敵に塩を送る(2015クリスマス)
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早いもので、もうクリスマスシーズンがやって参りました。今年のクリスマスカードのテーマは「敵に塩を送る」です。ファンタジーワールドをお楽しみ下さい。
今秋ラップランドで行われた世界サンタ会議で、長老サンタは顔を曇らせながらこう切り出したと言います。「今年も多くの偽装問題が発覚したが、VWの排ガス偽装には困ったもんだ。しかし窮地のVWを救わない訳にもいかない。何かいい知恵はないものだろうか」
するといつも日本を目の敵にしているC国代表が「日本には優れた環境技術がある。それを差し出せばいい」と意地悪く言うではありませんか。C国の腰巾着であるK国代表も「C国の言う通りだ。戦犯国日本にはその義務がある」と憎々しく続きます。ドイツからC国に流れた日本の技術のおこぼれに預かりたいようです。
さらに味方の筈のA国代表までが「タカタの次はどの会社にしましょうか・・」などと意味不明なことを言い出す始末です。これにはさすがに日本代表、松丘も頭に来ました。「日露戦争後、黄禍論を唱え常に日本を敵視して来たドイツに日本の最新技術を無償で供与するなど、到底国民の理解は得られない」
席を蹴って退場するしかないと思ったのですが、このまま知らん顔するのも武士道精神が許しません。その時、松丘にある考えが閃きました。「議長、妙案があります。日本の伝統的なやり方ですが、塩を贈るというのはどうでしょうか」・・・一瞬静まり返った場内、次の瞬間割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。「おもろいなあ。ビックリポンやわ~」
場面は変わって数ヶ月後のドイツ、デリバリーを任されたスウェーデン代表の美女サンタは不安でした。ここまで持っては来たものの、本当に塩なんて受け取ってもらえるのかしら?突き返されるんじゃないの。
そんな・・愚にもつかない噂話がまことしやかに伝わって来る、薄ら寒い年の瀬ではあります。
フォルクスワーゲン問題が今年一番のニュースかと思われますが、そこまで露骨にやるとは誰も考えなかったのではないでしょうか。1年半にも及ぶEPAによる検証結果を突きつけても頑として認めず、「白状しなければ新型車の米導入を認めない」という米当局の脅しにしぶしぶ屈したと言いますから情けない限りです。
日本のメーカーでなくて本当によかったと思わざるを得ません。日本が相手ならこんなものではまないでしょう。トヨタやタカタを見ても、何も立証されていない段階から極悪人扱いですから、それは大変な事になっていた事が推察されます。
しかしVWも適当なものです。認めるや否やコロッと態度を変え、言うに事欠いて「今後はハイブリッドと電気自動車に本腰を入れる」ですから、開いた口が塞がりません。あれだけハイブリッドをバカにし目の敵にして来たのは何だったのでしょうか。
これではユーロ6適合車なんて嘘だと認めたようなものです。結局クリーンディーゼルの技術はまぼろしだったのかと言われても仕方ありません。何よりプライドがないじゃありませんか。
日本でのコマーシャルも一転し低姿勢になりましたが、私は気に入りません。(笑)何と「皆様にはご心配おかけしました」ですから、どこまで高ピーなのかと言いたいです。
それを言うなら「ご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません」の筈です。誰も心配なんてしていませんよ。ユーザーに対しては詐欺行為を働き、ディーゼル車全体の印象を悪くしたのですからひたすら謝るべきです。
そもそもクリーンディーゼルを現実のものに近づけたコモンレール(燃料噴射)の技術は元々デンソーのものでした。いつの間にかボッシュがシェアをとってクリーンディーゼルの盟主のような顔をしていますが、ベースはフィアットから買ったと言います。
さらに最新技術は、日本のディーゼル車普及率の低さに嫌気したデンソーの技術者を日本の研究所で雇って手に入れたという説があり、それが事実だとすれば、ボッシュには何もなかった事にさえなりかねないのです。
(デンソーが開発したコモンレールシステム、左からポンプ、インジェクター、コモンレール、今は2500気圧とさらに高圧になっており将来的には3000気圧が視野に入っていると言う)
