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2015年1月10日 (土)

FCV は EV どころか HEV にさえ勝てない(?)

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--- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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前回の続きですが、FCV や他の環境対応車に関してもう少し掘り下げてみます。まず末端(Wheel)での走行コストを調べてみました。一応実用燃費が前提の計算です。



<1キロ走行当たりコスト>



EV      2円(リーフクラスで深夜電力使用の場合)



HEV      5円~10円



ガソリン車  15~20円(大型と軽を除く)



FCV       13~15円(日石、イワタニ)



FCV の Well to Wheelでのトータルのエネルギー効率は 30%以上でHEV と同等、ガソリン車の倍くらいでしょうか。因にEVはガソリン車の3倍以上ですから50%くらいはあるようです。CO2も一番出しません。

0216             (水素ステーション)

FCV の問題は水素供給システムにあります。家庭用燃料電池は水素の元になるガスのインフラが既に出来上がっているので何の問題もありませんが、移動する燃料電池はそうはいきません。ガスやガソリン以上に扱いに神経を使う液体水素に変えて運搬しなければならないのですから厄介です。さらに新たに水素ステーションを建設しなければなりません。

その、従来のガソリンスタンドに代わる水素ステーションの建設には今の時点で4億6千万円もかかるのです。これはガソリンスタンドと比べて5倍程度と言います。その償却費用が日赤やイワタニが出している1kg 1000円ちょっとのコストに含まれているかどうかは不明です。(多分含まれない)



まあでも常識的に考えて、天然ガスを改質する今のやり方にしても改質、精製に電気を使う訳です。その過程でCO2も少なからず出します。だったら最初から電気で充電するのが簡単で合理的です。という事は、リチウムイオン電池などの二次電池の性能が上がって来ると、たちまちFCVは窮地に追い込まれる訳で、現時点でも非常に危うい立場にあると言えるでしょう。

そんなものに関係者以外で投資する(水素ステーション等で)人がいるとは思えません。だからトヨタは仲間を沢山作らなければと、焦っているのではないでしょうか。。

補助金にしても、202万円も出すのでは菅ー孫ラインの太陽光利権を悪く言えません。最終的にそれを負担するのは一般国民ですから。

政府が水素エネルギー社会とか言って規制緩和を発表したり音頭をとっているというのも胡散臭い匂いがします。利権に敏い連中は信用出来ません。どうせ政官民の癒着でしょう。(笑)いずれにしても問題山積なのがFCVという訳で、それでも新しい事をやろうという意欲だけは評価すべきですが。。

こう書いているからと言って私は EV 信奉者ではありません。むしろ嫌いなんです。何か自動車らしくなくてオモチャっぽいとでも言いましょうか。やっぱりエンジンにはDOHC とか電子制御燃料噴射というキラキラした名詞がつかないと所有のモチベーションが湧きません。ただこれから厳しくなる先進国の排ガス規制や燃費規制をクリアしていく上で一定数の EV をラインに含める事は不可欠であるという事実は無視出来ないのです。。

ともあれ、現時点で総合的に評価をしていくとハイブリッドカー(HEV)にアドバンテージがあると言わざるを得ません。何と言ってもエンジンがあるのがいい(笑)高回転で高トルクを発生するガソリンエンジンと低回転域に強いモーターの組み合わせは相性がよく、価格と重量増の問題さえクリア出来ればマスを取るのも夢ではないでしょう。

そういう点でも中途半端なプラグインHEV はお勧め出来ないのです。EVのネガティブな面を持ち過ぎます。例えば家で充電と言っても一戸建ての人はいいですが、そうでない場合はメリットがありません。一戸建ての場合だって通勤に使っているとして毎日充電というのも煩わしいです。

ちょっとの事でも毎日となれば面倒なものです。さらにHEV に比べて二次電池を100キロ程も多く積みますから、重量増のデメリットは計り知れません。スポーティな走りが阻害されます。

そういう目で見て来るとメーカー別で見た場合、ホンダの新しい3タイプのハイブリッドシステムの合理性、優位性が浮かび上がります。もちろん歴史あるトヨタのやや複雑なプリウス方式も既に日米で市民権を得、むしろメジャーの風格さえありますから否定するものではありません。それに対抗する上でも二番手メーカーの戦略が注目されるという訳です。

03     (2月発売のホンダハイブリッドカー・ジェイド i-DCD 搭載)

さて、初めて採用したDCT(デュアルクラッチトランスミッション)がメインの不具合で5回もリコールを繰り返したというホンダの1モーター小型車用HEV システム「i-DCD」はグレイスでようやく落ち着いたようです。これはモーターがエンジン、ミッションと一体型で軽量コンパクトが売りです。エンジンはアコードにも採用されたアトキンソンサイクルエンジンの1.5リッター版で、JC08モード燃費は34.4km/リットルにもなります。

