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2015年9月 1日 (火)

何を考えているのか分からないドイツ人

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ナベさんからのご質問もありましたので、今日は自動車ネタにします。

さて、長年の懸案だったスズキとVWの問題が解決したようです。鈴木社長が会見で晴れ晴れした顔をしていました。これで胸を撫で下ろしている人も多いのではないでしょうか。正に喉にささった小骨でした。後は三菱ふそうとニッサンでしょうか。こちらは小骨なんてもんじゃありません。(笑)

そもそもスケベオヤジが自分よりデカい金髪女に手を出して、美味しい思いをしようなんて根性がダメなんですよ。(失礼、あくまでも比喩です)当然足下見られて、ふんだくられるのが落ちでしょう。それで何度か痛い目に遭っているにも関わらずです。GMとの提携も結局相手におんぶにだっこだったので解消と同時に米での販売網全て失いました。

交渉事は全てギブアンドテークがベースです。自分だけ美味しい目に遭おうなんて上手くいく訳がありません。GMとの提携で一時期にせよ上手くいったのは相手が紳士だったからです。いえ、決してドイツ人が紳士ではないなどというつもりはありません。

スズキはVWの持つ環境技術と、欧州や中国での販売網が目当てだったのかもしれませんが、VWはスズキの技術と言うより買収による量的拡大を狙ったのではないでしょうか。世界一に固執して次々に買収している会社ですから、そう考えるのが妥当でしょう。両者の思惑のずれが悲喜劇を生みました。

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(スズキの言うS−エネチャージとはマイルドハイブリッドの事だった)

ともあれ、今回株の買い戻しでVWに4600億円(時価)も払うそうですが、VWは笑いが止まらないでしょう。買った時より14億ドルも時価が上がっています。自社株は流動資産として取得金額で計上されるので帳簿上の問題はないのかもしれませんが、スズキの株主から見れば特別背任にも匹敵する大チョンボではないでしょうか。

いくら時価1000億円のVW株売却と自己資金で賄うとは言っても追加の1400億円は巨額です。スズキの経営は当分の間厳しいものになる事は避けられません。その割を食うのは株主、社員、販売店、末端ユーザーです。

大体日本人は交渉事が苦手です。三菱も一時、どこかの国に輸出すればする程赤字、なんてバカバカしい事をしていましたが、海外相手に丁々発止と渡り合える日本人は希です。一番いいのは信用出来る現地の代理人を見つける事ですが、それが至難の業かもしれません。

弊社なども直接は極力避けて現地の代理人を立てる様にしていますが、その代理人による差は大きいのです。本当は、そんな苦労をしなくてもすむ様に政府が内需拡大をきちんとやればいいのですが、内需拡大の意味が分かっていない政府ではどうしようもありません。スズキだけでなく、日本企業の苦難の時代はまだまだ続きます。

しかし、これだけ食い物にされてもやっていけるのですから、日本企業のポテンシャルは凄いと言わざるを得ません。

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(Sクラス ディーゼルハイブリッド JC08モード燃費は、S 300 h とS 300 hエクスクルーシブは20.7km/L なかなか立派な燃費です)

ところでメルセデス・ベンツ・ジャパンがSクラスにディーゼルハイブリッドを追加しました。しかも998万円というかなりリーズナブルなプライスです。これ程の高級車を買う人が998で喜ぶとも思えないのですが、気持ちよく1000万円と言って欲しかったです。いずれにしてもメルセデスとしてはかなり思い切った価格設定ではないでしょうか。

しかしながらディーゼルのハイブリッドというのはどうでしょうか?何かメリットがあるのか疑問です。唯一考えられるのは軽油によるランニングコストの削減くらい? 1000万のベンツ買う人が‥そんな訳はないでしょう。(笑)月に数千円の差が出るかもしれませんが、気にするとは思えません。