もっと言えば、大型車やベンツなどが採用している高価な排ガス後処理装置の尿素SCRにしてもUD(ニッサンディーゼル)の技術だという事が分かりました。つまりクリーンディーゼルの技術は日本の方が進んでいた訳です。
あまり宣伝もせず、自己主張が弱いのでクリーンディーゼルはドイツの技術のように思われていましたが、1%台とディーゼル比率が極端に低い日本の方が強かったというのは皮肉なものです。これにマツダの低圧縮比エンジン本体が加わりますから正に鬼に金棒ではないでしょうか。
ただ、私見を言わせてもらうなら、今の段階で規制値をクリア出来たとしても、さらに厳しくなる規制にどこまで追従出来るのかは疑問です。ポテンシャルに余裕があるハイブリッド車(ガソリンベース)に比べればディーゼルの劣勢は明らかです。
そりゃ、もの凄く高い価格のものにすれば不可能ではないと言えるのかもしれませんが、ベンツのディーゼルのようなクルマがバンバン売れるとは思えません。どこかで頭打ちになる事は自明です。
今現在にしてもDPFに溜まった煤は定期的に高熱で焼き切らなければならないし、(その間燃費に影響する)尿素SCRに至っては純正の尿素水補充という厄介な作業がついて廻ります。単にノーマルのガソリン車と比較してもアドバンテージがあるとは思えないのです。
ところで塩を送る話ですが、実は日本には「傷口に塩を塗る」という諺もあります。つまり落ち目のものをさらに痛めつけるという意味ですが、今回の場合どちらに解釈するかはあなた次第です。(笑)
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コメント
今年も益々冴え渡る、燦然と輝く名調子のタイムリー且つ話題性の満点の建設的ブログを山ほど読ませてくださいまして有難う御座いました。素晴らしいX’masカードも有り難うございます。コメント投稿も読みでのある、凄い突っ込みもあり、ヒヤヒヤドキドキ・・・言論の自由・民主主義の日本は良い国ですね!政界財界官僚マスコミ報道機関が即日、反映してほしい内容が山のように打ち上げられた2015年です。
・・・後ろの背景のVW社?のエントツらしき物体が4本・・・煙が出ていないのが心配・・・あ、そうか、Xmasですからお休み中・・・ちょっとドイツとかEUを心配してあげている雰囲気・・・優しい心がでていますね。A国B国C国D国全世界、もちろん我が日本も進化・進歩・繁栄が永久にアップする事を祈念いたします。多分女神のサンタさんが沢山の英知・幸運をプレゼントしてくれるでしょう。え、今年はお塩ですか。それもいいかも・・・
投稿: AZ生 | 2015年12月21日 (月) 13時59分
え~と、「お清め」と「魔よけ」にも・・・・・
投稿: 南国通信 | 2015年12月22日 (火) 00時16分
関係ない話で恐縮です。
次世代の党が党名変更、
「日本のこころを大切にする党」
だそうです(wikiよりHttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%82%92%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E5%85%9A)。
結局、綱領の類がしっかりしてないから名前が変わる。そのうえ安直に「日本」を入れるとは、もうまじめに遣るつもりも無さそうです。
先日、直接税を下げることは主権の放棄だとのコメントをしましたが、「綱領・政策骨子」のもっとも基本的なことであろう政策から一部引用すると
・直間比率の見直し、法人実効税率の大幅引き下げ
と謳っていました。しかも「綱領・政策骨子」と基本且つ大局的なことを述べるであろうところで、あまりにも具体的な税制を挙げてです。
逆に、わか国において深刻な問題である「少子化問題」では、「基本政策」1つ扱いを落として
・世代間格差を是正する社会保障制度の抜本改革、徹底的な少子化対策
と、今度はえらく抽象的で且つ、少子化問題が如何なる原因で起こったかの党の見解分析が全くなく、安直に子供3人目以降は100万円補助するなど言い訳していますが、およそ意味の無いことを言っているだけなのです。
法人税の件を合わせて考えると、間違いなくネオリベ政策をやらかす怪しい政党であることは確かです。
「綱領・政策骨子」に戻りますが、
・自立、新保守、次世代の理念の下で自主憲法制定
とありますが、前のエントリーである「グローバリズムと民主主義は両立しない」と関連して述べますが、グローバリズムと民主主義は両立云々以前に(民主主義を国民主権と読み替えると)対義語でしかないのです。
