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2015年1月12日 (月)

幻想でしかない外需依存前提の観光立国構想

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--- TPP消費増税 /カジノ解禁に反対します ---

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外国からの観光客が昨年1300万人を突破したと昨年暮れにニュースが伝えていました。一昨年でようやく1000万人超えですから一気に30%も増えた事になります。まれに見る急成長ではないでしょうか。

日本の経済再生策のひとつとして政府だけでなくエコノミストにも観光立国を推す人が多くいます。しかしながら、私には発展途上国型外需依存モデルでしかない観光立国に、なぜ今しがみつかなければならないのか、理由がよく分かりません。ひどい場合は海外からの観光客が日本に落とすお金を内需と勘違いしている人すらいるのです。

念のため整理しますが、日本製品を海外まで売りにいくのが輸出で、その成果を外需獲得と言います。これは子供にでも分かります。一方海外からの観光客が日本に落とすのも外需なのです。

売りにいかなくても買いに来るだけです。つまり、両替して円を使うだけで差し引き残るのは国内で使った分の外貨です。よく勘違いされている人が多いのですが、これでは内需拡大になりません。内需とは日本に居住している人の需要の事です。

Japan_tourism

      (日本は世界有数の観光資源国である事は確か)

日本は長年の外需依存策が、結局は上手くいきませんでした。円高デフレから価格競争力をなくし、苦し紛れに海外へ生産拠点を移転、国内空洞化を招いたのです。それは格差拡大にも繋がりました。だからアベノミクスで内需拡大と言っている訳です。だと言うのに外需依存体質に戻そうというのは大いなる矛盾と言うしかありません。日本のような先進国は内需でいくらでも成長出来るのです。

さらに、観光客が増えるとその分確実に不法残留が増えるし犯罪も増えるでしょう。いいところがないとまでは言いませんが、まれに見るスパイ天国日本という事を考えると、その無防備さに呆然とします。長野での赤い旗軍団を忘れたのか(?)

人を入れる前に、好き勝手されないための法整備が先ではないでしょうか。先日もあるテレビ番組で外人観光客にとっては英語が通じない点が不満だと言っていました。ふざけるなと言いたいです。(笑)どこまで媚びれば気がすむのでしょうか。

世界一の観光立国であるフランスで英語が通じますか(?)観光ルートはともかく、一旦町に出れば英語も日本語も全く通じません。さらに不親切な事この上ないです。言葉の問題が観光の魅力と関係ない事は明らかです。

話が脱線しましたが、政府は海外からの観光客を、現在の1300万人からオリンピックの2020年までに倍の2500万人に増やすと言っています。さらに3000万、4000万人に増やすつもりのようです。やる気満々ですが、本当にそれでいいのでしょうか。今の設備や従業員数でそれが賄えるのであれば、そこまで反対はしませんが、そうはいかないでしょう。

正確な数字は出せませんが、今現在210万人以上の従事者がいる観光業で売上は26兆円程です。その内海外からの観光客が占める割合は5%程度でしかありません。つまり単純計算で1200万人の観光客を増やす為に10万人以上も増員する必要が生じる訳です。外国人客のためだけに合計20万人もの陣容です。その結果、日本に落とされる外貨はせいぜいトータルで3~4兆円に過ぎません。

単純比較は出来ませんが、同じ20万人(メーカーのみ)なら外注費を含むとは言え20兆円近く(国内のみ)売り上げる生産性の高い自動車産業などとは比較にならないのです。生産年齢人口が減少する中、貴重な労働力はもっと有効に使われるべきです。観光に人が取られた分、他の産業にしわ寄せが来るのでは意味がありません。これを機会費用の発生と言いますが、資源(人的、物的)が有限なら当然でしょう。

反対に資源に余裕があるならば、例えば39%の自給率しかない食料関係、ここには多少生産性が悪くても優先的に人を割り当てるべきです。安全保障問題にも直結します。原発が使えない今、エネルギーの自給率を上げるのも喫緊の課題です。今のような原油安が持続する筈がないのです。さらに、将来日米安保条約が解消に向かうのなら防衛産業にも段階的に力を注がなければなりません。やる事は沢山あるのです。人はいくらいても足りないでしょう。