一方のデメリットは数えきれません。よくなったとは言えガソリンエンジンに比べると振動騒音の点で劣ります。重量も重いし、排ガスもクリーンとは言い難いです。何よりモーターとの相性も抜群とは言えません。お互いが低速に強い訳で、じゃあ高速域はどうするの?という話になります。

いずれにしてもトータルで見て、コスト的にバカ高く、同出力のガソリン車と比較すれば200キロ近く重いというハンデはどうにもなりません。つまり、どこからどう見ても作り手の都合で作ったとしか思えないのです。そのデメリットの全てが酔狂なユーザーの錯覚と思いやりに委ねられるという訳です。(笑)

日本車のガソリンエンジンによるハイブリッドには勝てそうもないので、変則的な攻め方をしたのか、どうなのか・・私には、合理的な筈なのに妙なところで肩肘張るドイツ人の、こういう考え方が理解出来ません。これからはクリーンディーゼルの時代だとずっと言って来たのに最近はハイブリッドだらけだし。。(笑)

日本に対抗してマイルドハイブリッドなる言い方を発明したのもドイツ人でしょう。そんなのとっくにスズキがやっていますって。ホンダだって最初はマイルドに毛が生えた程度でしたから。。本当にプライドの高い国は扱い難いです。。

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コメント

早速のご回答有難うございます

 そうかスズキのスケベ根性だったのですね。スズキの軽自動車は日本国内は勿論インドでも成功しているはず、それを発展させていく方法を採らず、楽して儲けようなどというスケベ根性が今回の結果をもたらした。と言う訳ですね、納得しました。

 スズキのインドでの成功体験はマレーシアやインドネシアなどの自動車後進国には応用できると考えますが是非頑張ってもらいたいですね。スズキの軽は好いですからね。

投稿: ナベ | 2015年9月 2日 (水) 12時51分

私も感じたドイツ人の不思議
 
 いつもは天気予報しか見ないNHKTV、7時のニュースを見てしまいました。しょっぱな、シリアからの難民到着、受け入れ歓迎の映像、受け入れ賛成派の意見と反対派の意見を流していましたが、今でもクルド系の移民に悩まされている現状を省みず受け入れる政策を理解できません。受け入れ賛成派のコメントは、かつてユダヤ人を迫害し、ユダヤ人難民を多く輩出した過去を考えると仕方がないと言っていましたが、ドイツ人にとっては重い過去の遺産のようですね。日本の隣国は戦後のドイツを見習えといいますが、ドイツはユダヤ人犠牲者には謝罪しましたが戦争責任は一切取っていませんし、近隣との平和条約も結んでいません(これ西尾先生の受け売り)。ドイツ国民としてはヒットラの遣ったことは余りにも罪深くて、全ての罪をヒットラとナチ党に押し付け、ナチ党を熱烈支持したことは忘れてシカトするしかないのだそうです。
 だが、昔のクルド人は3Kの仕事をさせるため、今のシリア難民は単なる難民、甘い対応をするとアフリカ系の難民も押し寄せます。その覚悟はあるのでしょうか。難民受け入れよりも先に難民を発生する元を断たなきゃ駄目でしょう。これには知恵と武力が必要です。
 日本国は戦前から隣国からの難民を受け入れ、関東大震災時や戦後の混乱期から現在に至るまでその犯罪の被害の悪質さと多さに悩まされています。
 冷徹な思考と合理的な行動をするドイツ人がWW1に負け、ヒットラは戦後の賠償を撥ね付け、高橋是清的な政策(アウトバーンと軍需産業の復活)で経済を再建して、国民の圧倒的な支持を得るのですがWW2ではムッソリイ二に付き合い、関係のないアフリカ戦線まで兵を出し、消耗して、最後はロシアで敗戦する。
 現在のドイツは10年ほど前、ワークシェアリング(労働時間を皆で分け合って週3-4日働く)していたとは思えないほどの勢いです。EUで経済合理性が一番のドイツの一人勝ちです。
 しかし、現在アジアではシナとの密接な関係で、先行き怪しくなってきました。シナへの過大な設備投資がアダとなって来るでしょう。77年前、シナ事変当時、上海事変に軍事顧問を送り、ドイツ製の武器を使ってシナ人、外国人、日本兵に多大の犠牲を出しました。(元ライシャワー大使の兄はホテルへの爆撃で死亡)日本はドイツとイタリアとで3国同盟を結びましたが、独も伊も日本のことなど眼中になく、日本は独自の戦略で進むしかないのです。
 
