあれば、例えば社会保障問題にしても、2040年の65歳以上人口がピークに達する時でも何とかやっていけるのです。

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 [この統計自体の信憑性はともかく、正しいと仮定して計算します]

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[生産年齢人口一人当たり実質で1.5%の成長は、国全体としては、この間実質で 0.36% (平均)の成長に過ぎません]

さらに税収弾性値が3以上あればプライマリーバランスも10年以内にプラスに転じます。最近10年の税収弾性値の平均が4.2もありますから、これは荒唐無稽な話ではありません。消費税アップなどのマイナス要因がない限り十分達成可能なのです。

では、なぜ一人当たり実質成長率が上がっているかと言えば、生産性の向上があったと考えるのが妥当でしょう。専門家もそう分析しています。コンピューターやロボット化でそのくらいは行ってもおかしくありません。

ところでGDPとは人が産み出す付加価値の一国における1年間の総合計の事です。簡単に言えばどれだけ働いてどれだけの富を産み出したか、です。だとすれば、おかしいではありませんか。生産年齢人口一人当たりの実質成長が伸びるのが生産性向上によるものだとすれば、その肝心な付加価値アップ分はどこに行っ たのでしょうか。

95年当時と比べて、明らかに技術力が上がっているので、その分の付加価値は製品にプラスされている筈です。身の回りの ものを見ても、性能が上がって、さらに省エネになっています。見え方も良くなり品質の向上は著しいものがあるのです。それが20年も前と価格が変わらない などという事があっていいのでしょうか。

いいえ、良い訳はありません。付加価値が上がった分はどこかに現れてなければならないのです。それは為替で調整されている筈、と言われるかもしれません。つまりデフレだったので、対ドルレートに高く出て来る筈でしょう・・私もそうだと思ったのです。

ところが為替の推移を見ると95年はすでに1ドル100円になっています。今は106円ですからむしろ今の方が安い。。(笑)いえいえ笑えないのです。日本の20年分の付加価値が飛んでしまったのですから。。

しかし考えてみて下さい。それだと日本製品の競争力は抜群の筈です。倍の付加価値が半分の価格で手に入るのですから売れまくるでしょう。ところが好事間多 し、現地生産化と、それによる副産物である円建て輸出が40%にも達し、さらに輸出のメインは生産財に移っています。つまり為替のメリットは限定的なのです。この状態での円安はいかにも厳しい。。

では、なぜそういう事態に陥っているかです。例えばデフレでなかった場合はどうだったかという事を検証しましょう。95年頃まではそうであったように、順調に付加価値分が乗っけられていたとして、自動車などは倍以上になっているでしょう。当時200万円のクルマは今は400万円です。プロとして、どう少なめに見てもそのくらいの価値にはなっています。

その場合、従業員数が変わらないとすれば自動車会社の社員の給料は倍近くになっていなければいけないのです。という事は他の産業、例えば生産性が高くない労働集約型のサービス業なども、自動車産業などにつられて人件費が上がる事になります。

当然その分物価は上がります。先進国の物は何でも高い訳です。世界中どこで作ってもパン一個の値段は変わらない筈、なんて言っても空しいのです。(笑)生産性が高く高付加価値型の製品が作れる国は人件費が高くて当たり前なのです。

という事は発展途上や改良の余地がある分野だけが成長するというのは間違いで、そういう付加価値が伸びる産業を一定数以上持っている国は、付加価値が上がり難い労働集約型産業も含め国全体が経済成長するのです。

つ まり20年前より正常に進化していれば、資本集約型の基幹産業(日本で言えば自動車でしょうか)は倍の付加価値に達しているとして、GDPにすれば単純計算で1000兆円、米が1700兆円なので約60%という事になります。米の人口増を考慮すれば95年当時との比較で妥当という事になるのかも しれません。

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 [この表は日米中の名目GDP の推移ですが、ジョークとしか思えません]

しかし、これでも私は納得しないのです。(笑)だって変じゃありませんか。95年当時との比較で米が2倍以上の付加価値を積 み上げて来た(?)はあっ~です。日本は明らかに2倍以上はあるでしょう。さらにそれ以上の分野もありますが、それらがデフレで抑えつけられた状態では国全体が成長しません。

さらにデフレでは開発予算もケチられますから、本来伸びるところが伸びていない可能性もあります。デフレの罠にどっぷりと浸かってしまったという訳です。それやこれやを加算して行けばGDPはざっと1500兆円でもおかしくない。死んだ子の歳を数えるようで詮無いのですが、 米と肩を並べていても何の不思議もないでしょう。

そこで思うのが今後の事ですが、例えばコンピューター等の性能が上がるとともに製品の付加価値は加速度的に増えて行きます。資本集約型の場合、人の労働時間だけでは付加価値の量を測れません。遠い将来には今の百倍、千倍にも成りうるのです。その場合、その産業に従事する人の賃金も百倍、千倍になるとすれば・・・GDPだってそれに引っ張られなければおかしいのです。

という事は、高付加価値を産み出し育んで行ける日本のような国は天井知らずという事になります。反対にその能力のない国は置き去りです。但し、これには条件があります。行き過ぎたグローバル化は論外で、今のような技術漏洩、秘密情報駄々漏れ状態もあり得ないでしょう。

具体的に言えば、資本集約型に引っ張られて人件費の上がった労働集約型産業、例えば農業などを保護し、そのために重商主義と後ろ指さされないよう、外需に依存しない貿易体制作りをし、また輸入を出来る限り減らして貿易収支の均衡を計ると共に内需を拡大する、さらに海外進出も可能な限り抑えて技術の漏洩を防ぐ、そういう政策が必要 となります。

この条件さえ満たせば、日本が圧倒的な覇権国になり得るのではないでしょうか。それを恐れる国や勢力が今のうちから、その芽を潰してしておこうと考えても不思議はありません。その為には政治やマスコミを支配する必要があります。反日国を周辺に配して何かと足を引っ張る事も大事で す・・・何となく今の状況が分かって来るでしょう。(笑)

しかしながら、戦後レジームからの脱却と言いながら、それらの邪悪な阻害要因に易々と籠絡されているのが現実です。冷徹な分析をすれば総合力としての日本はそんなものかもしれません。大東亜戦争に負けるのも必然と言えば必然なのかもしれないのです。。。

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