ところが海外からの観光客を際限なく増やしていけば、それら重要な産業に割当てられるべき資源、労働力は自ずと減る事になります。しかも海外からの観光客がもたらすのは内需とは直接関係のない外貨です。それによってメリットがあるのは極一部の観光業だけなのです。これを言うと「ドマクロ」と言われますが、国全体で考えないと結局は行き詰まります。

観光から得られる二次的なメリットもありません。日本人による国内旅行ならメリットの半分は日本人が得ます。ところが輸出などもそうですが、物やサービスを海外に売れば日本人には買う側としてのメリットがないのです。従って乗数効果も望めません。

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   (雪を見ながら一杯なんて、世界でも得難いメリットがある)

つまり日本のような先進国にとっての外需獲得とは、単なるお金儲けでしかなく、輸入以外に使えない外貨の為に貴重な資源を無駄遣いするという訳です。何と愚かな事でしょうか。日本が韓国のような発展途上国でハードカレンシーを持たず、外貨がいくらあっても困らない国なら反対はしません。

ところで、経済成長だけの為ならユニクロのように海外生産オンリーで逆輸入をビジネスモデルにしている産業、これを国内に回帰させる手があります。「アベノミクスに失望して/前編」でも言いましたが、つまり輸入がその分減り、内需が増えるプラスマイナス効果は想像以上に大きいのです。

今はアパレル全体で2兆6千億円の輸入額ですが、大半は海外生産品の逆輸入と思われます。出来るかどうかはともかく、国内回帰させれば少なく見積もって倍の人件費としても5兆円程の内需拡大効果があるのです。輸入が減った分とあわせると7.5兆円もGDP に貢献します。

そんな事をすれば物価が上がって生活が苦しくなるじゃないか、とおっしゃるかもしれませんが、三面等価の原則を考えれば全く問題ない事が分かります。国内で生産、消費すれば、その分国民全体の所得も、多少のタイムラグはあったとしても確実に増えるのです。

しかも貿易赤字を改善しデフレ解消にも貢献するのですから一石三鳥ではないでしょうか。国産にした場合、輸入低価格品との勝負が厳しいと言うなら、フランスの10分の一でしかない高級ブランドのカテゴリーに挑戦する手もある訳です。

この件語り始めると長くなりますので、この辺にしておきます。。

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コメント

田中様あけましておめでとうございます。 
 今年は一週間に1-2回の割合でブログが更新されるかも?と思い嬉しいです。
 中身の理解力が微妙なので何度も読み返しています。
あまりにも中断が長いと具合が悪いのかしら?と余計な心配をしてしまう性格なので、このペースの更新は嬉しく助かっています。(更新が早いと私の読解力が追いつけず未消化なまま次の内容も理解しきれないことが多いからです)。
 いつもぽけーと過ごしているので田中様のブログは勉強になり普段ほとんど頭を使わず惰性で過ごしていることを少し反省しています。

投稿: nao | 2015年1月13日 (火) 00時33分

おめでとうございます。今年こそいい年にしたいですね。

naoさんは几帳面な性格ですね。ジャンルにもよりますが、基本的にこのブログ、私の独断と偏見で書かれていますから、分かり難いところは適当に読み飛ばして下さい。(笑)

記事のペースですが、今年は最低でも週一回は書きたいと思っています。そのくらいなら続けられるかもしれません。

投稿: 田中 徹 | 2015年1月13日 (火) 10時40分

幻想でしかない外需依存前提の観光立国構想

…国防的見地から見て、むやみに外国人の入国審査を緩くする事は危険です。先進国中で『スパイ防止法』が無い国家は日本だけです。

…隣国に過剰なサービスするのは『断固阻止』するべきです。

…現状が続く限り『お花畑的無防備国家日本』と言われてもしょうがないです。

…尖閣・竹島状態が五島列島全体に及んでしまうでしょう。

投稿: 元危機管理屋 | 2015年1月14日 (水) 15時55分

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