同様に、新保守は政治用語としてはサッチャーやレーガンがやったような政策を意味しますが、そもそも保守とは保ち守ることなのであり、それに「新」を修飾するとは如何に言葉として可笑しなモノなのか物語っています。
さらに、「次世代の理念の下で」とは一体何なのでしょうか?名前変えたんですよね…。次世代とはこれから創っていくモノである訳ですから「未定の理念の下で」という事になり、もはや文が成立しません。
「ら抜き言葉」など多少の文法の誤用はあっても意味が通りますが、彼らが言っているのは意味事態通じません。というか日本人であるかどうか判らないほどの文です。100歩譲っても(wiki編集者の間違い等)、「新保守」と謳っている以上、ネオリベグローバリストであるのです。
投稿: Sura | 2015年12月22日 (火) 01時47分
すみません、訂正です。
×先日、直接税を下げることは主権の放棄だとのコメントをしましたが、「綱領・政策骨子」のもっとも基本的なことであろう政策から一部引用すると
○先日、直接税を下げることは主権の放棄だとのコメントをしましたが、「綱領・政策骨子」と最も基本的なことであろう括りから一部引用すると
投稿: Sura | 2015年12月22日 (火) 01時53分
柔らか麺の南国通信ですwwwww
政治家として紆余曲折があったとしても、結局は自民党を飛び出た段階で溶けてゆくか落ちぶれて復党するしか道がないのが日本の限界かも知れません。
投稿: 南国通信 | 2015年12月22日 (火) 04時13分
安倍政権で日本が目指すべき理想は国益至上主義或いは日本人益至上主義でしょう。日本人が理想の国造り、理想の暮らしを追い求めたら世界で突き抜けた存在になります。レーザー核融合の基幹技術は日本が圧倒している。実用化されればエネルギー自給率120%になり余った電力で穀物工場で農作物を製造できエネルギー、食料の自給自足が敵います。これらが自給自足出来れば年間20兆円から30兆円分の外貨流出を防ぐことができます。この額は消費税8%で得る税収を上回る額です。次に超健康社会の構築を目指し医療費や薬品代や福祉費用を半減します。
投稿: たっくん | 2015年12月22日 (火) 05時18分
田中様、今年も有難うございました
年内、まだ一件くらいはUPしていただけるのかな?
さすが自動車業界人、VWに関する意見は冴えています。日本車は王侯貴族向けは兎も角、大衆車の性能は他に抜きん出ているのですね。ハイブリッド、ジーゼルは元より今後電気自動車でも頑張ってもらいたいですが、これは高性能電池の開発に左右されるのかな?日産の電気自動車には帰郷の折、空港のレントで何回か乗りましたが、起伏の多い田舎道は電気の消耗が激しく、怖くて遠乗りは不安でした。日本には自動車メーカーが10社程ありますが、どの社も個性を持って頑張っている、理想の形で頼もしいですね。
話は変わりますが、東芝が1万人以上のリストラを遣るようですね。馬鹿な経営者による一般社員の理不尽な不利益をどう穴埋めするのでしょう。10年以上前にも多くの不採算部門の技術者を頚にして、その技術者が韓国のサムスンに入り、サムスンの興隆を支えたのですが、結局使い捨てにされたようです。文系の経営者は技術系の事を全く理解していないようですね。目先の利益のために一番大切にしなくてはいけない技術者を簡単に手放す、日本の製造業を支えているのは技術者なのですよね。これもグローバリズムに毒された経営の弊害でしょう。
安倍さんは600兆円のGDPを目指すと大風呂敷を広げていますが、遣ることは姑息な手段ばかり、これで消費税を上げるなどと言ったらムシロ旗を押し立て国会に向かわなくてはいけませんが、安倍さんを倒しても代わりを遣って欲しい人が居ないのが日本の不幸です。
来年はどうなりますやら
投稿: ナベ | 2015年12月22日 (火) 14時30分
たっくんさんの提案された、
『安倍政権で日本が目指すべき理想は国益至上主義或いは日本人益至上主義でしょう。日本人が理想の国造り、理想の暮らしを追い求めたら世界で突き抜けた存在になります。レーザー核融合の基幹技術は日本が圧倒している』・・・
・・・私にとって『ちょっと早めの、2016年の初夢』として支持致します。
投稿: AZ生 | 2015年12月22日 (火) 15時08分