48Vのリチウムイオン電池を搭載するこのタイプは、欧州で2016年あたりから小型車の主流になると言われるマイルドハイブリッドに近いものと思われますが、そこは未だ詳細が不明なため比較出来ません。言える事はインサイトに搭載され「なんちゃって」と言われたIMAをベースにホンダが社運をかけ大幅に燃費を向上させたシステムを凌ぐものが簡単には出来ないだろうという事です。

次に中型車用2モーターの「i-MMD」はアコードに採用されていますが、前に試乗レポートで書いたように、構造がユニークでホンダらしく思い切りのいい良く出来たシステムです。低速域は高出力モーターに任せエンジンはもっぱら充電用として働く、70km/h以上では反対にエンジンが直結で駆動し高速域での燃費を稼ぐというものです。正にいいとこ取りです。これでクラス世界最高のリッター30キロ(JC08)を達成していますから大したものです。

但し、アウトバーンに持っていって200キロ以上でガンガン走れと言われたら降参するしかないでしょう。高回転型アトキンソンサイクルとは言え2000cc 143ps の非力なエンジンでは多くは望めません。ただ、構造の複雑なアトキンソンサイクルエンジンを高回転型として市販用に開発した技術力は称賛に価するのではないでしょうか。

このシステムのメリットは何と言ってもエンジン用のトランスミッションが不要な事です。その分軽量化に貢献します。このボディサイズのハイブリッドとして1630キロは特筆ものです。それもあって100キロ重く100万円以上高いプラグインタイプの必要性は・・どうなんでしょうか。よく分からないのです。

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        (アキュラと同じボディを持つレジェンド)

最後にこの2月に発売される新レジェンドや、随分じらされて待ちこがれている新NSXに搭載される超ハイテク、3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」は画期的です。

ドライバーの要求や走行状況に応じて、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動の3つの駆動方式と、EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブという3つの走行モードの中から、最適な駆動方式と最もエネルギー効率の良い走行モードを連続的に自動で切り替えると言いますから、正に鬼に金棒ではないでしょうか。

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      (リアを左右別々に駆動する二つのモーター)

気になる燃費はレジェンドでJC08 16.8km/L、これをどう見るかは意見が分かれるかもしれませんが、要はパフォーマンス次第でしょう。操縦性や走行安定性にこのシステムがどれくらい寄与しているかで価値が決まります。いずれにしても前述の二つのシステムにないものを満たしてくれるオールマイティハイブリッドシステムです。

このシステムをもってハイブリッドを採用する積極的理由、価値が環境省エネ問題を抜きにしても認められる日が来るかもしれない、そういう気がしているのは私だけでしょうか。。

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コメント

FCV は EV どころか HEV にさえ勝てない(?)

…水素社会は水素ステーション設置等のインフラへの投資が莫大になりそうですね。現段階では先行投資的な限定的生産車両の運用等でコツコツと推進して行くのでしょう。何かのキッカケで大化けするかもしれません。

…将来の可能性としては燃料電池が意外にも潜水艦とか惑星探査衛星の動力源に適しているかもしれない。例としては日本の新型潜水艦はリチウムイオン電池を搭載し、水中騒音が原子力潜水艦より小さい(スクリュウは東芝等の3D切削加工機による?!)ので豪州が欲しがっていて、それを聞いたK国が俺にも寄越せと言っているらしいとか…そんな感じで水素燃料の潜水艦の出現があるかもしれない…

…最近時、中東の原油は政策的に安く出荷しているので北米では中大型車の売れ行きが好転しているらしいです。原油安なので北米のオイルシェール開発政策の採算性が悪化しそうとかロシアが天然ガスが売れなくなって困っているとかアレコレ影響が出ているらしき。
…何れにせよ10年~100年単位での将来展望を描き、都市、住宅、自動車等のエネルギー政策を策定するべきなのでしょう。

投稿: AZ生 | 2015年1月12日 (月) 07時18分


群馬大医学部付属病院(前橋市)の40代の男性医師が、院内の審査を経ずに腹腔(ふくくう)鏡を使った高難度の肝臓切除手術を重ね、術後100日以内に患者8人が死亡した問題で
mixiユーザー
2014年12月03日 17:14
新宿の国立医療センターの造影剤のミスで患者を死なせたのはひとりだけですが、群馬大学医学部附属病院第二外科で腹腔鏡を使って肝臓切除手術をした患者8人が死亡しました。

執刀医は須納瀬豊です。

現在、業務上過失致死疑いで書類送検されています。

殺人外科医 = 須納瀬 豊

投稿: 群馬8人死亡 | 2015年1月14日 (水) 07時36分

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投稿: ロレックス時計コピー | 2020年6月18日 (木) 15時22分

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