 今後のシナでのVWとメルセデスの動向を注視しましょう。
 

 

投稿: ナベ | 2015年9月 6日 (日) 22時03分

何を考えているのか分からないドイツ人

・・・勝手におまけ追伸の打ち上げ:何を考えているのか分からないVW社の旧社長』

へー!フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンに、排ガス数値を誤魔化すプログラムを仕込んだ制御装置が搭載されていた事が明白になったそうですね。バレたら自社が延々と築いてきた信頼性が一気に崩れることがわからなかったのでしょうか?ドイツ人は数十年ごとに大きなドジを踏むのでしょうか?・・・ナチス党を支持した様に・・・

ウラニューム含有の石炭を無制限に燃焼させて北京を含む世界中の大気に有害物質とか炭酸ガスをばら撒いて平気なC国と同じレベルのあくどさ。

そこまでして世界一の生産台数を誇りたいのでしょうか?地球と人類を含む動植物の存続を永久に守りましょうね。。。地球を汚しちゃあダメでしょう?

suzukiのじい様って、凄い予知力・・・ディーゼル排ガス事件勃発寸前にVWとのSuzuki自動車の提携を解消・・・浜松発足のHonda・Suzuki・Yamaha って皆おお化けして立派になっています。

投稿: Carly | 2015年9月27日 (日) 00時59分

何を考えているのか分からないVW社の旧社長』~その2

むかし昔、VWの車はYANASEが日本での正規代理店として輸入し、芝浦(でしたっけ?)の大工場でミラーとかを日本仕様規格等に丁寧に組み直して出荷し、大切にユーザーに届けていたらしいです。セールスマンも良心的にあれこれ誠実に心を込めて(多分!)いたらしい

・・・その誠意の結晶として、長らく輸入車の台数No.1を獲得していました。

・・・VW本社は日本での営業成績に車の商品競争力に対して自信過剰になり、その後ヤナセとの契約を破棄して自己自身による日本での営業活動に切り替えました。

・・・まあ古典的ビジネス戦略としては自前で他国での営業開始は”有り”なのでしょうが、VWの既存ユーザーとかヤナセを含むビジネス業界の従業員さん等への心象は寒々としていました・・・今回の”ディーゼル排ガス事件”もこの企業への信頼性・愛着とか人類愛(?!)とかが感じられません。残念です。

ウラ読み・・・日系自動車メーカーへの最近の悪口 時系列

①対Toyota :アクセルがおかしくて人身事故 →NASAまで動員してが調べたが無罪

②Takataエアバッグ不具合 :当事者は重大な問題があったと認識し、製造者は対策に必死に取り組んでいる → 正常に作動して人体損傷を防いだ事例も多いと思われるのでその比率も知りたいですね。不謹慎ですが数万人エアバッグ作動して助かったのなら極少数の損害はしょうがないかも・・・まあ誤作動ゼロを目指すのは製造者の使命です、これは永遠の課題です。

③今回のVW問題を含めた上記①②はアメリカBIG3以外をやっつける洗脳宣伝印象情報の様に受け取る人も結構いらっしゃるかもしれませんね。・・・あ、じゃあFordとかGM車にしちゃおうかな~とかね・・・あくまでもチラッと思いついた印象を述べただけですので他意は御座いません。

投稿: Carly | 2015年9月28日 (月) 17時07分

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