多分これから後は覗いて楽しませて貰う事となると思います。南国通信様、ナベ様には言いたい事が届いたか?と思いますが、硫黄島様には全く届いていないように思います。
前にも言いましたが私は疑い深いほうなので、届いたと私が思い込んでいるだけで、全く届いていない可能性もあると思っています。
投稿: nao | 2015年12月22日 (火) 18時10分
I've been absent for a while, but now I remember why I used to love this website. Thanks, I'll try and check back more frequently. How frequently you update your site? kkgebdadccak
投稿: Johnd527 | 2015年12月22日 (火) 21時56分
去年このブログを見つけて以来、いつもアップはまだかまだかと待ち遠しくしています。今年もためになる記事ありがとうございました。来年も期待しています。
それにしてもワーゲンの不正事件、なぜあんな大胆なことをしたのか納得がいきません。あれでばれずにそのまま押しとおすことができるとでも思っていたのでしょうか。今回の田中様の記事によればどうもそんな大胆で横柄なところが原因のひとつのようですね。それは欧米人いやドイツ人のメンタリティーなのでしょうか。
私は政治ブログはいつも3つチェックしてます。三橋孝明さんのとパチンコ屋の倒産、それに田中様のブログです。
来年もよろしくお願いします。楽しみにしています。
投稿: 八丈島 | 2015年12月24日 (木) 20時23分
Very nice site! cheap goods
投稿: Pharme722 | 2015年12月24日 (木) 20時24分
田中さん(様)、どうやら今年中の更新はないようですね(笑)この際ですのでクリスマスのドサクサに紛れて本日コチラで気になったトピックスを絡めて投稿させていただきました。
本日夕食時にTVを垂れ流ししていましたところ、いきなりこの国で3番目の大きな市(もしかしたらまだ2番目かも?)の市長が画面に映り「泥棒諸君、強盗諸君、メリークリスマス! お前らが行いを改めないと、これが人生最後のクリスマスになるぞ!」と・・・・・絶句!一瞬私はあまりのインパクトに凍りつきました(爆笑)
実はこの市長さんが治める市は今ではマフィアを含めた犯罪集団が駆除されたこの国唯一の安全で清潔な市としてとても有名な市なのです。移住してくる多くの外人にも安全で清潔だと評判が良く、先日私がパスポートの新規発行の際に18年ぶりにそこを訪れたのですが、昔とは大違いで街中でゴミや吸殻を見つけることは出来ませんでした。有名なディーゼル車の煤煙すら目にする事がありませんでした。まぁ、その代わりに街中が禁煙という少々つらい面もございましたが(笑)。
しかしながらその手法がかなり強引でして・・・・・どうしてかといいますと、その手法とは「毒には毒をもって制する」まるで映画のダーティーハリーそのもののやり方なのです。簡単に言えば犯罪者や組織の人間を片っ端から殺してしまうというやり方です。すごいでしょう?
この国の警察と司法の腐り具合を身を持って経験している私とすれば、ある意味かなりベストに近いベターな方法かな?とも思えるのですが(ホント、第三世界とはこういうレベルなのでございます)。
それでその市長が次の大統領選挙に出馬する事となりまして、先ほどのTV/CMは彼の選挙キャンペーンだった!ということなのです。
そこで「だからどうした?」と無慈悲な突っ込みはお許し願って(笑)、少々の事では驚かなくなった私ではございますが、今回のあまりにも強烈に受けたインパクトを日本の皆様には世界の現実の一例として一言お伝えしたかっただけでございます。
いずれに致しましても、私個人としましては2015年は「安倍談話」をもって節目とし新たなるスタートが切れた年、反日国のボロが出始めた年として評価をしております。
投稿: 南国通信 | 2015年12月25日 (金) 05時00分
南国通信さん、残念でした。この記事が最後ではありません。(笑)
少し時間が出来たので、また少しずつ書いていこうかと思っています。それにしてもその街は凄いですね。市長は命を狙われないのですか?家族もいるでしょうし、勇気がありますね。日本人政治家も少し見習って欲しい。
投稿: 田中 徹 | 2015年12月25日 (金) 09時32分